第七十四話―反乱軍カルミアの活動~エルside~
「ここが浮遊島……カイルさん達の故郷なのですか……」
「何て言うか……」
「なんもねー……な」
上から順番にエル、クレア、パックの順番の発言である。この三人は反乱軍カルミアの大移動の第一班としてカイル達の生家――浮遊島へと到達したのだ。
何もない。
それが、今の浮遊島を表している。
あったはずの、山も、川も、丘も、井戸も、草も、木も、花も、岩も、苔も、魚も、蛇も、豚も、熊も、虫も、蔦も、崖も、坂も、訓練所も、家も、柵も、防塁も、何もかも……ない。
平らで全てが均されている。
「パックちゃん、カイル君達が言っていた島の隠れ家まで行ってきて……いいえ、私達を連れて行ってくれるかしら?」
クレアは途中で言い直す。
上がこの状態であるのなら、中がどうなっているか分からない。パックの与えてくれる情報では足りない可能性があり、それならば初めから三人で向かうべきだと判断したのだ。
「クレアさん、カイトが飛空挺にあるのです。
それで行くのが良いと思うのです。流石にパック一人で、僕達二人を運ぶのは重いと思うのです」
エルはこの惨状――何もない光景にショックを受けながら平淡な口調でそう忠言する。
エルはカイル達の故郷を反乱軍の拠点とする上で、なるべく元の状態を保とうと考えていた。
幾らか増設なりはするかもしれないが、カイル達の思い出はなるべく壊したくなかったのだ。
それは、帰るべき故郷があるエルなりの配慮だった。
帰るべき故郷がこんな状態になっていたら……
それを思って、エルはショックを受けていたのだ。
部下達が運んできた風の魔力が充填されたカイトに乗り、三人は有翼族の隠れ家へと、足を踏み入れるのだった――。
――――――――――――――――――――
ぴちょん。
滴が洞窟内に落ちる音がする。
少し湿った空気が鼻腔を濡らし、冷えた空気が吐く息を白くさせる。ほの暗い洞窟内はどことなく不安感を募らせ、三人は少し気を引き締める。
「ここは、聞いていた通り……なのね」
「なんもねーことに変わりはねーけどな」
そう、この場所は何もないのが普通。
緊急避難場所としての機能しかないこの場所は生活を感じさせるものがないのが通常。
この姿が正しいのだ。
ぴちょん。
「最低限、村の人間が逃げ込めるスペース……それにしても、もうちょっと快適なスペースにしてくれたっていいのに」
「本当に緊急時だけの場所なんだろ?
なら、別にこんなもんじゃねーの。
な、エルもそう思うだろ?」
パックはエルに同意を求めるが、答えはなかった。
エルはただ、洞窟の壁をじっと見つめ、声には出さないが、驚愕、動揺というような感情を顔に張り付けていた。
ぴちょん。
「エル?」
「なんで……なんでなのですか……?」
エルは洞窟の壁をじっと見つめていた。
いや……
ぴちょん。
滴が落ちる、その場所を見ていた――!
「なんだよエル、滴が一体なんだってんだ?」
「気が付かないのですか? ここは浮遊島なのですよ……!?」
「??……だから?」
「水は……どこから出ているのですか?」
「? ………っ!?」
ここは浮遊島。空中に浮かぶ島だ。
地上とは隔絶された世界であり、水脈など通るはずもない――!
