ある日俺の家に天使降ってきたその2
「沙耶ちゃーん。そんな、そこはダメだよムフフ。」
どかっ。
「てめえは何朝から邪な夢見てやがるんだ?起きろ」
「なんだ。夢か。」
「しかも、朝立ちしてんじゃねえ。ったく。」
「いいだろうが別に、夢で何しようが俺の自由だ。」
「んで、どーすんだこれから。」
「どうって、昨日話した通り俺はとある事情により、人間どもの善なる願い事のみ100個叶えなければ、天界に帰れないのだ。それゆえここに居てやる。」
「ざけんな。誰が居てくれって頼んだんだ。要するに居候だろうが。」
「まぁ、なんだ。妹さんも可愛いし。」
「その上、ロリコンストーカーか。」
「おい。待て。百歩譲ってロリコンは、許せるとして、ストーカーとはなんだ。この野郎。」
「何が、間違ってるんだ?朝から邪発言連発して。」
「まぁ、いい。それより早く願い事を言え。」
「お前は神龍か。願い事なんて、別にねーよ。うち、割と裕福だし。」
「ちっ、欲のねえ野郎だな。仕方ない出掛けるぞ。」
「どこへだ?俺は自慢じゃねえが引きこもりだこの野郎。」
「役立たずが。なんで引きこもりなんだ?」
「引きこもるのに理由がいるか。このボケ。」
「貴様舐めるのも大概にしろ。天使様に向かって。」
「お前こそ居候の癖に態度が悪いんだよ。このヘッポコ天使。」
ギャアギャア
「お兄ちゃん。何朝から喧嘩してるの?やめなよ。」
「これは、沙耶さん。喧嘩ではありません。粛正です。」
「さらっと怖いこと言うなタコ。」
「天海さん。ウチの武は口は悪いけど、根はいい子なんです。仲良くしてあげて下さい。」
「これはお母さん。いえいえ、大丈夫ですよ。ちょっと腐った性根を治すくらい。それを願い事にしませんか?」
「朝から願い事の押し売りはよせ。仕方ない、出掛けるとするか。」
「それでは、行って参ります。沙耶さん。お母さん。」
「行ってらっしゃ〜い。」
「んで、願い事叶えるったって、どうすんだよ。んなこと言っても誰も信じないだろ。」
「この頭の上の輪っかとオーラがあれば大丈夫だ。なーに、100個の願いなんてあっと言う間だ。ほら見ろ早速、幼気な女子が助けを求めている。」
「助けてー!!」
「ガルルルッ!」
「犬に吠えられてるだけじゃねえか。どうすんだ、そんなの?」
「簡単だ。こうするのさ。ハッ!」
ドコッ!
「キャイン、キャイン。」
「おめーは、イキナリ犬に蹴り入れて、何やってるんだ!飼い主がいたら、ボロクソ言われんぞ。」
「お嬢さん大丈夫ですか?」
「は、はい。ありがとうございました。」
「では、この書面にサインを。」
「は?」
「あなたの助けてと言う願い事を叶えました。さぁ、サインを。」
「お、お金とかかかるんですか?」
「いえいえ、そんなことはありません。ただのサインです。ほら。」
「わ、分かりました。」
「......。」
「で、ではさようなら〜。」
足早に去って行く。
「なあ、そんなもんまで必要なのか?」
「ああ、天使も辛えのよ。」
「なんか、大変なんだな。仕方ねえ手伝ってやるよ。」
「助かる。」
to be continued......