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舞台裏!! 1日

 上演十分前になり、僕と千歳、瞳が舞台裏へ着くころには義孝と俊は衣装を着替え終わっていた。

 義孝はキラキラとした装飾を付けた白色のスーツを着ており、僕らが来たのに気付くと手を振りながら近づいてきた。

「模擬店の準備できた?」

「ああ」

 千歳が義孝の質問にうなずいた。

 僕らは白雪姫が終わった後に、すぐに自分たちの模擬店のテントへ向かえる様、準備をしてきたのだ。

「……あれ、シュンは?」

 僕はあたりを見るが、俊の姿は見つけられなかった。

 義孝は苦笑して舞台裏の端っこを指差した。

 俊は僕らに背を向けて、そこに座り込んでいた。

「おーい」

「!?」

 僕らは俊の方へと駆け寄った。

 俊はビクッと反応して立ち上がり、恐る恐るといった様に振り返った。

「……コウキ」

「かわいい!」

 その時、僕が何かを言うよりも先に瞳が俊に抱きついた。

「うおわぁ!」

 俊がよく分からない叫び声をあげて瞳と一緒に仰向けに倒れこんだ。

「ひ、ヒトミ……」

「かわいいー。シュン、あんた学校でもそのままでいてよ!」

「無茶言わないで……」

 俊はすでに半泣きだ。

 しかし、瞳ほどではないが、確かに俊は下手したらそこら辺の女子よりも可愛い女の子になってしまっていた。

 少し装飾の控えめなドレスに、長く艶のいい黒髪。

 うっすらと化粧をしているのは、演劇部のメイク担当の子がやったのだろう。

 さらに、俊の身長が低いわけではないけれど、ヒールの高い靴をしても身長の高い義孝の背を越していなかったため、いい感じにお姫様と王子様が出来上がっていた。

 思わず、見とれるほど、俊はかわいくなっていた。

 可愛いものが大好きな瞳が反応してしまうのも、よく分かる。

 その時、舞台裏からステージに耳を傾けていた演劇部の一人が「用意してください」と声をかけた。

「……コウキ、足は?」

「ああ」

 僕は、すっかり忘れていた……。

 けれど、隠すことでもないだろう。

「もちろん嘘だよ!」

「コウキぃぃぃ! 信じてたのに!」

 俊が捨てられた子犬のような目で僕を見てくる。

 その目×美少女顔で睨まれると、なんだか申し訳なくなるけれど、ヤダったんだし、そもそも僕に押し付けようとしてきたじゃん。

 初めは、僕と演劇部部長の山下とで(本当は俊がやるはずだった)部活の紹介をすることになっていた。(本当は俊がやるはずだった)

 前に発表をしていた家庭科部が終わり、僕らの番となった。

「じゃあ、お先ー」

 僕と山下はステージへと向かった。

今までのところ、少し修正しました。

小さなことですが、これから重要なことになっていく予定です。

2015.11.4

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