原因 願い 答え
お久しぶりの更新となりました。
大変お待たせしました。
ちょっと家庭の事情で更新できませんでした。
今後もちょいちょい日を跨ぎながらの更新になりそうです。
気長に待っててください。
「お前が俺をこの身体に入れた?」
目の前にいる全身を黒で包んだ男が言った内容に衝撃が走った。
この可笑しな状況の原因が目の前の男?
「ま、正確に言うと俺が入れたわけではないけどな」
「どういうことだ」
「キッチリ説明してやっからそう警戒心剥き出しにすんなって」
「不法侵入した相手に警戒心持たない訳ないだろう」
「じゃあそのままでいいや。最低限の説明をしに来ただけだしな」
ポリポリと頭を掻きながら面倒臭そうに男は話し始めた。
「まずはじめに、俺は俗に言う神様って存在に当たる。
あー言いたいことはとりあえず置いとけ後で聞いてやる。
お前のその身体に入ってた元の平井都がどうやってか俺を呼び出してな。本人が言うには悪魔召喚の本の通りにやったとか言ってたな。
人間に強制的に呼び出されるなんて初めてのことだったんで特別に平井都の願いを叶えてやることにしたんだよ。
その結果お前がその身体に入ることになった」
一番聞きたいところが省略されてる。
平井都の願いを叶えた結果今の自分になった。
「……平井都の願いは他者になりたいという願いか?」
ピンポイントに自分と入れ替わりたいと願ったとは思えない。少なくても自分はこの身体になるまで平井都という存在を知らなかった。
「ああ、それがあいつの最後の願いだったな。」
最後?
「別に願いの数に制限かけてなかったからな。
最初は金、次に身体能力の向上、他に綺麗になりたいとか魔法が使いたい服が欲しい武器が欲しいだの何個も言ってきやがった。
段々面倒になってな、後一個だけ叶えてやるって言ったら他の人になってみたいとかいったんでな、適当な人間と入れ替えた」
その適当な人間が自分か
「良かったじゃないか自分から望んだことでなくても金も美貌も力もお前は手に入れたんだ」
「それは平井都がじゃないのか?」
「今はお前が平井都だろ。
お前の身体に移った平井都はある程度楽しめたら戻るつもりだったみたいだが、あいつが願ったのはあくまで“他の人になりたい”だからな」
戻してやるのは願いに入ってないって事か。
「そういうことだ。お前になった平井都は男を堪能してたよ。お前の金を平然と使い尽くし、闇金から借りまくってその金でも遊び続けた。
そして借りた金もなくなった頃にあいつが戻してくれって言って来てな。当然断った。最後の願いはもう叶えてやっただろって言った時のあいつの顔は最高だったぜ。
神同士の約束で俺らと係わった人間は寿命以外で死ぬことは許されなくなる。これからあいつは自殺も出来ずまさに生き地獄を味わうことになるだろうなぁ」
実に楽しそうに言う神様だ。
「お前が望むなら元に戻してやってもいい。当然あいつの作った借金やらはお前が何とかしなくちゃいけなくなるがな」
「冗談じゃない。
勝手に入れ替えられて生活も滅茶苦茶にされたってのに何でそんな奴を助けて自分が苦しむような目に合わなくちゃいけない」
「だろうな一応聞いただけだ。じゃあ説明も終わったし帰るわ。あいつの一生を見て暇を潰すことにしてるんでな」
やはり趣味が悪い。
男はくくくと小さく笑いながら玄関へと歩いていく。
「あ、そうだ。
一応教えといてやる。
平井都の部屋はココだがココだけじゃない」
男は最後に靴棚の上に鍵束と名刺程の大きさの紙を何枚か置いて出て行った。
男が出て行ったのを確認し、靴棚の上をみると五つの鍵と同じ数の住所の書かれた紙だった。
最後の言葉から察するにこの紙に書かれた住所も平井都の家なのだろう。
張りっぱなしだった緊張を緩ませ床に座り込む。
自分がこうなった現状は信憑性はあまりないがとりあえず分かった。
そして戻れないことも分かった。
これからどうしたものか――――
ぐぅ~
そういえば昼食食べてない。
時計を見ると2時を回っていた。
外に置いていた袋を回収しようとゆっくり立ち上がり外に出る。
男がドアを開けた際にでもぶつかったのだろう、卵が二個割れていた。
簡単で手早く作れるもの(卵二個を使用するもの)
スーパーで買った材料と家にある最低限の調味料
昼食はフレンチトースト+レタスとトマトのサラダに決定した。
ちょっとだけ変だったところを書き直しました。
ちょいちょいとかいいながら全然書いてない自分orz
待ってる方ごめんなさい・・・