千羽漢鶴編
◆女だけの時間
ももらは、ある日突飛なことを思いつく。「ユーロ」は、男性の多い組織だが、確実に自分を含めて女性もいる。少数派の女性メンバーの交流をするために「ユーロ女性会」なるものをやってみようと。
声をかけたのは当然あきとアクシー。ももらは定期的に3人で集まろうと提案する。2人は付き合ってくれた。
しかし、あきは、話が合わないと早々に「女性会」を抜け、ももらとアクシーのみの「女性会」となってしまった。
その後、2人だけの「女性会」という名前は意味がないと2人は思い、「女性会」は解散に追い込まれてしまった。
しかし、アクシーは短い時間だったが、「女性会」は面白い物だった。ももらに楽しい時間だったと感謝した。
アクシーは、思い返せば千羽漢鶴のそばにいたくてだいぶ前に「ユーロ」に入ったが、しばらく紅一点で過ごしてきた。少し経ったらサキが入り、サキがいなくなったらに入れ替わるようにあきが入ってきて、そして、最近ももらが入ってきた。自分が「ユーロ」に入ってから最多の女性の人数になり、なんだか心強いとアクシーは言った。
ももらは、それは良かったとし、良ければ友達になってほしいと言った。アクシーもそれに乗り気で戦後もずっとその友人関係は続けていきたいと言ってきた。ももらはそれはいいと永遠の友情をアクシーに誓った。
◆去っていくアビリティ
その日の戦闘停止作戦は、2つのチームに別れることになったが、エクスプロージョンがどちらも必要となりそうだと蒼虎チームは千羽漢鶴を連れ、はるひこチームはアクシーを連れて出動していった。ももらは蒼虎チームに加わって作戦を遂行した。そして、作戦は成功をおさめ、蒼虎らと共にももらは拠点へ帰った。
すると、アクシーが傷だらけで寝かされていた。ももらは戦闘の疲労を脇に置いてアクシーへセラピーを施した。
千羽漢鶴もアクシーに駆け寄ってきたが、次第に苦々しい顔になっていき、アクシーを残してどこかに行ってしまった。ももらは、治療をしつつそれを目で追った。
その様子を見ていたはるひこは、アクシーに今日のアクシーはどうした、爆破力が弱まってはいないかと言ってきた。
アクシーは、はるひこに搬送の感謝をしながらも、アビリティの弱まりを感じていたのにも関わらず、自分なら出来ると過大評価し、結果攻撃を受け足手まといになってしまったと謝罪。
はるひこは、しばらくアクシーは後方支援に回すしかないと言い立ち去った。
ももらは、大丈夫かとアクシーに尋ねた。1年半ぶりになるが、千羽漢鶴からまたアビリティを分けてもらえばすべて解決するから大丈夫と答えた。先ほどの千羽漢鶴の様子が気になってはいたが、ももらはそうならば安心だと返した。
◆不和
その日、「ユーロ」の拠点内でうっちーの出番が来ていた。それは、夫婦喧嘩の仲裁だった。
千羽漢鶴がアクシーにアビリティの無駄遣いをしたのではと責め立て、アクシーは、いつもの周期でアビリティをもらいに来ているではないか、無駄にアビリティは使っていない、千羽漢鶴も戦っている時自分のアビリティの使い方を見ているだろうとお互いに声を荒らげて言い合っていた。
うっちーは、冷静になって話をするように、その方がいい考えが浮かぶ筈と助言。千羽漢鶴とアクシーはそれを受け、ひとまず喧嘩を止めた。
◆妻の思い
夫婦喧嘩が沈静化したことを見届けたあと、うっちーは、ももらの元へ来た。夫婦喧嘩の仲裁は疲れた。ももらにこの疲れは癒せないかと言った。ももらは試しにとセラピーを施した。うっちーは、冗談だったと謝罪。しかし、体の方は楽になったとうっちー。ももらはよかったと返した。
立ち去るうっちーの背中を見ながら、ももらは思い起こせばここに入ってから千羽漢鶴とアクシーが喧嘩しているのを聞いたことはなかったと友人宣言したばかりのアクシーが心配になった。そして、アクシーの話し相手になろうと思った。
