3話 むかしむかしのお話
少々長めになってしまいました。
むかしむかしあるところに二人の優秀過ぎる少女がいました。
一人は、龍聖王族と呼ばれる最強の種族の王女。アンナ。
もう一人は、吸血女王族と呼ばれる夜の王の王女。レイ。
二人は、優秀過ぎたために周りは思考が追いつかず孤独だった。
この二人が出会ったのは恐らく必然だったのだろう。友達のいない二人は友達となった。
二人の少女は、やがて女王となり龍聖王族と吸血女王族では有り得ない対等な同盟を結んだ。
民はそれに賛同し賞賛した。
こうして二人の少女は、理解し合える友達を得て国のことを話し合い民の為善政をしていったのであった。
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女王共有執務室にて
「ねえ、レイ。私は今恋人が欲しい!」
「いきなりどうしたのよアンナ....」
いきなりアンナが言い出した。
「だってそうでしょ。私達いい歳よ。爺や達も子を作れって言うしレイも結婚したいでしょ」
「それはそうだけど......。あなた自分より弱い人は嫌とか言ってるからでしょ。そうそういないわよ、龍聖王とゆうかあなたより強い人なんて」
そうなのだ。アンナは自分より弱い人なんてありえない!という具合にお見合いを拒否しまくっているのだ。そんなアンナは、うっと声を詰まらせながら反論する。
「ふんっ。別にいいじゃない、守ってもらうのは乙女の夢でしょ。そんなことより、レイだって男らしい人がいいっていているじゃない」
実は、レイも同じように乙女の夢を持っているのだ。
「なっ、なによ。吸血鬼族はみんな、なよなよしていて嫌なのよ」
「だーからそれが結婚出来ない理由なんでしょうが!」
二人がウッーと言いながら取っ組み合いを始めようとした時執務室のドアが勢いよく開かれた。
「アッ、アンナ様、レイ様、人族が攻めて参りました!」
同盟を始めた当初、アンナとレイが直々に龍聖族と龍王族と吸血鬼族を回ってお供を探したことがあった。
そのなかで、厳選に厳選を重ねた人材のひとりで唯一の二人両方の執事兼秘書である爺ーナイル・クレイマンが20対1でようやく互角レベルの人族に慌てるなどよほどのことだと考えた二人は顔をキリッとさせて女王の風格で問いかける。
「どうしたの爺や、そんなに慌てて不味いことでもおきたの?」
ふぅーーと深呼吸したナイルは、先ほどの慌てた様子などおくびにも出さずに語る。
「アンナ様、レイ様、勇者が現れました」
そんな異常事態にも動じずに二人はナイルに状況を話すよう命じる。
「爺や、敵の侵攻地点、被害状況を教えて」
「はっ。敵は、国に入ったちょうど真ん中にあるここに向かって近衛が応戦していますが押されています。被害状況は、二人からか無駄に時間を割くことを嫌ったためか少なく死者重傷者はまだ確認されていていません」
そう、と安堵したようにつぶやいた二人はんっとナイルの言葉を思い出す。
レイが確認する。
「本当に二人なのですか。というか本当にただの勇者なの」
ナイルがそれに同調するように頷く。
「はぁーーこれじゃあ私達がでるしかないじゃない。いいわね、アンナ」 「ええ、レイもちろんよ」
ナイルはそんなアンナとレイを見つめながら敬愛すべき主にいつものように恭しく礼をする。
「いってらっしゃいませ。女王様方、御武運を」
アンナが「ああいってくる」レイが「行ってきます爺や」と言いながら窓に足を掛けアンナは神々しい翼をレイは血の翼を広げて飛びたった。
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圧勝だった。
二人が勇者の前に降り立ち近衛達が一人たりとも死んでいないのを不思議に思いながらお互いに名前を述べてそれが戦闘の合図だった。
柊和正と名乗った勇者をアンナが刀で斬りつけ援護に駆けつけようとした神薙伎斗真をレイが魔法で撃ち抜いた。再度向かって来た和正をアンナ蹴って斗真共々吹き飛ばし岩にぶつけてブレスを放ったら終わった。
「なんかあっけなさすぎでびっくりしたな」
「そうね。どうしてこの程度の勇者に近衛達は、負けたんでしょう」
そう話していると岩の瓦礫から和正と斗真が這いずり出てきた。
アンナがあら、まだやるのと聞くと二人は首を振った。
「そもそも、近衛達と戦った時点で戦う気はあんまりなかったんだよ」
レイがどうしてと聞くと。
「俺達を召喚したやつとそん時あった神が龍聖族と龍王族、吸血鬼族は邪悪です。助けてください。とか言うもんだから、きてみれば全くそんなことなく立派な戦士だったよ。それにあなた達を見て思ったんだ」
「なんだ?」
和正がアンナに斗真がレイに声を揃えて言う。
「「惚れた(ました)付き合って下さい!」」
