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貿易事務OLが流通の整っていない異世界に転生したので、経験生かして頑張ります!  作者: きど みい
第二章 陸路の整備を始めます!
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第29話 新居にお引越し!

それからすぐに、また私はパパの背中で寝てしまった。

そしてその日は一度も起きることなく朝まで寝て、次の日も疲れてボーっとしていた。


王様が家の準備をすぐに進めると言うから、私がボーっとしている間にパパは引っ越しの準備を進めていた。

拠点は新しい家に完全に移してしまうみたいだけど、パパはしばらくはこの家もこのまま残しておくらしい。生まれてから5年以上住んでいる家だから愛着を感じていた私は、残していてくれてよかったなと思った。



「リア―――!行くよ~っ!」

「はぁい!」



そして私たちは少しの荷物だけ持って、王様が用意してくれたという家に向かった。ママは心なしか嬉しそうな顔をしていて、私も新しい暮らしに、わくわくし始めていた。



「ママ、お家大きいかな?キレイかな?」

「ふふ、そうね。楽しみね。」



最初はパパの仕事を楽にしたいって目的だったけど、ママもこんなにうれしそうにしてくれるようになった。まだまだこの世界の運送には課題も多いけど、これからもパパとママとメイサのために出来る限りのことをしようと決めて、私はポチママの背中にギュっと抱き着いた。





「ここだよ。アシュリー、リア。」



新しいお家は、お城のすぐ下にあった。こんなところに住めると思っていなかったらしく、ママは分かりやすく「夢みたい」と驚いていた。



「さあ、リア様。あなたのお家です。」



パパはふざけてそう言って、家のドアを開けてくれた。まだ玄関しかみえなかったけど、玄関だけで前の家のリビングくらいの広さがあるのがわかって、テンションが上がった私は思わず家の中に駆け込んでいった。



「すごぉい!広い!お城みたい!」



玄関だけではしゃぐ私を、ママもパパもニコニコ笑ってみていた。でもママも「こんなところ、いいのかしら」と喜んでいて、メイサも驚きで声が出ないみたいだった。


前の家は木造だったけど、新しい家は石みたいなもので出来ていた。玄関の床は大理石みたいな豪華なもので出来ていて、玄関ホールの奥には大きな階段があった。



「お姫様のお家だ!」

「ふふ、そうね。」



それはまるで、本当にお姫さまが住んでいるような家だった。玄関ホールの右にも左にも大きな扉があって、ドアだけでもすごく豪華に見えた。すでに一度家に入っていたパパは、右側がリビングで左はキッチンだと説明してくれた。



「上に行ってごらん。リアの部屋があるよ。」

「うんっ!」



大きな階段を登ると、左右にいくつかの部屋があるのが見えた。右側の一番手前にある扉には見るからに可愛いドアプレートみたいなものが付いていて、そこが私の部屋だって一目でわかった。



どんな部屋なのか早く確認したくて、私はその部屋に駆け寄った。そして開けるのも苦労するほど大きな扉を開けあるてみると、中はピンクを基調とした可愛い部屋になっていた。ベッドの周りにはレースのカーテンが付いていて、それは私が想像する通りの"お姫様のベッド"だった。



「やったぁ!」



大きなベッドに、思いっきりダイブしてみた。新しいベッドは今までとは比べ物にならないくらいふかふかで、床まで沈んでしまうんじゃないかと思った。



「リア、気に入った?」

「うんっ!すごくかわいい!」

「王様がリアのために、色々用意してくれたんだよ。」



イケおじ、やっぱ最高過ぎる。

私はふかふかのベッドで何度も跳ねて、この幸せをかみしめた。前の広くない家も嫌いじゃなかったけど、何より一人でホッとする時間ができることが、嬉しくて仕方なかった。



「そうだ。クローゼットを開けてごらん。」



ベッドの前には、前世のクローゼットより立派なものが置かれていた。楽しみになった私は走ってクローゼットに向かって、勢いよく扉をあけてみた。



「わぁあ!」



クローゼットの中には、高そうなドレスがたくさん入っていた。

やっぱりいくつでも、ファッションって楽しいものだ。今までだって着るものに苦労したことはなかったけど、今までのものと比べ物にならないくらい上質なものがたくさん並んでいるってのがわかって、思わず目を輝かせた。



「王様からの、プレゼントだってさ。」

「やったぁ!嬉しい!早く着たいっ!」



こんなかわいいドレス、私が着たら天使に決まってる。

明日から毎日違う服を着て楽しもうと思って扉の方をみると、パパもママもメイサもクスクスと笑っていた。



「今度、王様にお礼に行かないとな。」

「うんっ!また会いたい!」

「こら、リア。お会いしたい、でしょ?」



ママは私の言葉を正して怒ったけど、顔はとても嬉しそうだった。みんなの幸せな顔を見ていたら私まで幸せな気持ちがこみあげてきて、頑張ってよかったと、改めて思った。

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