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真ッ赤ナ地面…… 2 3日

「やーだなぁ……。たまたまだって。だって最近大丈夫だったし」

「俺だってそう思ってたよ」

 保健室のベッドでやっと話せるようになったシュンが苦笑した。

 相変わらず顔は真っ白だ。

「コウキ、あんまし気にしなくていいからな」

「へっ……?」

 ヨシタカの言葉に思わず声を漏らした。

「中学の時はしょっちゅうだったから」

「……持病?」

「いんや、精神的な方だな」

「ちょっと、人をうつ病か何かみたいにいわないでくれる?」

 シュンは唇を尖らせた。

「まぁ、おかげで片付けサボれたし? ラッキーだった」


 僕とヨシタカは保健室を後にし、片付けをしているヒトミとチトセのもとへ戻った。

 けれど、もうほとんど終わっていて数分して解散となった。

 僕はヨシタカと一緒に途中まで帰った。

 シュンは車で先に帰ったらしい。

「俺から答えられることはないよ。俺にはそんな資格すらないから。あいつが話すって決めたとき、一緒に話す」

 何も言う前にヨシタカにそう言われてしまい、僕らは黙って別れた。


*****


「聞いてない」

「……来ると思った」

 僕は従兄のタカシの家を訪ねた。

「ちょっとくらい教えてくれてもよかったじゃん!!」

「聞かれなかったし」

「でも、タカシは毎回二人のことばっか話してたんだから、大事なことの一つくらいさ……」

「……僕だけで話すのはよくないよ。明日、シュンとヨシタカに聞いてみなよ。ヨシタカはシュンが言うならって言ったんだろ?」

「……」

 いつも一緒にいるくせに、タカシは教えてくれないようだった。


*****


 朝、教室へ入るとシュンとヨシタカに屋上へ呼び出された。

 タカシが話をしておいてくれたのだろう。

「授業は?」

「サボる」

 僕が聞くと、サボり魔のシュンはケラケラと笑った。

「まぁ、たまにはいいかもなぁ」

 優等生のレッテルを貼られているヨシタカも呑気に言った。

 そして、移動しながら僕に囁いた。

「お前、あいつのいとこだったのかよ!」

 あいつ、というのは言うまでもなくタカシのことだろう。

 僕は「そうだけど?」と言っておいた。

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