「「はぁぁぁーーーーー」」
「アンナのそのかっこよさとか、時々会話に見える女の子っぽさとか最高!」
「レイのそのクールビューティーなところとかがイイんです」
そんないつもいいよってくる男とは違ったかわいいという評価にアンナとレイは戸惑ってしまう。
「えっ、ちょっ柊和正あなた立場はいいの?勇者でしょ」
「そうよ。人族のこととかどうするのよ神薙伎さん」
二人は不敵に笑ってふっふふといいたげに胸をはる。
「「あんな俺達を騙した国なんてどうでもいい(です)。そんなん知るか!」」
二人が強引に拒否しないのには理由があった。
和正と斗真はなんとも言えない雰囲気を醸し出していて断り切れないのだ。
「けど、やっぱりダメ。私よりも弱いから、レイもそうでしょ。男らしい人ていうことは、自分より強くなきゃだめでしょ」
しかし、論点はそこでありアンナとレイは拒否した。
「へー、そうなのか。要するにアンナ達よりも俺達が強ければいいんだな?」
なんでもない様に和正は続ける。
「じゃあもう一回やろうか。斗真もだ。アレを使っていいぞ」
「ということは、本気を出していいんだね?」 「ああ」
アンナとレイは、呑気に準備運動をしている二人に若干怒った様に問いかける。
「じゃああなた達は、私達に手加減をしていたのね」 「ふざけているの?」
何を言っているんだといいたげに和正と斗真は言う。
「へっ?惚れた奴に初っぱなから本気で戦う男がいんのか?」
「というか悪い人でもないのに女性に本気で戦ったりはしないよ」
この言葉にアンナとレイは、困惑してしまう。
というもの二人は、歴代最強と呼ばれる女王なだけあり異性からは敬われるか、強い事を証明するために全力で攻撃をしてくるかの2択だったので普段女の子扱いされるのになれていないのだ。
「よし!じゃあやるぞ。うん、こんぐらい離れればいいよな?」
「あ、ああ」
「よーしいくぞー」
グッ ドンッ!!
土が爆ぜて和正がその場から消える。
「なっ!?!?」
「はい。これで終了」
油断していたのもあるのだろう。しかし、和正には技術とスピードがあった。気がつくと後ろに和正がいて私の首に小太刀が添えられている。
レイの方はもっと酷い。レイの周りにこれでもかというほど矢が刺さっていて同じように小太刀が首に添えられている。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。油断していたんだ。もう一回、もう一回頼む」
「私は、いいわ。この人と付き合うわ。ねっ」
レイは、油断していたのを考慮しても自分より強いことを確信したようだ。
「おお、そうですか。じゃあ結婚してください」
「ふふっ。いいわよ。ア・ナ・タ」
それを見て流石の和正も絶句している。
と思ったらいきなり笑い出して二人を祝福した。
和正は、単純だった。
「ハハッ。いいな、お前ら。改めて柊和正だ。俺の親友をよろしくな!」
「ええ、いわれるまでもない。それよりも私の親友のことをよろしくね。結構、傾いているか 正面から勝てばあの子一気にくるわよ」
「それこそいわれるまでもない!」
結婚の辺りから固まっていたが顔が赤くなっているのを感じ
「なっ、何を言っいるのレイ!私が傾いているわけないでしょ!。けど、おめでと」
「ありがと。アンナは自分の気持ちに、素直になりなさいよ」
「おーい、お二人さんもういいかいさっさと始めようぜ」
いつの間にかかなり遠くのほうにいた和正が声を掛けて来た。
さっきのを聞かれていなかったとアンナは安心した。
まあ、実は桁違いの聴力でしっかりと聞いていて向こうでおもいっきりニヤニヤしてたりする。
「龍人化...洗練...」
正真正銘の本気モード。パワーが落ちる龍人化を洗練、レイですら見たことのない姿。
龍聖王の力を持ちつつ人型の小回りを手に入れた姿。
「やろうか和正」
「ハッハッハ。ああやろうアンナ」
割とマジでやんないとヤバいかもと思いながら、気付いていないのだろうが和正と呼ばれたことに嬉しくなってくる。
両者が刀を構える。
和正が地を蹴って一気にアンナに詰め寄って刀を袈裟斬りに振るう。
「くっ、はぁ!」
アンナは、刀でギリギリ受け流して切り返すも和正は蹴りで跳ね返し反動で距離をとった。
「さすがっ、油断したってのは嘘じゃなかったんだな。俺の本気を避けるんじゃなくて受け流すなんて斗真以来だぞ」
「当然でしょ!このくらい。次は、私からよっ」
和正が刀術特化型だと考えたアンナが手の平から人型バージョンのブレスを話している間に溜めた魔力ま存分に使って放つ。
しかし、和正が驚くべきことに即興で龍聖王魔法のブレスをただの魔法で再現したのだ。威力までは、再現出来なかったらしく押し負けて白煙を上げる。焦らず、追撃のためもう一度ブレスを放とうとするも煙の中から初級魔法の光弾が上級魔法並の魔力を込められて迫ってきた。
