第四十話―皆のことなんてどうでもいい!!!
「やぁっと見つけたで………! なぁ……!! 小人族の面汚し!!
逃げ出した報いはキッチリ受けてもらうからな!!」
「エレナ……お前……何でここに……」
「ここにおる理由やと? そんなもん決まってるやろーが。ウチら小人族が動く理由は、ウチらの目的は、いついかなる時でも常に一つ……
〝遥かなる魔具の高み〟へ行くためや!」
「まさかお前が……ワイのメモを……!」
「お前が途中で投げ出した魔具をウチが完成させたっただけや。
感謝せぇよ。
これでウチらはまた一歩、〝遥かなる魔具の高み〟に近付けたんやからな!」
「何が魔具や……! あんなもんが魔具なわけあるか!!!
……人間やぞ……? お前が今まで手にかけてきたんは! 全部生きてる人間やぞ!」
「魔具は時代を経るにつれて形を変え、進化していくもんや。いつか人型のモンが出来たっておかしないやろ。
生きてる人間……?
それがどうした!!
ウチらはどんな手段を使おうと!
どんだけ人を殺そうと!!
〝遥かなる魔具の高み〟を目指し続ける種族や!
それが〝ドンドンの遺志〟や!!!!!
お前は〝ドンドンの遺志〟に反して逃げ出した裏切り者や。里の何人かは逃がせって言うとるけどな……クソ喰らえや。きっちりウチが〝始末〟したる!! 往生せぇこんボケがぁ!!!」
憎しみ。
いや、きっともっと別の感情だ。
強いて言うなら……怨念。
ジャックを罵るエレナは小人族に脈々と受け継がれてきた怨念に取り憑かれているようだった。
すっかり小人族らしくなってしまったエレナに対してジャックは拳を強く握る。
「何が〝ドンドンの遺志〟や……!!
何が〝遥かなる魔具の高み〟や……!!
一族の悲願やから……〝ドンドンの遺志〟やから……〝遥かなる魔具の高み〟にいく為やから……
長い……長い年月の間に歪められたそんな妄執に……何もかも捧げて……
ただ一族の奴等に言われるまま〝遥かなる魔具の高み〟にいく為に魔具を作る。
そんな魔具が……そんな魔具に……
何の価値があるって言うんや!!!!!
そんな言われるがまま、流されるままの〝人形〟みたいな心で……魂込めた魔具なんか作れるか!!!
今の小人族こそ!!
今のお前こそ!!
よっぽど〝ドンドンの遺志〟に反してるわ!!!!!」
「裏切り者の分際で偉大なる〝ドンドン〟を語るんやない!!!」
「裏切ったから何や!!
ワイは〝ジャック・ドンドン〟!!
先祖のことを語る権利ぐらい持っとるわ!」
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れええっ!!
お前なんかさっさとコイツに殺されてまえっ!!!」
エレナが自身の座っていた棺の蓋を乱暴に開ける。
するとそこには死んでいるかのように身動き一つしない、鎖でがんじがらめにされた第九部隊長ウィルの姿があった。
美しかった金髪は見る影もなく、頬は痩せこけ、身体の所々に亀の甲羅の破片らしきものが貼り付けられている。
同時に何のものとも知れない土色の尻尾に、要所要所の甲羅を結ぶ尻尾と同じ土色の皮膚。
明らかに……実験がなされた後であった。
「なっ! “ガルガードル”に“オニマジロ”やと!!?」
「あれが……ウィル?」
「さぁ、お前ら! ウチの作った〝魔具〟に……殺されてまえ!!」
エレナがウィルを縛る鎖を解こうと手を伸ばす。
しかし、そこでエレナにとって予想外の邪魔が入ることとなる。
「何のつもりや? お前……!!」
自分の手を掴む小さな手を見た後、エレナは呟いた。底冷えするような声で問うた相手は……スミレだった。
「止まって。あなたは自分の仕事を見失ってる」
「あぁん!? お前に何が分かるっていうねん!?
引きこもりの〝道具〟風情が!!」
「あなたは私の監視。私情に流されないで」
スミレの言葉に一瞬言葉を詰まらせるエレナ。
しかし、すぐに憤怒の表情を向ける。
「まぁた【未来予知】か……!! あーそうかい!! やったら証明してみせろや!!
お前がウチらの味方やってことをなぁ!」
「初めから……そのつもり」
スミレがエレナの腕から手を離し、ゆっくりと……ジャックらの方を向く。
ここに来て、ジャックも本来の目的を思い出す。
エレナに向けていた注意をスミレに向けた。
リュウセイも、ユナも、緊張した面持ちでスミレを見る。
そんな三人の目に飛び込んできたのは、何の表情も浮かべない、無表情の少女の顔だった。
ザフラの言う通り、変わり果ててしまっているスミレに、ジャックとリュウセイは少なくない驚きを受ける。
「久しぶり。ジャックおにいちゃん」
「スミレちゃん……」
発せられるのはほとんど抑揚のない無機質な声。
喜びも……悲しみすらないその声にますますジャックは衝撃を受ける。
「ザフラから……聞いたで……」
「そう、それで?」
「っ……!!」
「ジャックおにいちゃん達は、私が本当に裏切ったのか確かめに来た。
でしょ?
