契約完了
もう一度言おう。
そこには猫がいた。
すごく透明感のある淡いブルーの毛に
左目がピンク右目が黄色のオッドアイ
ゆらゆらしっぽを揺らしながらその猫はこちらを見ていた
「にゃ!そういえば貴様は誰にゃ!ネコはさっきまでおトイレにいたのにゃ!まだちゃんと物を隠しきれてないにゃ!気になるにゃ!.......おろ?」
自分をネコと呼んだその猫は魔法陣のそばで倒れている国王のそばに寄ってきた
「スンスンッ。何か臭いと思ったらこのおっさんの息めちゃくさにゃ。」
「え?」
(お父様は死んでしまったのに、息がくさいって...
もしかして!?)
リリアナは国王の胸に手を当ててみた
わすがだが拍動があった
「お父様!お父様!今お医者様を呼んできますわ!」
そして、奇跡的に一命を取り留めた国王であった
猫が気づいてなかったら、本当に死んでいたかもしれない
(猫さんにお礼をしなければ!)
そう思い、先ほどの地下の部屋に行くと、猫はまだ魔法陣の中にいた
「猫さん!まだいてくださったのですね!!猫さんのおかげで私の大事な父が助かりました!本当に心から感謝申し上げます!」
「にゃはははー。それは良かったにゃ。あのおっさん息くせーけど、いい奴みたいだったからにゃー。」
「えぇ、なんといってもこの王国の国王にして、私のお父様ですから...それはそうと猫さんにお父様を救って頂いたお礼をしたいと思うのですがどうでしょうか?」
「お礼だにゃんてー。ありがたいにゃー。やっぱりいい事はするもんだにゃー」
「私、本当に感謝しておりますの!お礼は何がよろしいでしょうか?」
「にゃん!そんなの決まってるにゃ!ネコをここから出して欲しいにゃ!なんだか、この変な絵の中から出られないのにゃー。」
「そんなことでよろしいんですの?ただ出すだけでしたらお礼のうちに入りませんよ!お礼は別として確かにその中しか動けないなんて窮屈ですわね?今出して差し上げます」
ーニヤリー
猫の顔がそんな表情をしているように見えた
でも、それに気づいた時はもう猫はリリアナの腕の中
そして、リリアナは思い出した
これは救世主を召喚するための儀の魔法陣だということを
さらに、リリアナは気づいてしまった
そこの中に足を踏み入れてしまったということを
つまり、神聖な魔法陣をその足で汚してしまったということに
「あっ」
時、すでに遅し
そして、腕の中の猫はすごく嬉しそうな声で言う
「ネコとの契約ありがとにゃん!ネコはこーんなに可愛い女の子と契約ができてらうれしいにゃん!これからよろしくにゃ?」
リリアナの腕の中の猫はそんなことを、活き活きとした顔でいうのだった。