表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆転生最強乙女☆【休】  作者: 馬の子の犬
8/9

怪物

表現が下手なので読みにくい部分があるかもしれません

皆さんこんにちは

自分は瑞樹です


先ほど怪物に食べられました


そうここは怪物のお腹の中なのです


可愛そうに思われるかもしれませんが自分は平気です


だって自分は最強


最強は何があっても大丈夫なんですから






(………………んな訳ねぇ!!!!!!ヨダレか胃液か分かんねぇ液体に絡まれて自分みたいなやつをいっぱい食ったからか分からんけどくせぇし!そもそも体はあんなに大きかったのに胃は想像より小さいくてぎゅうぎゅうだし!)


結論、最悪。以上


笑えねぇ


もうこんなとこに居たくない

さっさと出るに限る


(でもなぁどーやって出ようか)


そこが問題だ

数秒考える


(……………ケツの穴?)


漫画やアニメで聞いたりしたことはあるだが正直に言わせてもらう

…嫌だ


他の方法を考えよう


(…………口まで這い上る?)


しかし登っている途中でまたごっくんされたり舌の上でコロコロされてしまったりまた口が開いてなかったらたどり着いたとしても出れはしないだろう


《ズトォオォオオォオンンン!!!!》


瑞樹があれやこれや考えていると突然瑞樹の隣から大きな音が聞こえた。


隣にあるのは胃の壁それが大きく歪んだら。恐らくだが検討違いでなければ怪物の胃が大きく凹んだであろう

その振動と共に瑞樹の体が唾液と一緒に上へと競り上がっていく。


(な、なんか動き出した!このまま上に行ったら出れるかも!!)


唾液と胃液と一緒に一気に上へと上っていく

次の瞬間多くの光を浴びた。

外だ、効果音はまさにツルンという感じ


「へ?」


しかし瑞樹は目を見張る。何故なら今瑞樹は空中に浮いているから


(地面がないぃい!)


下にてを伸ばすが届くはずもなく。

予想していない出来事だったのでとっさにぎゅっと目を瞑る


(落ちるうぅう!!)


その時体が受け止められた


「おい大丈夫かシノハラ」


「ク、クラウスさん」


声のした方向を見やる。クラウスさんがミズキを受け止めてくれていた。自分の体は今怪物のヨダレでべとべとで臭いというのに。

平然とした顔で声を掛けてくれる。良い人だ

(おぉなんたる紳士)


感謝。


「おいシノハラお前を取り込もうとした魔物が凄まじい成長を遂げたぞ」


…ほんとだ自分が食べられる前より断然大きくなっている。大きさだけではないどうやら喰われる前にはなかった羽も生えている。おそらく羽ばたいて飛んでいけるだろうレベルも大幅にアップしたと見られる。そして怪物は無駄のない筋肉モリモリの体に仕上がっていた。


そしてなんか全体的に黒くなった。


(こえぇ!)


「お前は…なんていうか……凄いな。そこそこ強いやつでもこんなに魔物を成長させれんのに」


どうやら魔物は瑞樹の力を吸いとって大幅な成長をしてしまったらしい

(まじ、凄いな願い事の力って)


「ガラァァアァアアアァ!!!」


怪物は息を大きく吸い鼓膜がはち切れんばかりに威嚇してくる。

迫力とで負けてしまう


(怖い…!!)


ば!っとクラウスさんの方を見た。そこで少し固まってしまう

…すぐ目の前に美人な顔がある

ちらりと自分の体を見る。

瑞樹は今自分がどんな状況であるかやっと分かった。瞬間顔に血が上る

よくよく考えたら抱えられている状態はお姫様だっこ。


「ククククラウスさん、下ろしてください」


こんな近くに美形があるなんて耐えられんのでバタバタと自主的に降りようとした


「何をしているのだ?降りんでもよかろう」


クラウスさんがにやぁっと笑う

きっと顔が赤い瑞樹の顔を見て状況を理解しての行動だろう、この鬼畜!


「グガアァァアアァア!!!!」


瑞樹を吐き出した雄叫びをあげ怪物がこちらに向かってもう一声吠えてくる


「うやぁあぁぁああ!!」

っと瑞樹はヘンテコな悲鳴をあげ、おまけにクラウスさんに抱きついてしまったこれでは降りるどころかよじ登る始末である


「おい、貴様。 下郎の分際で返せとは何だ」


「 下郎でごめんなさぁああぁあいぃ!」


「違うシノハラではない。この魔物に言っているのだ」


どうやらディスられているのではなく恐竜らしき怪物に話しかけていたようだ。怪物は返せと言っているらしい


「ガルウゥゥウルゥウ」


「何?その娘を返したらお前の命は助けてやるって?はっ、舐められたものだな」


「アァァアア!」


「俺を始末する?…おいシノハラお前は目を瞑っていろ」


「なんでぇえ!」


叫ぶ。きっと耳元だからうるさいだろう、だかテンパっているんだごめんなさい


「何ででもだ」


取り合えず言うことを聞こう


「分かったあああ!」


ぎゅっと目を閉じるそしたら地面にお座りさせられた。待っていろということなのだろうか。だんだんと足音が遠くなっていく


何も音が聞こえない


クラウスさんは?