そんな島で、滴が落ちている。エルが驚いたのはそこだ。
上に川が流れていれば、もしかしたら気がつかなかったかもしれない。エルは川が無いのに水があるという矛盾から、そのことに疑問を抱いたのだから。
「そうね……よくよく考えてみれば、川があること自体がおかしいことだったわ……」
「でもよ、じゃあこの水は一体なんなんだ?」
「魔法、なのです」
エルが落ちてきた滴に手を伸ばし、そう口にした。
「微かに……魔力を感じるのです……いや、でも、これは……魔力……?」
煮え切らない態度のエル。うーうー、と唸って考えている。
周囲をくるりと見渡し、長い耳をピクピクと細かく動かす。森精族の耳は魔力を感じとりやすい。人族には無い特殊な交感神経が耳に集中してるためだ。
一通りそうやって魔力を感じ、そして地面に、落ちた滴にも、膝を付いて耳を向ける。
そして再びうーうーと唸るのだ。
クレアはそんな風に自分だけで考え込むエルが焦れったくなったので……耳を甘噛みしてみた。
「ひゃうんっ!!?」
もちろん、森精族の耳は感受性豊かだ。
つまり、感じやすいのである。
「はむはむもきゅもきゅはむはむじゅるるるぺろぺろもきゅもきゅしゅごおおおおおおおおおおとおおおおおおおおおおおお。
(駄目よ、エルちゃん。一人で考えるより先に、私たちにもエルちゃんが何で悩んでるのか教えてちょうだい。じゃないと耳を噛んじゃうわよ♪)」
「もう噛んでるのですっ!!
ひゃっ、わかっ、分かったですから!!
耳! 耳はぁぁぁ……!!
言う! 言うのですからぁ~~!!」
クレアはその言葉を聞いて名残惜しそうに大きく一吸いしてからエルから離れた。
こんな強い個性のキャラ、語る必要もないと思うが一応説明として。
クレア・エムプーサ、淫魔族。
可愛いショタっ子に女の子の格好をさせて鑑賞したりするのが趣味でそこから若さを保つエネルギーを得ている(本人談)。
その為、オカマなザフラ(男色趣味アリ)とは仲が良かったりする。
そして次なる標的にパックが指名されているとかいないとか。
つまり、変態だ。
しかし、こんな変態であっても反乱軍カルミアの幹部――治療部隊隊長なのである。
しかも、五年前からいる古株。人は見かけによらないものだ。
「は、はふ………」
「うふふふふふふ」
(エルは男エルは男エルは男エルは男)
現在自分の煩悩と戦っているのはパック・ルーテル・フェニア……妖精族だ。
その腕っぷしで女王の側近にまで登り詰めた妖精族随一の精鋭である。
手のひらサイズの体躯を生かし、情報収集を行う諜報部隊の隊長に任命された。ちなみにエルの幼馴染みでもある。
そして、そのパックの煩悩の原因となっているのがエル・ロットー。
何度も言っているように森精族である。
彼の特徴としてはその見た目。
目が眩むような金髪に宝石のような青い瞳。
華奢な体に清潔感漂う香り。
……クレアが着せたゴシックロリータの服(本人は気が付いていない)。
だれがどうみても女だ……だが、男だ。
男の娘だ。
あと、ジャックから魔具製作のイロハを教えられ、現在は魔具職人部隊隊長でもある。
「ま、魔力の〝質〟が……同じに感じるのです」
「質が……同じ?」
「はいなのです。指紋、声紋と同じように魔力というのは人毎――いえ、生物毎に異なっているのです。
なのですが、ここの水から感じる魔力と……大気中に存在する魔力が……ほぼ、同じように感じるのです」
「ってーことはどういうことだ?」
「大気中にある魔力が自然と魔法を発動させている……のです」
クレアとパックが信じられないような顔でエルを見る。
なぜなら、自然界に存在する魔力を使っての魔法など空想の話でしかないからだ。
自然界の魔力は広く、薄く存在する。
世界を浅い――大きな平皿だとすれば、そこに満ちる水こそが魔力、そう考えてくれればいい。
そして、人の身の回りにある程度の魔力では、実用的な魔法は使えない。
