ある日俺の家に天使が降ってきた4
「さーて、この調子ならあっという間に終わるな。俺の役目。」
「もー、俺は何も言わん。」
「なんだ?別に悪いことはしてないぞ。金ふんだくったわけじゃあるまいし。」
「......。」
「さー、次、次。」
「お?女の子が泣いてるな。これはチャンスかも?」
「チャンスとか言うな。辞めといた方が良いような気がする......。」
「知るか。行くぞ。」
「びえーん。」
「よしよし。お嬢ちゃんどうしたんだい?俺は天使だもう大丈夫だよ。」
「うえーん!助けて不審者だよー!」
「違うって言ってんだろうがほれ、頭の上の輪っかを見て。」
「ゆーれい?」
「だーかーら、天使。天使。」
「本当に?」
「本当だから、何か願い事があったら叶えてあげるよ。なんでも言ってごらん。」
「えーとね。パパが浮気して、ママが出て行っちゃたの。本当は仲良くして欲しいの。」
「うん。それはムリ。」
ゴスッ!
「お前なんでも叶えるつったじゃねーか!何子供の夢壊してんだよ!」
「痛てーな!なんでもたって、できることと、できねーことがあんだろうが。」
「びえーん!お父さん!お母さん!」
「ほら見ろ、泣いちゃったじゃないか、どうすんだよ?」
「ちっ、仕方ねえな。お嬢ちゃん浮気したのはいつ頃か分かる?」
「んーとね、昨日の夜。」
「分かるんだ。すげーな。」
「何、関心してんだよ?どうすんだ?そんなこと聞いて。」
「お前は、黙ってろ。お嬢ちゃん。これから、1日だけ、時間を巻き戻すから、お父さんをなんとか、説得できる?」
「本当?うん。がんばる!」
「よし。じゃあ巻き戻すからね。がんばるんだよ。タイムリバース!」
3人以外の時間が巻き戻る。
「あっ、パパだ!パパー!パパ行っちゃダメ。私とママと、その女性と、どっちが大事なの?」
「な、なんで知ってるんだ?!も、もちろん。夕実とママだよ。」
「じゃあ、行かないよね?」
「あ、ああ。ごめんな。母さんには内緒でな。もう二度と行かないから。約束するよ。」
「指切り。」
「ゆーびきーりーげーんまん、うそついたら、はーりせんぼーんのーます。ゆびきった!」
「お兄ちゃん達どうもありがとう。」
「俺、なんか、涙出てきた。」
「ヒィーグッス、グッスン。お、おでも。」
「泣き過ぎだ。サイン、サイン。」
「あ、そうだ。お嬢ちゃん。お嬢ちゃんの願い叶えたからサインしてくれる?」
「うん。いーよ。天使さんとお友達になりたい。」
「うえーん。なんて良い子なんだ。
こちらこそよろしく。じゃあ、それも願い事ね。」
「おい、ちゃっかり、数稼ぐな。」
「いーよ。はい。桐原夕実。」
「じゃーねー。またねー。」
手を振る二人。
「お前、たまには良いことするのな。」
「たまにはは、余計だ。びえーん。」
to be continued......