行った先で、アクシーは日々アビリティが自分の中から去っていくのを感じて焦っている。千羽漢鶴のそばで戦えなくなる、死ぬまで離れたくない夫なのにと努めて穏やかに言った。
ももらはアビリティが眠ってしまった時を思い出し、あんな思いはアクシーにさせたくないと、千羽漢鶴を説得してみようかと提案。
アクシーは、その気持ちはありがたい、結果はどうであれそれをお願いしたいと言った。しかし、少しアクシーは考え、世界平和より、夫との時間を優先するような自分に罰が下っているのかもと続け、暗い表情を浮かべた。
ももらは、こんなアクシーは見たことがないと心を痛め、説得は最善を尽くすと言い、千羽漢鶴の所へ行った。
◆夫の思い
千羽漢鶴は、ももらの説得を終始柔和な表情で聞いてくれた。その表情は、場にそぐわない程のものだった。
千羽漢鶴は、アクシーのアビリティの無駄遣いに怒っているだけ、心配をかけたと優しい口調であったが、明らかにももらを突き放した。
ももらの説得は失敗に終わった。その足で、ももらはアクシーに失敗した説得の件で謝罪。
アクシーはももらにかえって手間をかけたとこちらも謝罪。
ももらは友人のために何も出来なかったと無力感にさいなまれた。
◆留守番から
アクシーは、戦場に赴くことを止めた。以前のももらを見習って拠点の留守番をやってみると宣言。ももらは複雑な気持ちを抱えながらその宣言を受け入れた。
千羽漢鶴は、ほっとした表情を浮かべた。それをももらは目にし、疑問が涌き出たが、説得が失敗した経験が足を引っ張り、その疑問は心にしまってしまった。
その後、ももらは仲間と共にアクシーに見送られながら戦場へと出ていった。ももらは所属当初とは逆だと思った。
残されたアクシーは孤独の中、思考が悪い方悪い方に行ってしまう。自分のいないところで千羽漢鶴がサキのように戦場で消えてしまったら自分はスバルのように強く生きていけないと。
この日も千羽漢鶴は、メンバー全員と共に無事に帰って来た。そこでアクシーは、千羽漢鶴にすがりつきながら再度アビリティを分けてほしいと涙ながらに訴えた。それでも千羽漢鶴は首を縦に振らなかった。
見かねたスバルが同じハルバードのアビリティだから、自分のアビリティを分けてやろうかと提案。それに続き、バックラーに転身するのはどうかと章平もアビリティの譲渡を提案してきた。
すると、千羽漢鶴は声を荒らげて余計なことをするなと言った。想定以上に大声を上げてしまったと後悔した千羽漢鶴は、拠点から出ていってしまった。
アクシーは、スバルや章平に心配かけてしまったと謝罪。もうアビリティのことを考えるのはやめにすると言いながら自室にこもってしまった。
アクシーの気持ちが痛いほどわかるももらは、前回の説得失敗の責任をとりたいと思い、千羽漢鶴を探すために拠点から出ていった。
◆夫の真の思い
千羽漢鶴の姿は、意外と近くにあった。表にある戦闘訓練場だった。仮想の敵にアビリティでなく肉弾戦で挑んでいた。
ももらは、千羽漢鶴にアクシーを許してあげてほしい、もう十分反省しただろうと。
千羽漢鶴は、許さない、絶対に許さないと言う。ももらは、アクシーが千羽漢鶴に何をしたのかと尋ねると、千羽漢鶴は、観念したように、許せないのは、アクシーではなく自分だと答えた。想定外の返答にももらは首をかしげた。
それを確認した千羽漢鶴は、昔話をすると言い、ももらの同意を待たずに、「ユーロ」に入ったばかりの自分の話をし始めた。
入って1年足らずの時、自分は蒼虎のクーデターになんとなく参加した方がいいと思い参加した。その思いは今となっては正解だったが、クーデター終了直後は、自分のアビリティで大勢の先輩を殺してしまったと後悔していた。
