6話 ステータス確認2
前回の続きです。
称号
異世界召喚に巻き込まれし者
異世界召喚に巻き込まれた者に送られる称号。職業が得られない代わりに技能の習得のスピードUP。
「マジどうなってんの?」
何度見ても同じ説明だ。ちなみに説明は、ステータスの項目をじっと念じたら表示された。
「優也、たぶん召喚陣の設定が原因」
王女さんのセリフが思い出される。...人族以外は、召喚されない設定でしたので。...人族以外は。
ああ!俺達の種族が半分だけ人族だからか!
「ということは、これを見られたら種族バレるか?」
「そんなことは、ないと思う。ただ、少し面倒なことになるから偽装しといたほうがいい」
とのことなので、早速偽装しておいた。
そうしていたら、和輝が少し咎めるように喋り掛けてきた。
「柊君、次のステータスを見せるの君の番だよ。聞いてなかったのかい?あとは、君と神薙妓さんだけだよ」
全く聞いてなかった。
ステータスを王女さんが見る話になったらしくもう俺と香里だけみたいだ。
水晶みたいなのが2つあって男は、右側みたいだ。
「すまない。ちょっと考え事していた」
そういって王女さんの前までいって俺と香里は、王女さんの言う通り水晶に手をかざした。
「はい、終わりました。えーっとでですね、職業が......」
王女さんが職業を言いかけて固まった。
「あ、あの大丈「職業が二人共3つもあって柊様が武王・技王・闘王!?、神薙妓様も技王・生産王・武王!?ステータスも勇者の和輝様よりも上で、というか、技能の数多過ぎない!?しかも、神薙妓様 全属性魔法!?」
外のクラスの奴ら、特に和輝が目を見開いてこちらを見ている。
はぁぁ、王女さん素が出てますよ。
「おい、クラリス!!ステータスは、秘匿情報だぞ!大声で口に出してどうする!」
王様が叱っている。
この王女さんは、ちょっと、いや、かなり天然なんだろうな。
「ひっ、はいい。申し訳ありませんでした、柊様、神薙妓様、本当にごめんなさい」
「別に良いけど...、その天然、治したほうがいいと思うよ。あと、名前同い年そうなので呼び捨てでも良いよ、むず痒いし」
ちょっと堅苦しかったので言わせてもらうことにした。
「そうですか、では柊さん、神薙妓さん、と呼ばせていただきますね」
まあ、ちょっと固いけどまあいっか。
これで、全部終わったので最初の魔王の話に戻ることになる。
「して、和輝殿よ先程の話、承けてはくれないか?」
「う~~ん、みんなはどう思う?俺は、力はあっても俺達には授業で剣道をやったぐらいの技術しかない。いくら、素質があっても本当の上位の敵には勝てないと思う」
和輝が俺達に相談してくる。
ここは、俺がこいつを評価しているとことだ。
周りに流されず、緊急時に客観的に判断できる高校生はそういないと思う。
「あっ、あのさ」
女子生徒、確か山村梨子さんだったか。がみんなに少し困ったように問い掛ける。
「承ける云々以前にさ、この国の人達ってさ帰還方法知ってるのかな...」
その言葉に俺と香里以外のクラスメイトが、ハッとする。
俺と香里は、なんとなくテンプレ的にここには無くて魔王の近くとか、発見されてないかのどちらかと言われると考えていたので別にどうという事はない。というか和輝、考えててなかったのかよ。
「王様!その帰還方法は、ありますか?」
和輝が少し声を荒げて質問する。
無意識に、ここに帰還方法があると考えていたのだろう。
「っ、すまない。実は帰還方法はないのだ。というかここには記されてされていないのだ」
みんなが、絶句しているなか俺と香里は不謹慎にもこう考えていた。
テンプレ乙!!!!!!!!!!!
・・・・・・◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇・・・・・・
「ふっ、ふざけんなよ!!帰れないってどういうことだ!」
みんなが絶句してからたっぷり5秒経って、男子生徒、不良の近衛宗太が王様達にむかって大声を出す。
これまでの不満や不安がここにきて一気に噴出したのだろう。
他の生徒も罵声を浴びせようとする。
しかし、和輝、川南、野元、赤道がみんなを止める。
「ちょっと、みんな話を聞こ。王様、まだ話がありそうだよ」
さすがに、ちっちゃい赤道を振り払うほどみんなは怒っていないようだ。
まあ、たぶん~魔王の宝物殿にあると言われている~とかなんか何だろうな。
「すまない、言い方が悪かったな。さっき言った通りここには帰還の魔法陣はない。しかし、ある文献で勇者召喚が行われるが勇者が反抗し敵に加担してその後、帰還したという話がある。その敵国は滅びいまそこに魔王城がある。だから魔王城に魔法陣がある可能性が高い」
期せずして、多分俺と香里の母親の国の話になったがこれは、帰還方法は、ないと考えていいと思う。
何故なら、あんな武器も残す程俺達を愛してくれた人が俺達や夫達に追っ手が行く可能性を1%も残すとは思えないから帰還の魔法陣は壊したと思う。
恐らく俺と香里だけが分かることで、この国の人には他意はないのだろう。
「はぁ...、これじゃ承ける方がいいと思う。みんないいかな」
クラスメイトが疎らに頷く。
「王様、僕はこの国の人達のお願いを承ける事にしました。しかし、クラスメイト達はまだ考えている人も多いので待っていただけないでしょうか」
「うむ、どちらにせよ明日から訓練をしてもらうつもりだった。1ヶ月後、そなたらの気持ちを聞かせてくれ」
うわっ、訓練かよ。めんどいな。
「では、皆様これからお部屋にメイドがご案内いたします。夕食までにお寛ぎください」
王女さん....クラリスさんでいいか。クラリスさんが俺達に喋り掛けてメイドが音もなく出現した。
メイドヤベェな。
そんなとき、香里が手を上げた。
「なんだしょうか神薙妓さん?」
香里がこちらを向いてニコッとした。
ゾッ、い、嫌な予感がする。止めなければ。
「おい、か...」
しかし、遅かった。
「私と優也の部屋、同じにしてください」
ーーー続くーーー
ああ、事件でしか終われない。