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道端火あぶりライフ

作者: 千路文也
掲載日:2016/05/17

 老害抹殺計画の主犯格を演じてから早くも二年が経過しようとしていた。一時の金を得るために犯罪の片棒を担ぐのは想像していたよりも辛く、周りの人間全てが敵に見えてしまう錯覚に陥っていた。元はと言えば日本中に根付いている老人絶対主義の風潮を失くそうと熱く語る友人に触発されたのが原因だ。金に困っていたのも理由のひとつだが、世の中を本気で変えられると信じていた。結局俺は殺人パーティーには呼ばれなかったが、無実の罪で追われる結果を受け入れなければならない。一生使いきれない大金の変わりに時効まで逃げ回る日々。そんな毎日を過ごそうと決意すると不思議とお金への執着心が消えて、罪悪感も無くなんとなく生きていた貧乏生活の方がマシだったと思えるようになる。この日も高層マンションの一室で無意識の内に涙を流し、パンを頬張りながら朝食を頂いていると、信じられない光景が画面に広がった。老害駆逐法案の可決とそれに伴い、全国指名手配されていた俺が一夜にして救世主と呼ばれて瞬く間に功績が広がったのだ。俺は歓喜して外に繰り出し、かつての裏社会で手に入れた火炎放射を片手に、道端に転がっている老害共の死体を焼却した。燃え上がる老害共の死骸を目にする有望な若者達が拍手喝采を浴びせてくる。テンションの上がった俺はそのまま黒のスーツを身に纏いながら炎を拡散させ、東京都庁までの道を老害の屍で埋め尽くした。


 東京都庁では既に歓迎ムードで職員達が出迎え、都知事から表彰状を受け入れると、今度は国民栄誉賞を受け取って貰えないかという相談を受けたので、俺はすぐさま二つ返事ではいと答えた。結局、世の中はどうなるか分からない。無駄な努力を続けるよりかは、いっそのこと社会の荒波に飲みこまれて流れるままに人生を過ごす方が自分のやり方にあっているのかもしれないと、老害の生首を使ってサッカーをする小学生達を見ながら清く微笑んでいた。ほとんどの老害が駆逐された今のご時世を満喫するかのように、幸せの笑みが止まらなかった。



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