第八話「英霊」ガイド
第七話を飛ばして第八話。
あらすじ:
三月六日。
卒業式。
大学に入学する四月まで、ニート生活が始まる。
無事に卒業を迎えて一安心の夜行。
犬との付き合いにも慣れ、これからの人生設計をどうしようか思案する。
そんな中、白木の神主から連絡が入る。
「一月に羅刹が蘇ったでしょ?」
「それがどうかしましたか」
「あれでさぁ、ちょっと困った人がうちに来てて」
「はぁ?」
「いや、人っていうか英霊なんだけどさ」
英霊。
過去に英雄と呼ばれた人間の、幽霊。
死後もその栄光を持ち、通常とは別格の幽霊となる。
「桃太郎って、知ってるよね?」
英霊との対決。
かつての仲間(犬)をあの世に連れて行こうとする桃太郎。
自分の守護霊を取り返すため、夜行は戦うことを決める。
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・桃木夜行[momoki yoruyuki]
守護霊を奪われそうになって桃太郎との対決に挑む高卒少年。
武器は白木神社の霊剣。
ただし今回は何も宿っていない素の状態。
犬に憑かれてから短期間で緊張感のある出来事が続いており、参っている。
悲しいことを忘れるには、ちょうどいいけど。
・犬[inu]
夜行に取り憑く守護霊見習い。
そろそろ見習いの肩書きが外れそう。
「かつての仲間だ」と決めつけられ桃太郎に連れて行かれそうになる。
「そりゃ似ているだろうよ同じ犬なんだから」
・吉備野陽[kibino yo]
桃太郎がやって来て対応に困っている。
相手は英霊でしかもこの町の危機のために来訪しているわけで、立場上、無下にもできない。
霊剣をこっそりと夜行に貸し、もうめんどくさいから成仏させるように頼む。
・桃太郎[momotaro]
英霊。
日本人なら誰でも知っている鬼退治の達人。
浮遊霊として長年世界をさまよっていたが、羅刹復活に反応して木ヶ島にやって来る。
成仏する前にかつての仲間を連れて行こうとする寂しがり屋。
面影のある犬を連れて行こうとする。
ちなみに猿と雉はとっくに成仏して輪廻転生を繰り返している。




