第九話「火」ガイド
あらすじ:
英霊との戦いの中。
夜行と桃太郎が、最後の一合に入ろうとしたとき。
音もなく忍び寄った怪物に、桃太郎が喰われる。
突然現れた猫の怪物。
かつて見た犬の死体を想起させる、巨体。
全身から溢れる肉食獣の気配。それは猫というより、虎に近い。
夜より暗い闇色の毛並み。
その姿は霞がかったように見えづらい。
まるで、黒い煙のよう。
「黒煙」
犬がわななく声で、猫の名前をつぶやく。
犬を殺し、霊山を穢し、白木の狛犬を奪い、羅刹を悪鬼とし、英霊をおびき寄せた――――元凶。
その爪が、夜行を引き裂く。
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・桃木夜行[momoki yoruyuki]
犬に憑かれていた高校三年生。
英霊と互角に渡り合った少年。
隙を突かれ、猫の爪によって重傷を負う。
・犬[inu]
本名・白炎[hakuen]。
夜行に取り憑いた守護霊見習い。
怒っている。
・猫[neko]
妖怪。化け猫。本名・黒煙[kokuen]。
木ヶ島に異変を起こし続けた元凶。
犬を殺し、霊山を穢し、白木の狛犬を奪い、土地神を悪鬼に仕立て、英霊をおびき寄せた。
・吉備野陽[kibino yo]
夜行に英霊浄化を任せた張本人。
夜行の治療を行っている。