水面に付着したホコリの周囲にある水だけでは何もできないのと同じように。
いや、それは誤りだ。
使えるが、それを成し得る技術がない。
魔力は、まぁ、完璧に集積すればなんとか水道くらいはつかえるだろう。
平皿の水をコップに移せば利用しやすくなるのと同じだ。
しかし、それは無理なのだ。
人為的に魔力を集めようとしてもどうしてもムラが出てしまい、上手く魔法を発動させることができない。
網目の荒い布で水を掬い取るようなものだ。
つまり、自然界の魔力を使って魔法を行使するなど、オーバーテクノロジーなのだ。
ぴちょん。
音が聞こえる。
それはまるで波紋のように広がり、クレア達の常識を揺さぶる。
そんな中で、エルは続きを口にした。
「ただ……純粋な自然の魔力、という訳でもなさそうなのです」
そうして、エルはクレアの涎で湿った耳を澄ます。
この水は……
「微かに……何かが混ざっている……ような感じ……なのです」
「混ざってる?」
「うーん……ほんのちょっと、自然の魔力とは違うような……些細な違和感を感じるのです」
それは、ほんの少しの違和感。
意識してやっと知覚できるほどの微細な違和感だ。
クレアもパックも、言われてみればどことなく……違和感を感じるような気がする。
「どういうことなのかしら……?」
「水元を辿っていけば何か分かるんじゃねーの? オレッちがちょっと見てくるぜ」
唐突にそう言ったパックは水が漏れ落ちてきている僅かな隙間に入っていく。
妖精族の面目躍如である。
「パックー、何か分かったのですかー?」
エルが両手をメガホンの代わりにして声をかける。
狭い洞窟内でエルの声が共鳴し、山彦のように反響した。
「なぁ、エルー、お前地属性だったよなー?」
と、隙間からパックが声をかけた。
「ふえ? あ、そうなのですよー?
だけどそれが――」
「この洞窟の壁を全部外側に避けられるかー?」
エルの頭に疑問符が浮かぶ。
パックは一体何をさせようというのだろう。
というより、壁を外側に避ける、とはどういう……。
「魔力を流してみてくれー、そうしたらわかるからー」
「うーん……分かったのですー」
隙間から聞こえてくる声にそう返して、エルは地面に手を突いて魔力を流す。
すると妙な事が判明した。
今自分達が立っている地面、これは一種の〝皮〟なのだ。
中心にある何かを、地面という皮で覆っている。
これならパックの言わんとしている事も分かる。
彼は、この中心にある何かを見せたいのだろう。
「よーし、行くのですよー」
森精族の豊富な魔力を使い、エルはこの地面を制御下に置く。
ズズズズズ、と音を立てて地面が移動を始めた。
まるで意思をもっているかのように、小さな群集生物が集まって一個の巨大な生き物のような動きだ。
そして――
「これは……まさかクリスタ――!!」
「な、何でコレがこんな場所に……っ!!」
現れたのは一面のクリスタル。
赤、青、黄、茶、緑のクリスタルがミルフィーユのように重層的に折り重なって存在していた。
豪華絢爛、きらびやかな光が三人を包み、その過剰ともとれる光に三人は一瞬目を細める。
しかし、その幻想的な光景の中心に目を向けていくと、その感動は驚愕に変わる。
獰猛な、鋭い牙。
巨大な体躯。
はち切れんばかりの存在感。
それが――五体も――!!!!
「竜……いや、龍だって言うのですか――!!」
そこに居たのは五体の龍。
生きてはいないようだが、それでもなお、消えることの無い王の風格。
知識がなくとも分かる。これは竜などではなく、龍なのだと。
「でも……どういうこと……?
龍って、三種類しか居ないハズ、よね……?」
天を統べ、雷を司る天龍。
地を統べ、地を司る地龍。
海を統べ、水を司る海龍。
世界には、この三種類しか居ない―――ハズ。
では目の前にあるもう二体の龍は一体何だと言うのか。
赤色の灼熱した鱗を持つ龍と、緑色の嵐のような鋭い牙をした龍は一体――?
