第24話
色々あって遅れました
疑問────聖霊様は俺を見た瞬間影も残さず消すくらい嫌いで、それは実行されつつあるんじゃないかって。
理由────家が無くなっていた。いや、建物は無くなってはいないんだけど…………派手に燃えてました。
家のある方向に向かって建物の上を駆け抜ける。背中と右の二の腕がひどく熱いが、そんなことは気にしていられない。今は家に帰り、鏡を見ながらガラス片を抜き、傷を治す。それを最優先にしないとダメだ!
「……くそったれ」
脂汗が滲む、背中の激痛が足を動かす度に酷くなる。そのせいで普段は言わない一人言を言ってしまった。だが、もうすぐ家だ、帰れれば……帰れれば……!!
強化された視界に自宅を捉えた時、嫌なものが見えた。昼間の傭兵達とその仲間らしきやつらが、自宅の前でこそこそやっている。暫くすると、自宅は突然炎に包まれた。
「……は?」
あのまま唖然としてしまい、傭兵は悠々と隠れ家に戻ってしまった。そして今、石造りの自宅の窓や、扉があった所からは嘲笑うように炎と煙が出ている…………
ああ、もういいや、隠れ家に殴り込もう。あいつらが、どっかの組織と繋がっているかどうかは関係ない。
取り合えず、殴り殺そう
取り合えず、蹴り殺そう
取り合えず、惨殺しよう
取り合えず、斬首しよう
取り合えず、拷問しよう
さて、そうと決まれば即実行だ。体力的にはキツイが、まあいいだろ。殴り込みだ。
歩いて二分もかからない場所に、傭兵の隠れ家はある。窓にはカーテンがかかっている。よくある、二階建ての建物だ。
まずは、玄関の前に立っている見張りに近づき、
「あ……ぁ゛…………!?」
ナイフで喉をかっ切る。傭兵は、喉から血の泡と汚ないうめき声を出すと痙攣し、暫くすると動かなくなった。
よし、順調、順調。次は室内だ。