その後悔はなかなか消えずに戦闘に身が入らずよく大きな怪我を負った。心も体も痛みを抱えていた時、アクシーがそばにいたいと言ってきた。自分のアビリティがほしいと言ってきた。あの時は嬉しくて仕方がなかったと。
舞い上がってアビリティを分け、アクシーを「ユーロ」に紹介し、夫婦共々「ユーロ」で戦うことになった。とても幸せだったと。
しかし、最近になって考えは変わった、戦闘には怪我はつきものだ。アクシーが今まで負ってきた傷は、すべてあの時の弱り切った自分の心が引き起こしたものだと。
だから、アクシーが傷つかないように、戦いに行かないように、アビリティが弱まっている今、アクシーをアビリティを持たざる者に戻そうと考えていると。
ももらは、確かにアクシーはそうすれば体は傷つかなくなるかもしれないが、それでもアクシーの心は傷ついていくと千羽漢鶴に言った。
更に、アクシーの愛する千羽漢鶴と一緒にいられない辛さは考えているのかと、そして、さっきのアクシーの涙は千羽漢鶴が見たかったものなのかと尋ねた。
千羽漢鶴は、それは意図的、嫌われるための振る舞いだ。アクシーに嫌われれば、アクシーは安全な所へ行けると言った。
ももらは、そんなのは悲しすぎると言った。しかし、たくさんのアクシーへの思いが溢れている千羽漢鶴は素敵だと言った。
千羽漢鶴は、その瞬間、いつもの表情に戻った。そして、こう言った。「妻を戦いに巻き込んだこと、ずっと心に引っ掛かってたんだ。でも、君がこんな僕を認めてくれたから、前向きになれたよ。本当にありがとう。これからもよろしくね。」と。ももらは、こちらこそと返した。
そして、ももらは三度目の説得をはじめ、千羽漢鶴はアクシーに再びアビリティを分ける決心をした。
◆戻る力
ももらと千羽漢鶴は拠点内部に戻ってきた。そして、千羽漢鶴は、先程の態度をスバルや章平に謝罪した。
スバルは、この先どうするのかと尋ねてきた。千羽漢鶴は、アクシーと腹を割って話してみると言った。章平がうっちーに立ち会ってもらったらと提案してきたが、千羽漢鶴は迷惑をかけられないと断った。その代わりに、一番心配してくれているももらの同席を求めた。ももらはそれを引き受けた。
2人がアクシーを訪れるとアクシーは、部屋にてわずかに残るアビリティでエクスプロージョンを発動していた。線香花火が手のひらに乗っているようなエクスプロージョンを見ているその目は涙に濡れ虚ろだった。
その線香花火を消すように千羽漢鶴はアクシーの手を握った。アクシーは無駄遣いをしてしまったと謝る。
謝るのはこちらだと千羽漢鶴。アクシーの「ユーロ」所属から今まで負わせた傷のこと、そして、今、アクシーの心に傷をつけていることを。
更に、こんな自分でもそばにいたいか。そして、今、自分の力がほしいかと尋ねた。
アクシーは無条件でそばにいたいに決まっている、千羽漢鶴の力だからほしいと千羽漢鶴に抱きついた。
千羽漢鶴は、一旦アクシーを引き離し、それでは、今からアビリティを分けると言った。アクシーは心からの感謝を述べた。
2人は、短めの口付けを交わし、愛おしそうに抱き合った。そして、千羽漢鶴の体を包むようにアビリティが放出され、それが移動しアクシーを包む。次第にアクシーにそれが吸収されて消えていった。
甘い空気が2人を包み始めるが、千羽漢鶴は、ももらがいたことを思い出す。そして、アクシーの視界にもももらが入る。
ももらはぽーっとしていたが、千羽漢鶴とアクシーはももらにももらそっちのけで色々やってしまったと謝罪。
ももらは、とても素敵なものを見たと言いながら自分は邪魔と部屋を退出していった。そのももらの顔は、真っ赤だった。
◆芽生え
それからというものの、ももらは油断すると千羽漢鶴とアクシーの甘い光景を思い出してしまうことが多くなった。
