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3/23

僕の体験入部は初めてのはずだけど少し謎の記憶があるので吹奏楽部に入りたいと思います。

2025/06/14改 女子生徒視点追加しました〜。

2025/06/19改 体験入部日付変更。

2025/07/14改 ちょっと修正。

入学式も終わり、1週間がたった日の放課後。


僕は、ふらりと校舎の西側へ歩いていた。

手には、あの部活動紹介のプリント。

中でもなぜか「吹奏楽部」の項目だけが、目に焼きついて離れなかった。


「……なんでこんなに気になるんだろ」


理由はわからない。けれど、どこかで聞いたような音が、頭の奥で鳴っていた。

それは、柔らかく、遠く、でも確かに心を震わせるような響きだった。


視線の先、音楽室のドアがわずかに開いていた。

そこから洩れ聞こえるのは、クラリネットかフルートか、そんな柔らかい木管の音やトランペットやトロンボーンなどの力強い音。


気づけば、陽介の足は勝手に動いていた。

そっと、ドアの隙間から中を覗くと――


「……あ」


そこには、40人程度の先輩たちが音合わせをしていた。

まだ正式入部の前なので、1年生の姿は見えない。

それにしても赤ジャージの人数少ないなあ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


説明するのを忘れていたが、この学校のジャージは学年ごとに分けられていて、今は1年生が青、2年生が赤、3年生が緑だ。来年は1年生が緑、2年生が青、3年生が赤と、だんだん回っていくスタイルでやっている。学年がパッと見てわかりやすくて助かるなあ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


という説明はさておき、その数少ない2年生の中に、フルートを手にした一人の女子生徒と目が合った。


陽介は、その顔に見覚えがあるような気がした。

まだ会ったはずのない人なのに、胸が妙にざわつく。

それは、記憶の欠片か、心の奥に沈んだ残響か。


「新入生?」


突然、背後から声をかけられた。

びくりとして振り返ると、体格のいい男子生徒が立っていた。緑ジャージだから3年生か。

トロンボーンを持っている。その先輩の顔も、なぜか見覚えがあるような気がした。


「見学? よかったら中、入ってみなよ。部長じゃないけど案内できるし。」


「あ、はい……」


誘われるままに、僕は音楽室へ足を踏み入れた。

そこで耳にした音――フルートの高音が、天井から降る光に乗って、ふわりと漂ってくる。


そのとき、ふと先輩がこちらに視線を向けた。


目が合った。

その瞬間、陽介の中で何かが弾けたように胸を打った。


(……知ってる。この人……)


名前も、声も、知らないはずなのに。

心の奥底が、小さく震えた。


僕は吹奏楽部の活動内容や楽器の種類などを教えてもらっていた。そのうちに1年生の姿もちらほら見られるようになってきた。先輩たちは交互に練習しているようで大変そうだ。


やがて、先輩たちの練習がひと段落つくと、先ほどのフルートの先輩が歩み寄ってきた。


「こんにちは。見学しにきたの〜?」


「……あ、はい」


「ふふっ。じゃあ、少し吹奏楽の話、してあげようか」


優しく微笑んだその顔を、僕はなぜだか忘れられなかった。

たぶん、この瞬間を、どこかで経験したことがある気がした。


けれど僕はまだ知らない。

この出会いが、自分の一年を、いや、何度も繰り返される一年間を、大きく変えていくことを。


= = = = = = = = = = = =


今日から体験入部か…。と言っても初日だから案内しかできないけどね。

明日からの楽器体験とかめっちゃ大変になるだろうなぁ。


そんなことを考えながら私はあのノートを開く。

「4月15日 体験入部初日:和田くんが1番最初に体験入部にきた人!頑張ってアプローチしないとっ!」

と書いてあった。


そっか、和田くんが最初に来るんだっけな。

私どうやって関わっていこうかな?


「まあ、吹奏楽に興味持ってもらえるようにまずは頑張るか!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


あぁ〜。ヤバいっ!部活の時間だぁー。

どうしよう。てかどうやって入ってくるんだろう?

もしかしたら来ないかもしれないし…。


「おーい、チューニングだけ合わせておこー。」


と先輩が呼びかけてきた。


「はーい、今行きます」


といい、向かってチューニングをしていたら、


ガラガラ…

と戸が開く。


和田くんが入ってきた。

ヤバい、めっちゃ緊張するっ〜!

あ、目があった…。ヤバい、恥ずすぎる〜!


と恥ずかしがってると、和田くんの後ろからあのちょっとヤバい先輩が声をかけている。

あれ、これ話しかけられない。と思った。


そのまま練習がはじまり、ひと段落ついた時、ちょうど和田くんが近くで暇していた。

今がチャンスだ!と心の中で思い、話しかけた。


「こんにちは。見学しにきたの〜?」


「……あ、はい」


「ふふっ。じゃあ、少し吹奏楽の話、してあげようか」


私はそう言って優しく微笑んだ。

多分、土曜日も投稿します。主高浮上やったね。

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-著者 宮本葵-
茨城県出身。中学2年生。小学生時代からゲームやYoutubeに夢中になっていた暇人。中学生になると、吹奏楽部に入りトロンボーンを吹きつつ、アニメばっか見ている、ゲームをたくさんしているなど将来、自宅警備の仕事につきそうな性格をしている。小説は当初はノートに少し書いたくらいのものだったが、「小説家になろう」というサイトがあることを知り投稿することを決意した。現在は3作品の小説を執筆している。

宮本葵の他作品
Silens&Silentia シレンス・シレンティア
碧落ノ劫火
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