「炎龍と、風龍、なのですか……っ!?」
エルがその二体の龍に手を伸ばす。
伸ばしたとて、手に感じるのはクリスタルの感触だけ。
だが、エルはその二体が自分の考え通りの存在だと確信する。
「エルちゃん、どういうこと?」
「……これは、森の長老様が仰っていた話なのです。今は天龍、地龍、海龍の三種の龍しかいないのですが、昔はそうでなかったらしいのです」
エルが手をクリスタルにつけたまま、顔だけをクレアの方へと向ける。
パックも、クレアの肩に止まってエルの話に耳を傾ける。
「もう五百年も前の話……その時には天龍、地龍、海龍という三種の龍ではなく……
地、水、風、雷、火の属性に合わせて、
山龍、水龍、風龍、雷龍、炎龍と呼ばれた五種類の龍がいたそうなのです。
しかし、かの原始の闇属性の使い手……〝悪夢〟が世界を破滅へと追い込んだ際、その内の二種は絶滅したと、そう言われているのです」
これは大陸中に伝わるお伽噺。
帝王が現在大陸を支配下に置いているのと同様に、遠い遠い昔に……似たような出来事があったのだ。
〝悪夢〟
この世界で最初に確認された闇属性の使い手。
彼、または彼女は帝王と違って国、というものを建てなかった。
ソレは破壊衝動の塊だった。
ある意味、帝王よりタチが悪い。
問答無用に、唐突に現れ、全てを破壊する災害。
それがこの大陸に伝わる〝悪夢〟という存在だ。
最終的には、“ヴィルヘルム”という英雄によって討伐された、らしい。
「なるほどなー……んー、まぁ、この二体が炎龍と風龍っつーモンだってーのは分かったんだけどよー。
そいつら含めた五体の龍がなぁーんでクリスタルの中にあるんだっつー話だよ」
その問いには、エルが答えた。
「多分……彼らは魔具の一部なのです」
「「魔具!!??」」
驚きのあまり、二人揃って声が裏返る。
エルはその二人を異に介さず、じっ……とクリスタルと、五体の龍を見つめる。
それは、ジャックから受け継いだ確かな魔具職人の鑑定眼だった。
「魔具に必要な素材というのは、モンスターの素材、クリスタル、そして魔力鉱石なのです。
さらに言えば、【能力】を発動させるための術式、なのです」
「あ、おう、でもよ。
魔力鉱石は……どこにあるんだ?」
「クリスタルとクリスタルが重なっているその間……光っているところをよく見て下さい」
クレアとエルがクリスタルの近くまで歩み寄り、エルの指摘した部分を注視する。
一度見たときと同じように、キラキラと過剰な―――いや。
過剰過ぎる。
目を凝らせばその原因はすぐに分かった。
エルの言う通り、クリスタルとクリスタルの間にある魔力鉱石が光を反射し、それが過剰な光を放っているのだ。
「それだけじゃ、ないのです。
大量に置かれた魔力鉱石で……術式を描いているのです。
それらは層を隔ててなお、共鳴的に作用して、この巨大な魔具の骨格を形作っている――これは、途方もないほど複雑で、大規模な魔具なのですよ」
エルが感嘆の吐息を漏らす。
エル程の知識があればこそ、分かる。
これら三次元の術式の複雑さ、精巧さが。
これを作るのに費やしたであろう年月が。
「でよー、結局、これは一体どういう為の魔具なんだ?」
「そこは詳しく調べてみないと何とも言えないのですが……多分、この島を浮かせたり、この島の生態系を維持したりすることを目的とした魔具なのだと思うのです」
絶対にこの術式を解き明かして見せるのです!、とエルは気合いを入れる。
パックやクレアは、目の前の魔具と呼ばれた巨大なものがとてつもないものだと理解し、その解析や細かいことはエルに任せることにした。
何より、エルの目が輝いていた。
純粋な子供のように目を輝かせるエルを見て、クレアとパックは暖かい視線を送るのだった。
……そんなことをしていると、不意にクレアのイヤリング――【テレパス】の魔具が光を放った。
上で何かあったのかしら、とクレアはイヤリングを軽く弾く。
「どうしたの?」
『こちら戦闘部隊スケイルです!
