9話 神様の謝罪と洗練
「ごめんなさーーーーい!!」
「うぉい!?」
「っ!?」
夢の中だと思われる所でいきなり神様が見事なまでのDOGEZAをかましてきた。
はい?何を考えているんだろうな俺は。
えーっと、確か自由時間を貰って香里と一緒に本を漁ったり魔法系の技能を取得
してたら、和輝達がバタンキューで午後の勉強が無しになって午前と同じことを
して風呂入って昨日より控えめに香里と男女のあれこれして寝て、今ココ。
「おい、俺の睡眠を邪魔しやがったなこの野郎」
「....寝室に戻して」
香里は、超不機嫌モードだ。香里は、俺や親以外に起こされるのを極端に嫌う。
そのとき神様は悟った。アカン、死なないけど早く言い訳しないとマズい。
「っちょ、ちょっと待っておくれよ。頼むって、君達のお母さん達にボコボコに
されちゃうからー」
「なに言ってんだ。うちの母親はもう死んだんだろ?」
全く何を言っているいるんだと言うふうに優也が問い掛ける。
香里は、もうすぐキレそうだ。
「いやー、それがね。彼女達執念だけで僕の下まで来ちゃう逸材じゃん。そりゃ、
万年神手不足の神域の此処で上司の全能神様のお眼鏡に叶うに決まってるしさ、今
も神様になってちょくちょく地球に遊びに来て君達のお父さん達とイチャイチャし
ちゃってるよ。あっ、でも責めてあげないでね、勿論会いたがっていたけど制約で
会えないんだよ」
要は、うちの母親達はこの神様の上司として神様になって父親達とイチャイチャし
ていてると。
「「早く言えよ!!」」
もう香里もびっくりし過ぎて眠気も覚めたようだ。
「あはは、仲がいいね君達。それでさ、実は、君達に洗練の技能を上げるって言っ
たんだけどさ、なかったでしょ。ステータス欄に。ごめんね。ちょっと失敗しちゃ
ってさ、渡せなかったから君達の母親にど突き回されて挙げ句減給だよ...グスッ」
神様が遠い目でそれはもう果てしなく同情をさせる雰囲気をもって謝ってきた。
「いっ、いいよ、大丈夫。俺達もすっかり忘れていたから」
「うっ、うん大丈夫。怒ってないよ」
「グスッ、ズズー。ありがと」
「気にすんなよ。じゃあ、その洗練ってのを貰えないか」
「うんっ、いいよ。はいっ完了。あと、お詫びとしていいこと教えてあげるよ」
この神様を慰めていたらいいこと教えてくれるそうだ。
あっ、この神様、髭生えたおっさんじゃなくてショタ神だからね。
「いいことってなんなの?」
「それはね...ああ、先ず質問なんだけど君達もうしたよね」
「ええ、もちろん」
「ああ」
「ははは、君達は本当に仲良しだね。なら大丈夫だ、洗練にはね隠し効果で繋が
った相手の技能も効果を表せるというのがあるんだ。それの、応用で同時に洗練
を選択して相手の洗練と自分の洗練を統合するんだ。そのときに、称号の上位神
の加護者も一緒に統合すると選別者っていう自己思考進化型共有技能に分類され
る技能が手に入るんだよ。やってみな!」
ふむふむ、あった。じゃあ、せーのでで香里と同時に選択した。
すると、2人の頭の中に選択肢が表れた。
この中では、同時に選択出来るようだ
《カミナギカオリ、ヒイラギユウヤの□□を洗練×2に統合しますか?》
この四角に称号を選択して
《カミナギカオリ、ヒイラギユウヤの上位神の加護者と□□を洗練×2に統合
しますか?》
ん?なんかまだ統合できそうだな。
じゃあ、いろいろぶっこんじまおう。
《カミナギカオリ、ヒイラギユウヤの上位神の加護と鑑定、アイテムボックス
言語理解、探知魔法、防音魔法、念話を洗練×2に統合しますか?》
よし、香里と相談しながら異世界系小説の知識を存分に生かして、こういう技
能に加えた方がいい物を選んで決めた。
これで、魔力を込めて決定した。
『初めまして!マイマスター、マイロード。誠心誠意お仕え致します!』
頭の中に声が響いてきた。
どうやら言語理解の技能を入れたから副作用で言語機能がついたみたいだな。
あとは、自由時間中に手に入れた念話は...
『おい、香里と繋げれるか?』
『イエス、マスター。出来ますよ』
『ああ、そのマスターってやつ止めて貰えるか。』
『分かりました。では、優也様、香里様とお呼び致します』
『おーい、香里、聞こえるか』
『聞こえるかわ。これで出来たわね』
『ああ。けど、ちょっとやりずぎたな。こいつ』
『...そうね。これは、やりすぎたわ』
「おや、終わったようだね。えーっと、どうなったんだい」
神様が聞いてきたので、情報を開示してやった。
「うんうん、よく出来んんっ!?ちょっと待ってよ!なにこれ!?普通は、
補助レベルの技能の筈なんですけど!?もはや、固有技能レベルじゃん!」
神様がおかしいと言ったレベルの技能はこれだ。
共有技能
選別者
・情報選別 ・最適化 ・最上位鑑定 ・アイテムボックス∞ ・言語解読
・探知 ・防音結界 ・念話
情報選別は、そのままの通り必要な情報のみ選別しておしえてくれる。
自己思考は、自分で考えこちらに進言してくれる。
最適化は洗練と能力は変わらないが選別者に命令すれば最適解を出してくれる。
最上位鑑定は、対象のあらゆる情報手に入れられる。
アイテムボックス∞は、容量が無限。
言語解読は、一定数の知識を持つ者の言語を自動で変換してくれる。
探知は、半径100mにいる相手の位置を敵意の有無で色別に表示してくれる。
防音結界は、名前のまんま。
念話は、相手と頭の中で会話ができる。ちなみに、自由時間中に魔力で飛ばした
ら成功した。
「いやぁー、いろいろぶっこんだらこうなちゃって、駄目だったか?」
「いっ、いや良いんだけどね。もしかして、全部2つずつ洗練した?」
「しましたけど」
「はぁー。それは、そうなるね。単純に2つ分の能力だもんしょうがないか」
どうやら、俺達が考えているよりもチートだったらしい。
「君達、多分これで大抵の敵には負けないと思うけど油断したら駄目だよ。
今のままじゃ本当の強者には負けるからね」
「分かってるよ」
なにを当たり前の事をと思ったので即答してやった。
当然、香里も頷いている。
「当たり前だろ。うちの親はあれだぞ。今、全力でやっても勝てる気がしねえよ」
「ははっ、そうだったね。君達のお父さんは規格外だったね」
神様は、昔を思い出したようにカラカラ笑っている。
「うん。じゃあ心構えも良さそうだし君達の意識はもう返すね」
「うちの母親に負けないようにね」
「めげないでね」
「う゛っ、がんばるよ。それじゃあまたいつかー」
そう言った神様の声を聞いて俺と香里の意識は薄れていった。
ーーー続くーーー