第4話
疲れたので一旦休憩……。やりすぎかな?
PV2000ありがとうございます!
「さっきの音で上にも気付かれたかな?そろそろ逃げないと……」
ランサムは勇者の腹の上に馬乗りになったまま1人で考え事を始めた。
「出口は1つかな?天井壊そうか?でもどんな深さにあるか分からないし、まだ気付かれてなかったらそれで気付かれる……でも……」
完全に勇者を放置してるのだが、力を全く緩めないランサムはさすがと言うか、なんというか。さらには、
「なあ、勇者?気付かれたと思うか?どうだろう?」
などと聞き始めた。
「黙れ、退け、叫ぶぞ、殺す」
勇者は肉体強化で押しても全く動かないランサムに、キレぎみに言いたいことを簡単に言った。
「それは困るな」 ランサムは両手を右手で押さえていた。
なので、左手しか空いていないランサムは、苦笑いしながら左手で口を強く押さえた。
ランサム、今の状態をよく考えていないらしい。
「――――!」
勇者が口を動かすが、ほとんど音が出ていない。
「そろそろ、勇者様が遅いから様子を見に誰か来るかもしれないな。そういえば、俺を捕まえる時に何で肉体強化無しであんなに速かったんだ?右手、離すから大声出すなよ?まあ、『出したらこの体制からどうなるかは想像に任せる』から」
訂正、ランサムはよく考えていたらしい。
勇者を脅迫した…………えげつない。
ランサムは口を押さえる手だけを離した。
「このバ――――わかったからやめろ!」
叫ぼうとした勇者を見てランサムは、ゆっくりと右手を顔から胸の方にずらそうとする素振りをすると勇者は静かになった。
「最初からそうしてくれたらなあ…………で?何でなんだ?」
ランサムはうんざりした様子で言う。
「あれは、あの鎧の付加効果で身体能力が上がっただけだ」
勇者は少し顔の色が髪の毛の色に近づいたまま言った。
「意外に…………。付加であの効果か?どんな魔力を込めたんだ?それにあの鎧はどこから?」
付加の効果の強さと持続力は、込めた魔力の多さに比例する。ただし、効果が強いと持続力が少なくなるし、込めた対象がもろいと込めた瞬間に壊れてしまう。
だからランサムは驚いた高い持続力と効果を持てる、強い防具に。
「魔力は俺の魔力を少し込めただけだ。あの鎧は聖霊にもらった。…………意外って何がだ!?」
勇者は、後に言った付加について説明した後に、手前に言った事について言い出した。
「少しって…………。まあ、こんなの気にしないタイプに見えてたから」
ランサムは渋った様に言い出した。
「こいつ!「よっ!」――なっ!?」
いきなりランサムは、勇者の胸に左手を押しつけた。
「――――!」
そして驚いた顔をした。
「意外に大「死ね!」
かなり鈍い音が響いた。
勇者はなんと、腹部に乗った人に頭突きをした。
「――――!?」
「死ねっ!死ねっ!」
痛みで頭を少し下げたランサムに、頭突きのコンボ。
まずはノーマル、次に右頬、そして左頬、ラストにあごへ。
肉体強化された頭突きによって、強化していなかったランサムはたまらず気絶した。
気絶する寸前にランサムが見たのは、髪の毛の色と顔の色が同じになった勇者の顔だった。