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黒い炎とお姫さま  作者: マシュマロポテト
第プロローグ章
3/19

結論を言おう、君は馬鹿だろう

ようやく書き換えが完了しました。


・・・もはや原型が残っていないorz


いろいろ混乱を招くような事態になってしまい、本当に申し訳ありませんでした。

フロル・リリオ。

闘争と運命の坩堝に身を置く“時知らぬ木陰の女”がこの辺境の片隅にある、小さな億越え(ノーネーム)の村に立ち寄ったのには、実はさほど深い訳があるわけではない。


「この近くで私の獲物がいたから」

あの日の夜に開かれた、村の者の集まりで彼女はここに滞在する訳を、そう語った。


高い運命値を持つ者にとって、より高みへと至る手段は決して多くはない。

ただひたすらに技を磨き、力を磨き、運命に導かれるままに強者を討つ。

違い名を持つ者ネーム)は、己がうんの定めた敵を“獲物”と呼び表し、是可否でもその敵を殺す。



だとしたら、それこそ変な話だ。

翌日、村外れの空き地で僕らの中で唯一、村会に参加出来るタロウ兄ぃの話を聞き終えて、まずハカセがそう呟いた。


「考えてもご覧、君たち。ツクセくんやゴンタくんの話だと、その人は違い名持ちだよ。そんな人の“獲物”なら、そいつは最低でもその人と同力って事になる」


偉そうに講釈を垂れているのは、秀才ハカセ。

普段はなかなか外に出てこない色白メガネも、村に現れた高位の運命値保持者への興味に巣穴である大ババ様の書物庫から出てきていた。


「彼女の名前は三つ名、それに見合う“獲物”となれば、いくらなんでも村の誰かが感知している筈だろ」


「で、でも、大人達は気がついていて、それを僕らに教えてくれてないだけって事も・・・・」


理路整然と講釈するハカセに、自信なさげに反論しようとするのは、いつも寝てばかりのユウタ。

そのおどおどした反論に答えたのはタロウ兄ぃで、


「あり得ない」


とバッサリ切って捨てる。


「大人が隠している、というのはあり得ないと思うよ。少なく無くとも、昨日の村会やここ最近の井戸端会議、それに男衆の酒盛りでは一度もそんな事は話題に乗らなかったしね」


・・・相変わらず凄い情報収集力だ。

土塊からゴーレムを生み出すタロウ兄ぃの能力は、無限の労働力を生み出す力、と言っても過言ではない。

その能力からタロウ兄ぃはちょくちょく大人の話に潜り込んでいろいろ暗躍している。


「はぁ・・・流石タロウさんだ。・・・そ

れに何より、ここは“億越え(ノーネーム)の村”だよ。絶対条件として、高位の運命値保持者はよほどの目的が無ければ近づく事も出来ないのだよ。」


ハカセの言う通り、億越え(ノーネーム)の村は、ここをご先祖が定住の地として定めた頃より、強者が近づき難い、という特性を持つ。


「ってことは特に心配はない、って結論でいいんだよね?」


特に心配すべき“敵”は存在しない、ならば僕の結論で正解だろう?


「・・・馬鹿だねツクセ、君は少し黙っていようか」


あれ?なんかみんなの視線が痛い。


「結論を言うと、彼女は大変怪しいので要注意、と言ったところだろうね」


嘘を吐いてまでこんなところにやって来ているなんて、怪しすぎる。

それに嘘だとしたら、違い名(ネーム)持ちがなぜこんなところに?とそこまで説明されてようやく僕も理解出来た。。

ちなみにハカセ、僕は決して馬鹿では無いぞ!




ハカセがそれっぽく語り、タロウ兄ぃは時々口を挟む以外は揚げ豆を頬張って、ユウタは聞いているのかいないのか、村守隊のいつもの姿だ。

この村は僕たちが守る!!なんて、言っている割に、僕たちはまだ、日常に浸りすぎていた。


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