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第20話

ああ、進まない……

 夜空に響く、石畳を歩く音が好きだ。

 自分が足を踏み出すたびに、心地よい音が一定のペースで鳴らされる。しかし、この仕事には邪魔になってしまう。この心地よい音は、相手に自分の存在を教える鈴になる。なので、ゆっくり、ゆっくりとその軽やかな足音を小さくしていく。

 足音が完全に消える頃には、貴族の居住区に差し掛かっていた。正直に道から入ると衛兵にバレる、これは当たり前だ。だから、居住区の一歩手前にある、比較的大きな家の屋根の端に登る。そこから十メートルほどの、小さめの貴族の家の庭にモヤを全身に纏わせせながら突っ込む。モヤで輪郭が崩れ、さらには月も出ていない夜なら見つからないだろう。

 庭師を雇い、キレイに切りってある庭の隅に、間接を限界まで曲げて音を殺して着地する。

 居住区の末端にある家だ。大して衛兵もいないし、広さもない。まあ、この国は特別モンスターが多いので、貴族が個別に領地を持たずに国の要職や議会などに就くだけである。個別の領地を持つ大国も西の大陸にはあるらしい、近々行ってみよう。

 などということを考えながら屋敷に近づき、ニ階の窓枠に掴まる…………というよりは指だけなので引っ掛かるか?よじ登って窓から中を見るが、近くに巡回している兵は見えない。投げナイフを隙間からねじ込み、そこから上に引き上げると、金属が擦れる音と共に鍵が外れた。

 中に入ると、長く、明かりの無い廊下だった。所々に机があるのが見える。床はキレイな石だった…………売れるのかこれは?

 さて、金を探すか。物を盗っても、まだ買い手がいないからな…………。狙うは金庫。あるのは寝室か、書斎か、地下か。地下は寝室は勘弁してほしいな…………。どれが何処か分からないし、開けまくるか。



 右に六部屋、左に二部屋あったので、左側にある近い方の部屋を開けた。そこにあったのはベットと鏡台、それとタンスだけ。もう片方も同じみたいだな。

 残り四部屋、そろそろ衛兵が来るかな?この部屋で待つか。



 衛兵は予想道理に巡回に来た。さすがに部屋までは入ってこれないようだ。待っている間に、いい物を見つけた。なんと、金庫がこの部屋にあった。恐らくサブだろうが、中身が金貨が一枚と銀貨が少々だったので金貨一枚にすることにした。

 結構盗れたしそろそろ帰るか。意外と楽だな?やっぱり王都がキツかったのか。

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