第27話
あれ?昨日投稿したはずなのに……
暗い……暗い…………見渡す限りは完全な闇。いったい、ここはどこだ?体を動かそうとしても動かない。何で動かない?────落ちる、そんな気がした。
「──!?」
急に仕事中に幾度と感じた、落ちていく感覚がし、驚きのあまりに声が出そうだったが、声が出ない…………あれ、耳が聞こえてない?聞こえてるよな?呼吸の音もしないから聞こえてないのか?……そういえば、呼吸してるのか、俺?上下する胸の感覚が無い。つまり、空気を吸い、吐く、そんな当たり前のことをしていないのか俺は?
そう考えると、急に眠気が間欠泉のように溢れてきた。
────寝よう。起きていてもいいこと無いだろ、寝てる方が楽だ。
そう考えると落下する感覚がどんどん強くなるが、不思議と怖くなかった。むしろ、不思議な解放感を感じた。それにより、更に眠気が強くなり、眠りそうになった時にふと思った。
どうしてここにいるんだ?
急に眠気が不信感になった。頭が冴え、今の状況を理解しようとする。すると、落下する感覚が弱くなった。
ここに『来る』まで俺は何をしていた?そもそも『俺』って何だったんだ?
じわりじわりと、這うように恐怖が背筋を登ってきた。
──思い出せ、『俺』は何だ!?ここはどこだ?どうしてここに『来た』!?
恐怖、不信感が一気に高まり、正常な思考ができない。
怖い怖い怖い恐い恐いコワイコワイコワイコワイ!!──ここはどこだ!!
ふと、聞こえていないはずの耳が何かを聞いた。
「息はしてるか?」
一言……その一言が不思議と俺を落ち着かせた。
そうだ、息をしないと。
動かないはずの肺を動かし、呼吸をし、胸を上下させる。すると、落下する感覚が消えた。
「起きろ、そこはそんなに楽しいか?」
……またあの声だ。
起きろって言っても、寝てないんだから起きようがない。どうしろと?
「しょうがない……オラァ!!」
腹部に耐え難い激痛。殴られた?誰もいないのに!?
痛む腹を押さえようと手を動かそうとしたその瞬間、急に真上に吹っ飛ぶ感覚がした。
「うおっ!?」
声が出た。
上昇が更に加速する。
「よし、これでいいな」
そう言うと、声はどんどん遠ざかる。
「おい!俺は誰だ!?」
出るようになった声を張り上げ、聞いた。
さらに加速。
「お前?ジョン・スミスだっけ?」
…………違う、俺はもっと違う名前だ。そう、確か────ランサムだ。貧民街生まれのランサム・リザルトだ!
「違う、俺はランサムだ!」
さらに加速する。前方に光が見えてきた。
「偽名だったのか?あいつなんて言うかな…………?」
声は、なぜか困ったようだ。けど、これは聞こう。
「お前は誰だ!」
加速により、潰れそうになるが声を振り絞って聞いた。
「俺か?レイア・ファンション────勇者だ。忘れたか?」
俺は、勢いよく光の中へ飛び込んだ。
「よう、調子はどうだ?」
目を開けると、そこには勇者がいた。