ジムニーが喋り出す
ある日のこと、ジムニーが突然、静かにエンジンをかけて応えたかのように見えた。しかし、それはただの偶然だと思っていた。
「おはよう、ユウヤ」と、突然ジムニーが人間の声で話し始めた。
驚きのあまり、ユウヤは目を大きく見開き、後ずさりする。「えっ、今のは…気のせいか?」
「いや、気のせいじゃないよ。僕、ジムニーだよ。君のおかげでここにいるんだ。」
ユウヤは目を擦り、再びジムニーに向き直った。「本当に喋ったのか?」
「そうだよ。君が毎日僕に話しかけてくれてるから、僕も応えたくなったんだ。」
驚きと興奮が交錯する中、ユウヤはジムニーのボンネットに手を置いた。「どうして急に喋れるようになったんだ?」
「君の愛情が僕に力を与えてくれたんだよ。車と人間が心を通わせることなんて、普通はないけど、君の気持ちは特別だったんだ。」
ユウヤは胸が熱くなった。恋愛経験がない自分が、まさか車と心を通わせるなんて思いもしなかった。
それからというもの、ユウヤとジムニーは毎日会話を楽しむようになった。仕事での悩みや、日常の些細な出来事をジムニーに話すと、ジムニーはいつも優しく応えてくれた。ユウヤは次第に、車に対してだけでなく、自分自身にも自信を持つようになった。
ある日、ユウヤはジムニーにこんなことを話した。「君のおかげで、僕は変わった。人とももっと話せるようになったし、自分に自信も持てるようになったんだ。」
ジムニーはエンジン音を軽やかに響かせた。「それは素晴らしいことだよ、ユウヤ。でも、僕は君が本当に幸せになるために、もっと大きな役割を果たしたい。」
「どういうこと?」
「君には人間のパートナーも必要だと思うんだ。僕は君が幸せになるための一歩を手助けしたい。」
数日後、ユウヤはジムニーの提案で、自動車愛好者の集まりに参加することにした。そこで出会ったのは、同じくスズキ車を愛する女性、アヤだった。アヤもまた、ユウヤと同じように車に対する深い愛情を持っていた。
ユウヤとアヤは次第に打ち解け、共通の話題で盛り上がるようになった。ジムニーのおかげで、ユウヤは初めての恋愛を経験することになったのだ。
「ありがとう、ジムニー。本当に君のおかげだよ。」
ジムニーは静かに応えた。「僕も嬉しいよ、ユウヤ。君が幸せなら、それで十分だ。」
ユウヤとアヤの新しい生活が始まり、ジムニーは二人の愛の証人として、これからも彼らを見守り続けるのだった。