その時

『バアァアァアアァアン!』


という音が聞こえた


数秒の静寂のあと足音が聞こえてくる


ザクザク

っ!足音だ!クラウスさんの足音!


「もう目を開けてもいいぞ。」


目を開けるとそこには血らしき赤い色がクラウスさんのほっぺと右足を染めていた


「クラウスさん…!血が!」


「ん?ああこれはあいつの血だ。まぁ、足はかすり傷だ。どうってことはない心配するな」


その言葉を聞いて安堵とした。帰ってきてくれた

この人は自分のために戦ってくれたのか


「ょ、よがっだ~」


「おい泣くことないだろっ」


(だってすげぇもん!!そんでもって嬉しい!)


泣いたことに驚いたのかキョドっている。

しかしせっかくきれいな顔に血が付いていたらもったいない


「グ、グラゥズザン血ふぐ~」


涙を流しながら放った聞き取りにくい言葉だがクラウスさんが屈んで顔を寄越してくれた



その時見えた

クラウスさんの頭の向こうから血だらけになりながらもこちらをにらんで見ているあいつが。

もう、目と鼻の先にいた。全然気がつかなかった



怪物が何かしてくると瞬時に嫌でも分かる

このままではクラウスさんは不意を突かれて確実に死んでしまう


(クラウスさんが…死ぬ?)


…いけない。それだけはいけない…!

この人は生きなければ。

ここで死ぬような人ではない。死んではならないのだ

ましてや自分というのがいたせいで巻き込まれてというのは

怪物がクラウスさんに向かって尻尾を振り上げようとしている

瑞樹は咄嗟にクラウスさんを怪物と反対方向に思いっきり引っ張った。屈んだばかりだったのでバランスが取れていなかったのだろう。幸運にもいい距離だ。


壁を。少しでも良い。壁を作れ。少しの時間稼ぎでも良い


(自分がクラウスさんの前に出たら)


ほら、もう壁の完成。クラウスさんから少し離れた場所に瑞樹は立った。最も怪物は瑞樹を狙っていたのだからクラウスさんは巻き込まれなくていいのだ、さぁ!!クラウスさんはこれで助かる


「おい!アホ!戻れ!!」


クラウスさんはこちらに来ようとしていた。だがしかし何やら様子がおかしい


立とうとはしている。しかし足に力を入れると血がにじみ出てきた。どうやら足の血の部分は深い傷だったらしい


自分の無能さに腹が立つ



怪物魔物は尻尾に勢いをつけて瑞樹を凪ぎ払おうとする

どうやらもう要らない物として判断されたらしい


(まぁ良い、俺は最強だ!!!)


尻尾が当たる寸前スローモーションのように感じた


瑞樹の右胴体に鱗で尖った鋭い尻尾が肉を抉ってくる

足は地面から宙に浮き勢いよく飛ばされる

そして勢いつけて木に叩きつけられた。

しかし痛みは感じない。自分は物理攻撃は効かないから



死んだと判断されたのだろう

怪物は瑞樹に一目やると興味をなくしたようにさっと視線をのけた

そしてクラウスさんをにやにやしながら見た


…そう見えた。


その表情はまるで前の世界で瑞樹を殺ろうとしていたアイツ等のように



(…殺す)


夢を思いだした

怒りを通り越した感情が芽生える

瑞樹は今まで感じたことのない殺意に駆られた


(殺す)


瞬間瑞樹は怪物に向かって走り出す

死んだと思っていたからきっとびっくりしたのだろう。怪物魔物の動きが止まった


「死ねぇええぇえぇええ!!!!」


最大の殺意を籠らせる


『ペチン』っと怪物魔物の足にヒットする

だが音の具合として絶対的に死んでいない


その瞬間呆気に取られていた魔物がにたぁっと笑った


その時だった


『ドゴン!』と凄まじい音をたて魔物の足からお腹にかけて大きな穴が開いた。開いた穴の元を見ればそこは瑞樹が先ほどぶん殴った場所


(…!?!?!?!?)


