無知は人を傷つける
無知な発言は誰でもした事があると思います。けれどその一言が人を傷つけるものになることもあるのだと学ばされました。
私が今まで生きてきたなかで一番謝りたい相手…
まだ生きていますか…
今あなたは幸せですか…
今どうしているか解りませんが一言謝りたいのです。
「ごめんなさい。」
あなたとあたしが始めて出会ったのは病院でしたね。
あなたは体が不自由でいつもベッドに横になっていました。
あなたの病名、私知っていました。
けどどのような病気か理解出来ていませんでした。
その事を知らずにあなたと話したことは私の罪です。
私あなたに2回も酷い事言いましたよね。
「ご家族の方日曜にでも来てくれると良いですね。」
「早く良くなって、元気になってくださいね。」
あなたはそのたびに涙を流されましたよね。
私が病院を去る時あなたに言いました。
「今までありがとうございました。」
あなたは私がそう言うと涙を流してくださった。
そして私の頬に手をあててこう言ってくださった。
「あなたは私の子供のよう…今までありがとう…。」
「またいつか……私が退院したら一緒に町を歩いて、ランチでもしましょうね。」
私はその言葉が凄く嬉しかった。
でもそれから1年後…
私は新聞をみているとあなたと同じ病名の方の一生が書かれたページをみて驚きました。
あなたは…進行性の不治の病だったのですね。
私は軽はずみな発言に一年後に気付いたのですよ。
遅すぎますよね。
あなたを傷つけて、それに気付かずお別れをしました。
私はあなたの本当の気持ちにも気付かずに、最後にくれたあなたの言葉に喜んだのです。
あれからもう幾年の歳月が過ぎました。
私はまだまだ子供だけれど今年就職です。
けれどあなたが最後にくれたあの言葉、あの時の表情、今も鮮明に覚えています。
今もしもう一度会えるなら私は言いたい事があります。
「あなたを傷つけてすいませんでした。」
そして…
「私にかけがえのない思い出、そして愛情をくださってありがとうございました。」
この年でかけがえのない、忘れる事の出来ないあなたに出会えた事が、私の一生の宝です。
私は謝れるなら何度でも謝りたい。ですが、もうあの人には2度と会えません。これを読んだ方が同じ様な後悔をしないことを願っています。