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黒い炎とお姫さま  作者: マシュマロポテト
第プロローグ章
1/19

プロローグ

執筆中の作品を忘れて思わず書いてしまったので投稿してみました




プロローグ~二話までの改稿終了いたしました。

御迷惑をお掛けし、大変申し訳ありませんがどうぞこれからも読んで頂ければ、幸いです。





7/3、プロローグ 手直し完了。


以降、二話三話も手直し完了後、速やかに改稿いたします。

向かいのタロウ兄ぃは声で命ずるがままに、土塊からゴーレムを造れる。

三軒隣のミカちゃんは手から光を出して、物を腐りにくく出来る。

裏のユウタは水に手をつっこめば、氷にしたりお湯を沸かしたりする。

頭のいいハカセは物を触らずに浮かべて飛ばす事が得意だ。




いじめっ子のゴンタは、


「待ーてー、止まらねぇと丸焦げにするぞ!」


ボゥ!


あんな風に火の玉を出して、投げたり出来る。


「無理ムリむり!!それ本当に痛いから!熱いから!」


直径が大人の拳ほどの火の玉が宙を舞い、ゴンタの咆哮に合わせる様に僕目掛けて飛んでくるのを、背中に感じる。


「うるさいやい、そんなら止まれ!」


いやムリだから、僕は声に出さず、心の中で激しくツッコミを入れる。

ゴンタに出来るのは火の玉を出して飛ばすだけ。つまりら一度勢いのついた火の玉はぶつかるまで止まらないと言うことだ。

それでも、ゴンタの火の玉はこの辺りの子どもの中では正しく最強、伊達に運命値が他の子より300も高い訳ではない。

絵本に出てくるゴリラの様な体型に飛び抜けた運命値を持つゴンタは、まさにガキ大将そのものだ。


ならばなぜ、好きな言葉は『温厚平和』、夢は『日々慎ましく』な億越えノーネーム)の鏡の様な僕がガキ大将に追われているのか。

話は三ヶ月前さかのぼ、


「お前如きが俺より運命値が上とかあり得えねぇんだよ!!」


流石ガキ大将。話の流れも何もかもを無視して、完璧な結論を先出しされるとは・・・・

そう、僕の運命石に刻まれた序列はゴンタより、つまりこの辺り一帯の子ども達より、更に上。

だが、


「何でかなんて知らないよ!それに能力だって、ゴンタも知ってるだろ」


そう、ゴンタにとばされてしまったが、三ヶ月前のあの日まで僕の運命値は確かに普通だったのだ。


「だから余計に腹立つんだろーが!!」


ウガーっと吠えるゴンタ。

彼からすれば、舐めていた相手がある日突然、自分より強いことになったのだ、当然面白くないだろう。

どうやら余計なことを言って、火に油を注いでしまったらしい。火の玉使いだけに・・・・・

って全然それどころじゃない。あんなサイズの火の玉、僕の能力じゃどうしようも無い。既に子どもの頭程に膨らんだ火の玉、ここまでくると‘玉’と言うより‘塊’に近い。


ドテッ!

考え事に耽っていたせいで、足が絡まり、無様に転倒してしまう。迫り来るゴンタと火の‘塊’。

こうなったら仕方が無い。もはやゴンタを止める手段は一つしかない。

“あれ”を出そう。三ヶ月前、僕の運命値が急激に上昇した原因、その第一候補たるあの日発現した能力。

右手を前に突き出し、体内に流れる運命に呼びかける。

ずるり。

痛みを伴わず、けれど内臓が抜け出た様な喪失感を感じつつ、手の平から顔を覗かせる石ころ程の大きさの運命石に力を込める。

ふっ、と意識が遠のき、微かに立ちくらみの様になる。

同時に音も無く運命石の先端に、手の平サイズの“能力”が発現する。



黒い炎。


字面はカッコいいし、実際見かけにもなかなかイカしてると思っているのだが・・・・・・・・・・・・最大の欠点は何の役にも立たないことだ。

炎の様に揺らめいているのに熱も無ければ、当然煙も出ない。と言うかそもそも触れない。実体が無い炎。

ゴンタの様に打ち出せるわけでも無く、ミカちゃんの輝きの様な特殊な効果も確認出来ない。

もちろんハカセやユウタやタロウ兄ぃの様な不思議な効果もない。

手の平の上、運命石の先端から噴き出す僕の能力はそんな物だ。

そのくせ、何の役にも立たない癖にこいつが発現してから、急に運命値が上がったのも厄介だ。

ガキ大将の地位を守るべく、ゴンタやその取り巻きには事あるごとに威嚇されるし、能力のの確認の為に週に二回は大ババ様の薬臭い実験室でいろいろ掛けられるし、ろくな事がない。


・・・なんて愚痴ってる場合じゃなかった。

ゴンタの火の玉は本気で痛い。

いつものように、黒炎で少しはヒビってくれるかと期待していたのだが・・・今回はそんなつもりは無いらしい。


「当たり前だバカ野郎。そう何度も同じ手を食らうかよ」


・・・これまで通算で・・・えーっと、三十回くらい?


「うるせぇ!燃えろ!!」


ガキ大将、怒りの一撃が僕に降り注ぐ。

火傷からの大ババ特製の刺激薬くらいは覚悟していた僕だったが、


「やめろ!」


そんな声に無傷で済んだ。

誰も居ないはずの、森と村の境界に、その声は響いた。

凛とした、耳に心地よい声に僕もゴンタも思わず振り向く。


お姫様が居た。


一瞬本当にそう思った。

こんな所には絶対に合わない綺麗な服を着て、森の端からこちらを見つめている翠の女。

間違い無くそういう類の人だと、田舎街道ぶっちぎりの僕は・・・・そう思った。

感想、評価を!!

ぜひ!!



御迷惑をお掛けし、本当にごめんなさい。

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