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僕の先輩が意外といい人だったので仲良くしていきたいと思います。

主はバトミントンで嫌いな奴に負けておまけに悪口も言われたので完全ダウンしてます。ちょっと更新遅くなるかも。


2025/07/17改 加筆。

朝7時。僕はいつものように起きてご飯を食べて、親とあまり会話せずに学校へといく。反抗期ってわけではないが話す内容もないし、早く学校へ行きたいからだ。


人からは爆速と言われる速さで自転車を漕いで普通15分かかる学校までを8分で行く。

教室に入ると一番乗りだったのかまだ誰もいない。


しかし、5分もすればすぐ誰かは来る。

そして、いつも通りに朝のチャイムが鳴る。


これが僕の朝のルーティンといってもいいくらい暇人だ。


これまで学校生活についてあまり触れていなかったが、結構友達はできた方だ。


栗林もそうだが、中川や篠名とかとも仲良くなった。まあ、ちょっとあっち系のことで盛り上がっているが、読者にダメな影響を与えてしまうのでそれについては触れないでおく。


2分前だと声をかけられて座り、1時間目が始まる。

1時間目は国語。眠くなりそうな内容だったが、なんとか乗り切る。


2時間目は数学。正の数・負の数の単元だ。


「−3+5は、2だな。ここをこうするとこうなるからだ。」


先生の声に合わせて、ノートに答えを書き込んでいく。

正負の数は小学校でも算数ではやらなかったけど少し触れた内容だから、そこまで難しくはないけれど、符号のミスをしやすいので、緊張感はある。


「じゃあ、次。和田、これはどうなる?」


「えっと……−7−4、なので……−11です。」


「そう、その通りだ。」


正解がもらえて、少しホッとする。昨日の面談で担任に「最近、顔が明るくなってきたな」と言われたのを思い出す。


きっと、部活のことがあるからだ。吹奏楽部いつしかの体験入部での妨害……いや、事件があってから、何かスイッチが入ったような感覚がある。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


昼休み。

僕はいつもどおり、3階フロアでふらふらしていると愛美が後ろから背中を押してきた。


「わーっ!よーすけ、びっくりした?」


「するわけねえよ。」


「えー、つまらない。」


何がつまらないんだよ。


「てか、何しにきたんだよ?」


「昨日の部活、どうだったのかなー?って思って。」


「んー……いろいろあったけど、結構楽しかった。先輩たちも優しくて。」


「優しい? 本当に? なんか、男の先輩は怖いイメージあったけど。」


「それがさ、三枝先輩っていう3年の男の先輩、見た目はちょっと厳しそうなんだけど、普通に接してれば普通だったし。あと、宮坂先輩も2年なんだけど、色々教えてくれたし。」


「へえー、なんか、よーすけの声が明るい。よっぽど楽しかったんだね。」


なぜか少し悲しそうに言ってくる。


「……かもね。」


そのまま、僕はなんとなく外の空を見上げた。

もうすぐ夏なのに、空はどこか少しだけ重たく見えた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


放課後。

音楽室に入ると、すでに先輩たちが準備を始めていた。


「和田くん、今日も来たね。」


と、にこやかに声をかけてくれたのは宮坂先輩。2年生で、髪を一つに結んでいて、少し勝ち気な感じだけど、頼りになる人だ。


「はい、お願いします!」


今日もまたあのピカピカのテナートロンボーンを使わせてもらえることになっていた。


「じゃあ今日は、三枝先輩と谷垣先輩、大島先輩も一緒に見るから。みっちりやるよ〜。」


と宮坂先輩が笑いながら言う。


三枝先輩は、昨日よりも表情が柔らかくなっている。


「無理しなくていい。自分のペースでやればいいから。」


意外と、優しい。前までのループではすぐキレるめんどくさい人だったのに。

なんだかんだで、僕のことを気にかけてくれているのが伝わってきた。


「まずは音出しからね。ロングトーン、Bから上がっていって。」


と谷垣先輩が言う。彼女は落ち着いた口調で、言葉も丁寧だった。


「次、音階。B Durのスケールやってみようか。」


と大島先輩。こちらはちょっと厳しめだけど、言ってることは的確で、テンポよく指導してくれる。


4人に囲まれて、僕はひたすら吹いて、吹いて、また吹いた。

まだまだ音程も不安定だし、スライドのポジションも間違えるけど、それでも、少しずつ“音楽”になっていくのが楽しかった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