はじめは、同様のことを将来好きになった人とやってみたいと思っていたが、次第にアクシーの所に自分をあてはめてみるようになってしまった。
そして、実際に千羽漢鶴を見ると、心が跳ねる。ももらは、友人となったアクシーの夫を好きになってしまったと思った。
この思いは伝えるべきではないと必死に隠そうとするが、恋慕の視線で千羽漢鶴を見てしまう日々を過ごした。
そんな中でも戦闘は続く。ももらは、この時だけはその事を忘れ、任務に没頭した。すっかりアクシーも威力抜群のエクスプロージョンを発動できるようになり、組織に貢献していた。千羽漢鶴は、悩みから解放され、前より増して輝いていた。そんな千羽漢鶴をももらは戦闘終了後思い出しては心をときめかせる。
どうしようもない思いを叱ってもらいたくてももらはあきの元へ行き、千羽漢鶴への思いを説明した。あきは、呆れたと一言。ももらはもっと助言がほしいと食い下がる。すると、そんな非常識な思いを抱く人は、あえて思いを告げてフラれてしまえばいいとあきは言い放った。ももらはそうしてみようかと言い、あきに感謝しながら千羽漢鶴を探しに行った。見送るあきはこれでよかったのかと自問自答した。
◆予想外の援軍
千羽漢鶴を探しているももらをアクシーが引き止めた。アクシーは、話があるという。ももらはアクシーへの罪悪感から目を泳がせたが、話を聞くことにした。
アクシーは、周囲に誰もいないことを確認し、ももらは千羽漢鶴を好きなのだろうと尋ねてきた。図星を突かれたくない人物に突かれてしまったももら。返答に困って再び目を泳がせた。
アクシーは、正直に言っていいと穏やかに言った。ももらは観念し、千羽漢鶴を好きで仕方ない、今から思いを告げて千羽漢鶴に断られて来ようと思うので、許してほしいと言った。
アクシーは、少しさびしそうだったが、その恋を応援すると言い始めた。訳がわからなくなったももら。その状況を察したアクシーは、笑った。ももらは笑い事ではないと慌てる。
アクシーは、離婚はしないが、千羽漢鶴から少し距離を置いた方がいいと一連の出来事から感じた。自分の千羽漢鶴への愛は重すぎるという自覚がある。千羽漢鶴がそれに疲れた時に羽を休める存在がいればいいと。ちょうどももらが千羽漢鶴に好意を持った。だから、その存在を担ってほしいと言った。
それに、友達だし、アビリティを千羽漢鶴から再びもらえたのはももらのおかげだと思っている。人は分割するものではないが、半分千羽漢鶴をももらに渡したいとアクシーは言い、一緒に千羽漢鶴の所へ行こうと言った。ももらはアクシーに圧倒されながら、ついて行くことに。
◆告白
千羽漢鶴を見つけたアクシー。ももらが何か話があるようだと言いももらに告白を促す。
ももらは、急な展開にどうしていいかわからなかったが、あきにも背中を押してもらったことだしと一念発起し、単刀直入に千羽漢鶴が好きだと言った。
千羽漢鶴は、戸惑った様子だった。そして、アクシーを見る。アクシーは、自分より若い子を虜にして、罪だと冗談を言った後、自分と付き合うのは時に千羽漢鶴を疲弊させてしまう、だから、ちょっとの横路に反れることは最終的に自分に戻って来るのなら許すと言った。
千羽漢鶴は、今回の自分たちの問題にももらが向き合ってくれたお礼をしていなかった。その礼がももらを幸せにすることかもしれないと言った。
それを受け、ももらはこう言った。「私、2人と幸せになりたい。私、全力で2人の幸せを思うから、3人で幸せ掴みたいです!」と。
それを聞いた千羽漢鶴とアクシーはももらと出会った頃の柔和な笑顔を浮かべた。
◆愛とは非なるもの
その後の戦闘、特に総力戦では、ももらは千羽漢鶴とアクシーの2人の近くを持ち場とした。
