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テーマ詩集:わたし

ぜんぶ僕のもの

作者: 歌川 詩季

 写真とか、大事にとっとくタイプでもないんですが。

 朝露にとじこめた虹も

 ねぼすけなヒルガオの花も

 赤錆をうかべた夕焼け空も

 星たちをひとさしゆびで つなげた夜も


 ぜんぶ僕のもの



 名前 呼ぶ舌たらずな声も

 背のびなんか知らない猫背も

 はじめて をぬりかえてく鼓動も

 薄皮でへだてて つたえきれない(たかぶ)りも


 ぜんぶ僕のもの



 なれあいが(むしば)んだ毒も

 伏し目がちなオジギソウの(まつげ)

 びりびりに引き裂いた爪も

 さよならのかたちに(ゆが)む愛しい唇も


 ぜんぶ僕のもの



 スケジュール 塗り潰す手帳も

 渡せずに ころがった小箱も

 がらんどうのままの写真立ても

 だけどまた こりずに落ちる新しい恋も


 ぜんぶ僕のもの

 記憶や想い出に限らず。みんな、なにかしらあるんでしょうね。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  透明な感じがする作品ですね。良い意味ですよ。  苦くてつらい出来事も全部、透明なガラスの中に詰め込んで眺めて、愛でているような。  始まって、終わって。また始まって。  『だけどまた …
[良い点]  忘れないものではなく。忘れられないものなのか。  相手の存在と未だともにあることで得られる喜びと哀しみは、建設的なものではないでしょうに。  それでもどうしようもなく焦がれる気持ち…
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