ふざけんな!心の中で叫びながら桁違いの初級魔法を回避するがその先でいつの間にか待ち構えていた和正に恐ろしく濃密な魔力を纏った刀で薙ぎ払われる。
なんとか刀でガードしたがこちらのダメージはなかなかのものだった。
「はぁはぁはぁっ。あんた物理特化じゃないのっ:飛斬:」
渾身の魔力を刀に纏わせてそれを居合い切りの容量で飛ばす。
「ぬわっ!こっちのセリフだ。なんだあのふざけた威力の魔法は」
同じ様に即興で飛斬を繰り出す。今回は基本、技術と魔力があったら良かったので密かに相殺出来たことに安堵していた。
「そう、ポンポン人の技まねすんな。私がどんだけ苦労したと思っているんだ。この天才が!」
こうして、この二人の試合は1日中続いた。戦っているうちに割とバトルジャンキーなアンナはガンガン惚れていき最終的、
「私は、和正の子を産もう!! 」
「おおっ!」
こう落ち着いた。
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「まあ後は、想像に難くないだろう?その後君達が生まれるけど向こうの神様が軽ーく狂っててね人類全員に加護を与えてゲームのように二つの種族を滅ぼそうとしたのさ。母親達は、夫達に子供を託して君達を日本に送り返してその時の傷で死んでしまったんだ。その後は、僕は久し振りに驚いたよ。君の母親達は、執念で僕の本まで現実の物質とスキルを持って来てこう言ったんだよ。『家の占い師がお前のところを通してこっちの世界に来ると占った、だから来たら渡しておくれ』とね。僕は、その時ちょちょいと記憶を漁らせてもらって軽くどうじょうしちゃてね、来ないと思ったけど引き受けてあげたんだ。しょうがないだろ、父子揃って召喚なんて天文学的確率だよ、だから驚いたんだよ君達がきたことに。ふぅー疲れた、どう面白かった?」
おそらくここまで長く話したのは、数百年と生きた中で初めてだろう。
基本、僕達神は疲れることは無いのだが精神的に疲れた気分になった。
「俺たちの親が王族で勇者………?」
「しかもかなりの規格外!?」
………………………
……………
……
「「気力が……ちょっと持たない……」」
「あはっははは、だろうね。だが気にしたら負けだよ。僕は、約束を果たさせてもらう。君たち二人に共通で《洗練》スキルを、そして個別に和正君には君のお母さんが愛用してた刀にお母さんがありったけの魔力を込めた神話級の武器を。香里ちゃんには、君のお母さんの血と魔力で出来た神話級の液体を贈る」
「その、神話級ってのはどのの位なんだ?」
まだ軽く眉間にしわがよっているけどなんとか復活したらしく睨みながら聞いてきた。
おーこわ。僕には全く非はないのにねぇ。
「武器の位のことさ。普通級、熟練級、特殊級、伝説級、幻夢級、神話級、の6階級あって幻夢級以上になると確認もされていないね。実はその武器、始め伝説級と幻夢級の間ぐらいにあったんだけど此処に長時間置いておいたから神話級まで格が上がっちゃったんだ」
「ふー、じゃあ香里の液体ってのは何だ?」
「女の子だからっていう香里ちゃんのお母さんの意向で何にでも変化する魔力伝導率100%の液体型武器?かな?。まあそれも此処の影響で神話級になって液体が減らなくなっちゃったんだけどね。ちなみに、和正君の刀の魔力伝導率は70%ぐらいで伝説級の武器なら良いとこ40%が限界かな」
「ありがとう....?」
「いや、ちげーよ香里!こいつのせいで武器が表に出しにくくなったんだよ!」
全く和正君は酷いねぇ。仮にも上位神の僕にこいつなんて。全く君達のお母さん以来だよ。
んっ、おっと長く話しすぎたみたいだね。
「さて、君達もういってもらう時間だ。最後に何か質問はあるかな?」
香里が恐る恐る聞く。
「私達のお母さんは最後になんて言ってましたか?」
神様はキョトンとしてしまった!という顔をした。
「い、いやぁ、わすれてたよ。うん、最後にね『愛してるよ私達の大事な子供達』だそうだ」
「そうか、俺達は愛されていたんだな」 「う゛ん」
「さあ、しんみりしたのは終わりだ!君達いくよ!3........2.........1..........良い旅を!」
その場を光が包み込んだ。
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「ようやく行ったね」
神様はしみじみと虚空に続ける。
何かに語り掛けるように。
「アンナ、レイ、君達の子供は期待道理面白いことになったよ。もしかしたら、人の身で向こうの神様を本当の意味で殺すかもしれない」
「和正、香里君たちの幾末を見守っていよう」
こうして、神様を虚空に消えていった。
・・・続く・・・