千羽漢鶴の心の痛みをなるべく短くするため、アクシーが怪我をすると、ももらは状況を見ながらだったが、優先してセラピーを施した。
そのお礼が如く千羽漢鶴やアクシーは火力強めに戦闘員に向け、エクスプロージョンを発動し、守ってくれる。そんな戦闘を日々3人は繰り広げていた。
そんなある日、エクスプロージョンの爆風が歪む場所を見つける。ももらは忘れかけてた「アーロス」の存在を感じた。それを受け、ももらはその場所には、戦いを始めたとされる「アーロス」の存在があるかもしれないと言った。千羽漢鶴とアクシーは力を合わせてエクスプロージョンをその場所に向けて発動。しかし、それは受け付けられず爆発が起こらなかったが、妙な現象はおさまった。3人は、なんだか愛とは反対の雰囲気を感じたと言った。
◆巣
後日、拠点にて、千羽漢鶴とアクシーは、ももらから「アフェクション」をもらって今まで以上に愛が大事になった。それとは反対のあの存在を愛溢れるものに変えたいものだと言った。ももらはそうしたいがどんなことをしたらそれが出来るかわからないと頭を抱えた。そんなももらに千羽漢鶴は、ゆっくり考えようと言い、アクシーは根拠はないが、3人だったら出来ると思うと言った。3人は柔和な笑顔を浮かべた。
その時だった、拠点が何者かに攻撃され始めた。それは1つの戦闘組織だった。「ユーロ」は、自衛のための戦いを急遽余儀なくされた。勿論、ももらたちも例外ではない。
破壊されて行く「ユーロ」の拠点。ももらは心が痛んだ。何故ならアクシーが「ユーロ」の一員となってからこの拠点は第二の千羽漢鶴とアクシーの愛の巣だった筈、それが破壊されるのは許しがたいことだった。ももらは、大切な2人の大切な場所を壊さないでと声を大にして叫んだ。
すると、アルティーテの声が降り注いできた。ももらにアーロスを止めろと。そして、1人そばにに置くことが出来るがどうするかと尋ねてきた。
ももらは1人では足りない、2人では駄目かと尋ね返した。すると、刹那の間を空け、アルティーテは善処すると言った。
それを受け、ももらは千羽漢鶴とアクシーを指名した。アルティーテの神々しい光は3人を包み込み、アーロスの元へと連れて行った。
◆愛を届けに
心が死を迎えそうな空間だった。気味の悪い男、アーロスが真ん中に座り、何が面白いのかは不明だったが、終始鼻を鳴らしながら笑っていた。
ももらがアーロスかと尋ねると、戦いを止めようとしているももらたちに名乗る名前などないと答え、突然攻撃してきた。
その攻撃を3人は避け、再びアーロスに向き合うと、禍々しい花火が辺りに舞った。それひとつひとつがアーロスが始めた戦いの真実を3人に見せつけた。
ももらは震えた。千羽漢鶴はアーロスにも愛があったのかと言った。アクシーは、もう一度愛を、と言った。
それを聞いたももらはアルティーテの加護を受けたセイクリッド・シードのフリーダムを発動。自由な力は千羽漢鶴とアクシーのアビリティとフォースを融合させた。
新たな力を得た千羽漢鶴とアクシーはアフェクション・エクスプロージョンを発動。
聖なる爆風は、空間全体に生気を撒き散らす。そして、爆発の炎からのぬくもりは、アーロスの心に愛を灯した。
アーロスは光をたたえた笑顔を浮かべ、ももらたち3人に感謝の意を伝えた。そして、3人を元いた場所に導いた。
戻った拠点は、半壊状態だったが、すでに攻撃は止んでいてそれ以上の損傷を免れていた。しかし、もうここにはメンバーはいられない。ももらは残念がった。千羽漢鶴が、戦いは終わった。だから、大丈夫だと、ももらを励ました。
◆命
ある年の瀬、百木美結の姿は産婦人科の病院にあった。美結は分娩室の前で少し落ち着かない様子。すると、産声が響いた。美結は満面の笑みで川野夫妻への祝いの言葉を呟いた。