浮遊島地上にて、文字の書かれた石碑のようなものを発見いたしました!
ので、報告を申し上げた次第であります!』
そうして、クレア達三人はとりあえずこの地下での探検を終わりにし、報告にあった石碑を見に行くことにしたのだった。
――――――――――――――――――――
碑文は、ちょうど平らな島の中心に位置していた。
それほど大きくないそれは遠目で見ただけでは碑文だと分からなかっただろう。
そしてその碑文には、このように刻まれていた。
『父さんと母さんが死んだ。
僕の世界が大きく削られてしまった。
やったのは、帝国。殺したのは帝国。
許さない。絶対に許さない。
何があっても、どんな手段を使っても、必ず潰す。
大切なものを僕達から奪った帝国に、必ず報いを受けさせてやる。
父さん、母さん、僕はあなた達二人を愛してる。
世界で誰よりも愛してる。
そして、僕の愛すべき家族よ。
僕は君達も愛してる。
世界で誰よりも愛してる。
愛してる。君達を、心の底から。
例えこれから先、幾星霜の年月が経とうとも、この想いだけは変わらない。
僕の目を通せば、この世の全てが君達の前に霞んでしまうだろう。
愛すべき僕の家族よ。愛すべき僕の家族よ。
君達は僕のことを忘れてしまうだろうけど、僕は君達のことを忘れない。
そしてここに刻もう。
君達の幸せの為の……僕の覚悟を。
君達の為なら、僕は―――さえ捨ててみせる』
最後の文だけ、掠れて読むことが出来なかったが、それ以外は案外楽に読むことが出来た。
「これは……一体何なのでしょう?」
「察するに……この村が帝国に滅ぼされた後、生き残りが立てたものでしょうね」
「なんつーか、よ。
帝国の被害者の気持ちを代弁したような文だよ、な」
このご時世、この碑文にかかれてある状況は実際よくあることだ。
一族の皆殺し、愛する者達との惜別。
そして抱く……帝国への復讐心。
ありきたりではないが、よく見かける悲劇……だからこそ、読む者の心を強く揺さぶった。
「でも……何だかちょっと哀しいのです」
エルはその陶磁器のような指で石碑の文字をなぞる。
「僕は……帝国が出てくる前から両親が居なくて、兄弟も居なかったですから――この石碑の方の気持ちは分からないのです。
でも、残っている家族がいるのに……こんなに復讐に固執するなんて――」
瞳を潤ませ、俯き加減になるエルの頭に、クレアはそっと手を置いた。
「……そうね、復讐は何も生まないわ。
だからこそ、私達は〝未来〟を勝ち取るために戦ってる。
こんな哀しい人を、これ以上作らないように……ね」
クレアは清涼系のフェロモンをエルに浴びせかける。
ミントのような爽やかな刺激をエルに与え、少し沈んだエルの気持ちを持ち上げる為だ。
「そう……ですね、そうなのです。
僕達は、これから頑張っていくのです!」
「その意気よ、エルちゃん」
目論見通りに元気を出すエル。
そして、エルが前向きな気持ちに切り替わったところで、クレアはそろそろこの島での仕事に取りかかろうと思った。
「よし、じゃあ拠点作り、始めましょうか!」
「はいなのです!」 「おーよ!」
三人は、自分達の部下の元へ向かい、これからの拠点建設計画を相談する。
何せ、約七万もの人の生活空間を作らなければならないのだ。
やることは、山のようにある。
高い高い空、少し太陽に近いこの浮遊島で、反乱軍カルミアもまた一歩、前進するのだった。