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第46話(仮)

 現在、勇者気絶中の一行はドワーフの街に入った。地下にあるので暗いのかと思いきや、闇を光に変える変光石という透明な鉱物によって昼間のように明るい。その性質からか、通常はモンスター等の敵は近寄れないらしい。

 もちろん俺にも効果があるようで、入った瞬間に吐きそうになったが。持ったりすれば、気絶でもするんじゃないだろうか。

 建築物はどれも全高が高く、恐らくは削り出した物だろう。ドワーフは一メートル半ぐらいの身長だ。それと引き換えに寿命が長いからこそ、ここまでの街になったのだろう。

 まあ、環境の衛生観念は濃くても、自身の体の衛生観念は薄いようだが。


「レイアの回復はいつになりそうだ?」


「少なくとも意識が戻らない事には…………。私も一日にできる治療には、限りがあります。肉体強化で治療を促進してくれれば、比較的早く治るのですが」


 アークによると、レイア次第のようだ。

 宿を探して街内を歩いているが、天井が遥か上にあるのと明るさのために、夕方にも関わらず昼のように錯覚してしまう。体内時計が狂いそうだ。


「リリアナ、いい宿見つかったか?」


「ちょっと待て。多いには多いが、治安が悪い場所が多い。そういう奴等が悪さをするのは、暗い屋内ぐらいだからな」


 どうやら、外が一日中明るいというのもあって、屋内の方が危ないらしい。通りに同業者を見かけないのはそのためか。


「仕方ない。多少高いが、ギルドが入っている所にしよう」


 リリアナは宿の一覧らしき地図のようなものを綺麗に畳むと、ポーチに押し込んだ。

 ちなみに、現在のリーダーはリリアナである。まあ、決断力と勢いがあるから満足だが、好き勝手はできそうにない。


「部屋割りは、アークはかくていだろ?」


「ああ、そこにセレナを入れる」


「って事は……」


 冷や汗が流れる。


「私とお前だ」


「ちくしょう!!」


 思わず叫ぶ。往来の人々がこちらを見るが、気にしてはいけない。


「完全に牢獄体験じゃねえか」


「ほう…………」


 ちょっといい場所に泊まれるのに、何が悲しくて監視付きなのか。セレナが同室ならなー。

「言われなくても分かるだろう?」


 まあ、当然って言ったら当然なんだが、納得できねぇ…………





 外が明るいためか薄暗い宿の二階に入り、リリアナが泊まるための手続きをしている。どうやら、意外に混んでいるようなので近くの椅子でボーッとしていたところ、ある事に気付いた。

 所々にエルフがいるのだ。耳を隠してはいるが、多少汚していてもその肌の白さと整った顔立ちは誤魔化せない。隠して来るということは、何かがあるのだろう。

 まあ、関係なければ無視でいいだろう。……エルフって美人に美男子、そして高めの身長。隠せると思ってるのかこいつら?

「ランサム、とってきたぞ」


 戻ってきたリリアナ、は宿の鍵を二つ手のひらの上で遊ばせている。

癖なのか?


「どうも。さっさとこいつを運ぶか」


 少し跳んで、その勢いで背負い直す。響いたのか、レイアが苦しそうな声で呻く。


「優しくしろ」


「はいはい」


 リリアナの言葉を聞き流しながら、左手でレイアが落ちないように支えた。

 やりづらいな。まあ、役得もあるし────


「ハッ!」


 リリアナの勢いのある踏みつけが、俺の足の小指を直撃した。


「何しやがる!?」


「ああ、すまない。やらなければいけない気がした」


 おい、右手があったら殴るぞ。


「アーク、セレナ。行くぞ」


 そう言うと、リリアナは三階への階段へ歩き出す。レイアを降ろしたいし、俺もさっさと行くか。





 向かいのアークの部屋にレイアを降ろした後、割り当てられた部屋で居心地の悪さを感じながらベッドで仰向けに寝ている。

 居心地の悪さの訳は、もちろんリリアナだ。監視されているようで圧迫感があり、先程から寝ようとしているのに中々寝れない。普段ならすぐに寝れるのにだ。せめて、こっちを見るのを止めてくれ。


「寝ないのか?」


「寝てほしいならこっちを見るな。気になる」


 船とは大違いの軟らかいベッドの感触だが、一人部屋ならなおよかった。可能性はほぼゼロとはいえ、どこからでも位置が分かる魔具を付けられたら、たまったもんじゃない。


「そんなに邪険にしなくてもいいだろう。疲れて機嫌が悪いのか?」


 静かにしてくれ。あと、そういうのは本人には言わないのが普通だろう。


「まあ、山を登りづめだったからな。私も疲れたよ」


 リリアナはそう言うと、また何かを話し始めた。

 もういいや、寝よう。相手にしたら負けだ。どうせ、たいした用事も無いだろう。





 部屋の外からジジジ……という聞き覚えのある音が聞こえ、夢の中から飛び起きる。


「伏せろ!」


 今のは、導火線だ。

 反射的に俺のベッドが盾になるように寝息を立てるリリアナを床に引きずり下ろし、皮膚を硬化させつつ被さるように庇う。

 直後、廊下で何かが爆発し、岩の壁にはめられた木の扉が破片となって室内に降り注ぐ。ベッドの位置がよかったのかほとんどの破片はベッドに刺さり、それを貫いた破片も硬化した皮膚を叩くだけに終わった。


「アークの部屋は頼むぞ!」


 そうリリアナに伝え、弾かれるように部屋を出る。その際に向かいの部屋が見えたが、どういう事かドアの先は水槽のように水で満たされているのが見えた。アークがやったのだろう。

 導火線の音が聞こえたのは数秒。小細工をしていないなら、まだ近くに実行犯はいるはずだ。


書き直し直前に書いてあったものを投稿。

書き直しどうしようかなー。こっちの話を差し替えようか

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