瑞樹は目を見開いた

魔物が口から血を盛大には吐きながら崩れていく。大きな穴からは留めなく血で溢れかえった

肉の断面が見える


(うわぁグロッ)


それよりも


あの人は無事か

クラウスさんの方を見る。目があった


(あぁー普通ならこえぇよなぁ)


こんな自分を怖がるだろうか。


(でもそれでも良いか大切な人というのを守れたのだから)


「…」


クラウスさんは黙ってこちらを見ていた

信じられない化け物を見たのだから当たり前だ

むしろ大声をあげられて逃げられるよりか何倍もマシである


瑞樹はクラウスさんに近づいた


「クラウスさん、自分が怖いですか?」


人間諦めが肝心だが出来ればすがりたい


怖いと言われる覚悟はできている…のに

いざそうなるとになる声が震える

聞きたくないと思う


こんな自分は我儘だろうか


我儘ではないと、どうか否定してほしい

そう、思った。


「…ああ、恐ろしいな」


「そ、ぅで…すか」


言葉に出されて涙が溢れてくる


「す、ぃませっ」


【泣いてごめんなさい】そう伝えたい。

クラウスさんはいつ殺されてもおかしくない瑞樹という怪物に『怖い』と勇気を出して伝えてくれたのに


自分は子供である。


せっかく言ってくれたのに悲しいて悲しくて堪らない。

なんのレッテルもない自分を見てくれた人なのだ


「勘違いするな。俺はお前の力が恐ろしいと言っただけだ。」


「………へ?」


涙で濡れている顔を上げてクラウスさんを見上げる


「俺はお前というやつを怖いなぞ思わん」


意味がわからん


「っ…。クラウスさ、ん」


「何だ」


気を使わなくてもいい。

こんなガキ嫌いだと言ってくれれば諦める


「気を、つがわなぐていい、ですよ」


情けない情けない情けない

何故悲しいという感情を見せるのか。


「私がお前ごときに気を使う?笑わせるな」


「…じゃあ、っ、クラウスさんは自分を嫌いじゃありませんか?」


ならば自分は捨てなくてもいいのだろうか

諦めなくていいのだろうか


「ああ、嫌いじゃない」


さっきとは違う涙が溢れてくる

今までの生き方とは違う

嬉しくて泣くのはこんなにも良いものなのだと瑞樹は初めて知った


「こちらこそ、シノハラに助けてもらった。感謝する」


もう抱きついてしまいたい


「うぅ~!クラウスざ~~ん!!」


体が勝手に動いてしまった

瞬間強く抱きつく


「おーよしよし」


そしてよしよししてくれた


(もー自分、クラウスさん好きっすわ!!!)


「友達に、なってぐださい」


足から離れてクラウスさんの顔を見て言った

鼻声だがスルーしてほしい


「ああ、良いだろう。その代わりと言ってはなんだが条件がある」


「条件?」


どんな条件であろうと飲む。飲み込んでやる


そう思ったとき


「おい!あっちだ!あっちに争いの痕跡が!」



何処からともなく声がした。そちらに視線を送る

何やら男達の集団がいる。50人位の集団だ


リーダーらしき人と目が合う

その集団がこちらに向かってきた


「子供がこの森に一人とは珍しい。お嬢ちゃん名前は?」


ぞろぞろと男の集団に囲まれる

先ほど目があった男性、おじさん位の年の人が問いかけてきた


それより一人とはなんだろうか

クラウスさんが居るのにと振り返ったその時…







もう、後ろにクラウスさんは居なかった


元々から居なかったように痕跡がない

瑞樹は焦った。


「…はっ?……へっ???」


「お嬢ちゃん怖いことがあったのかい?」


気づけば泣きそうになっていた。

それが伝わったのだろう


「それにしても濡れているな。そして何やら変な臭いもする。そこで死んでいる魔物と関係あるのかい?」


この臭いは怪物の唾液と血の臭いだ

関係はあるので頷いた


「そうか、お嬢ちゃん親は?」


「いない」


「……そうか。」


この質問はクラウスさんにもされた。こどもひとりでこの森に居るのはいけないことなのだろうか。そしておじさんはいけないことを聞いてしまったと思ったのだろうか。それ以上聞いてこなかった


「取り合えずお嬢ちゃんはうちにおいで。こんなところに一人でいると何があるかわからない。それにその汚れと臭いを落とさなければ」


落としたいところなのだがクラウスさんがいない

できれば探したい


「ほらおいで」


渋ったので手を取り引っ張られてしまう

抵抗はしないが。





(クラウスさん、何処行ったん)

これからもよろよろ!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