練習が終わった帰り道、先輩たちと別れて一人で歩いていると、宮坂先輩が、ふと僕の隣に並ぶ。


「ねえ、和田くん。ちょっと紹介したい人がいるんだけど、いい?」


「えっ?」


先輩に手を引っ張られ、校舎裏の方に曲がったところで、ひとりの女の先輩が立っていた。


すらっとした立ち姿。肩までの黒髪と、静かな目元。風に揺れるスカートの裾。どこか、他の誰とも違う雰囲気を持っていた。


「この人、荒垣先輩。フルートパート。私2年生。……うちの部の、次の代の部長候補よ。」


この先輩って部長候補だったんだ。


「はじめまして、和田くん。宮坂さんから、少し聞いてるわ。トロンボーン上手いんだってね。これからよろしくね。」


その声は、透き通るようで、でも確かな芯があった。


「よ、よろしくお願いします……!」


荒垣先輩は、うっすらと微笑んだ。


その微笑みを見た瞬間、なぜだか胸の奥がぎゅっと熱くなった。


この人は……たぶん、特別な人なんだ。


まだ理由はわからない。でも、そう感じた。


= = = = = = = = = = = =


よーし、読者の皆さん、お久しぶり〜!

何回かぶりに私、荒垣の登場だよー。いやー、まさか私がループを始めたきっかけだなんてここを読むまでわからなかったよね!?


そんなことはさておき、昨日今日で変化したことがある。

それは和田くんに対する三枝の対応だ。

私も最初キレ始めるかなとは思ってたけど、そうでもなかった。多分バストロのやつがあってから、キレてあたったりできなくなったんだろうな。


あーあ、和田くんと接したいけど今までの中でループ前の人生だけすごく接してたからなー。

もっと接したいけど…。


「お、いたいた。こはるー!」


「あ、千尋じゃん。」


「ねえねえ、私たちの次の代の部長になるかもしれない子がいるから紹介したいんだけど…」


「え、もしかして和田くん?」


「そうそう!ってかなんで知ってるの?まあ、それより、課題曲をまだまだだけど最後のところ全部吹けてたんだよ!おまけに性格いいし。」


「え、課題曲!?」


今年の課題曲はまだ簡単な方だがところどころ難しい。それを吹けたなんて…。


「今日の帰りに待っててね!仲良くするんだよー。」


「そっちこそ仲良いの?」


「うん!」


千尋がさっていく。和田くん、千尋と仲がいいんだな…。私のこと、今はどう思っているのだろう?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「好きです、先輩」


この言葉はループ前の、私が3年生になったばかりに和田くんに言われた言葉だ。

私が好き?なぜ?

これをあの時までずっと考えてた。おまけにあの時は3年生の部内の態度が終わってて頭がパンクしそうな時に不注意であれが起こってしまった。


異世界転生もできたのかもな。と今更思うけど、やはりこの普通の世界の方がいい。だって素晴らしいもの。


だけど、私のせいで和田くんはこのループに巻き込まれた。

それだけは、本当に申し訳ないと思ってる。


それでも、また話せる機会ができて、本当に……嬉しい。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


また夢を見ていた。同じような夢。というかなんで寝てたんだっけ…。あ、やば、帰らないと!

校舎を出ようとすると、千尋が出てきた。


「あ、いたいた!そこで待っててよ!今から和田くん連れてくるんだから。」


「え、あ、そうだった〜。うん、待ってるね。」


しばらくすると千尋が手を繋いで和田くんを連れてきた。正確には引っ張ってきたのだろうけど。


「この人、荒垣先輩。フルートパート。私と同じ2年生。……うちの部の、次の代の部長候補よ。」


千尋がいう。こちらを見て頷いたので自己紹介をする。


「はじめまして、和田くん。宮坂さんから、少し聞いてるわ。トロンボーン上手いんだってね。これからよろしくね。」


「よ、よろしくお願いします……!」


緊張してるのが可愛いし、だけどカッコ良くもある。何言ってるのかわからないけど。

とにかく、千尋が急にこんなことをしてくれたおかげで接点ができた。


これからまた接することができるんだなー。楽しみ!

というわけで読者さん、今ハッピーエンドに繋がるだろうなーって思ったでしょ!

でもね、こういう時はたいてい何かあるのです。


だって、ループはまだ終わっていないんだから。

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-著者 宮本葵-
茨城県のつくばエクスプレス沿線民。最近、よく会う友達(と呼べるのかわからない人)に「小説家じゃなくてただ物を書いてるだけだろ」とディスられたので、ピリピリしている。目指すは有名小説家!ですが、テストという大きな壁に妨害され結局はただ物を書いている人になってます。現在は5作品の小説を執筆中!

宮本葵の他作品
誰も信用できなくなった俺の前に、明日から転校してくる美少女が現れた。
シェア傘ラプソディ♪
Silens&Silentia シレンス・シレンティア
最後の7日間 〜吹奏楽コンクール県大会まで〜
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