何でも聞くといいよ。
そこの二人でもいい。気になったことがあったらすぐに質問して。
限界まで……答えてあげるから」
エレナと話していた時よりかは幾分喋り方は柔らかくなり、昔のスミレに少しだけ近くなった。
だが、変わらず言葉に感情は込もっておらず、気持ちの悪い違和感がジャックの中を駆け巡る。
「……部隊長になるっていうんは……ほんまなんか……?」
「うん、事実。
……先に言わせて貰うけど、私が部隊長になることは反乱軍の皆を守ろうだとか、この帝国実験場から皆を逃がすための作戦だとか、そんな理由じゃないよ。
その可能性を願って来たのなら……見当違いだから。
そんなありもしない可能性は……早く棄ててね」
消える。
ジャックや、反乱軍の皆が心の内に抱いていた望みが……消える。
もちろん、これも嘘だと言う可能性はある。
だが、そんな可能性を感じさせないくらいに、スミレの声は冷たかった。
「何でや……何で……そないなことすんねん……部隊長になることに……何の意味があんねん……」
「聞いてないの? 私の命のため……それと……
私の……自由のため」
「それが一体どういうことか……説明してや。
命やとか、自由やとか……ワイには何のことか……」
「命については簡単よ。私、毒を盛られてるの。
定期的に処置を施されないと……私は死んじゃう。
だから、部隊長になったらその毒を完全に解毒してもらう。
私の命は……帝国の手から、私に戻ることになるの」
「自由は……自由は……どないやねん」
「自由……ね。
私はね、もう疲れちゃったの。
皆の〝未来〟を守ることに。
考えてもみてよ。私、まだ十一歳だよ?
そんな子供にさ……反乱軍の皆がこれ以上死なないように……
何度も……何度も……何度も何度も何度も………何度も……何度も何度も………何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も…………
【未来予知】させて
何回も
何回も
何回も
目の前で皆が殺されるのを見させて
ダメだったらやり直して、何度も何度もやり直して……繰り返して……〝最良の未来〟を選ばせる。
酷だと思わない?
その〝最良〟が……例え誰かを切り捨てる選択でも
例え……目の前で親しかった人が嬲られても
助けてっ! 見捨てないでっ!……って叫ばれても
選ばなくちゃいけなかった。
選べた時は……まだ良かったかもね。
誰かが死ぬ一方で、誰かが助かったから。
どうにもならずに……誰の犠牲になるわけでもなく……死んでいく人も……多かった。
【未来予知】をしても、私は何もできずに……死んじゃう人がいた。
毒で苦しみながら死んでいく人もいた
私を助けようと乗り込んでやられる人もいた
帝国兵になりすまして……今……ジャックおにいちゃんが立っているその場所で……真っ二つにされた人も……いた
その度に私は謝るの
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
って。
無力感に押し潰されそうになる。
一体どれが現実で、どれが〝未来〟なのかも分からなくなって。
希望なんて見えなくて、延々と繰り返される絶望を見続けて……
怖くて、苦しくって……
そんな毎日。
心がね……すり減ってくの。
二年間、ずっとずっと……私は〝命の選択〟をし続けた。
そんなの……もう……耐えられない。
〝重い〟の。
命が
どうせ皆いつか死ぬ。
だったら……もう、全部捨てて楽になりたい。
全部投げ出して自由になりたい。
この帝国実験場に縛られる生活は嫌。皆に縛られる生活は嫌。
もっと広い世界で私は自由に生きたいの。
そのためなら、なんだってするよ」
誰も……何も言えなかった。
こんな話をしている間も……スミレは無表情を貫き通した。
いや、そうでもしないともう心が耐えられないと、そう主張しているようにジャックたちには写った。
スミレの二年間の戦い。
それはこの少女にとってどんなものであったのか……理解出来てしまった。
「スミレちゃんは……スミレちゃんはそれで……“自由”になれんのか?
ワイらの命を踏み台にして、手にいれた“自由”が……ほんまにスミレちゃんが望んだモンなんか?
ワイらを見捨てることが“自由”なんか……?
そんなわけ……ないよな……?」
絞り出すように声を出すジャック。
それは……スミレの良心に訴えかけるものだった。
そしてそれはもはや……スミレが敵かどうかの確認ではなく、スミレを説得するものだった。
「説得は無駄だよ。ジャックおにいちゃん」
「っ……!!」
「私の気持ちは何があっても絶対に変わらない。
皆のことが大好きだった“スミレ”はもう居ない
今の“私”はどんなことをしても、自分の命と自由を勝ち取りたい……そんな女なの。
望んだ“自由”?
違うよ。望める“選択肢”なんてない。
限られた“選択肢”の中で、私は私の〝最良の未来〟を選ぶだけ。
その過程で皆が死んでも、どうせいつか死ぬから……皆の命を踏み台にしようと、私は何とも思わない」
無感情
無表情
口がただひたすら機械のように言葉を紡ぎ、音を発する。
ただそれだけのことのはずなのに、その言葉はジャックの心を強く打ち抜いた。
「そん……な……」
膝を付き、呆然とした表情でスミレを見つめるジャック。
もう……ジャックに質問を続ける気力は残っていなかった。
「一つ……いいですか」
口を開けたのは、ユナだった。
今までジャックとエレナの……ジャックとスミレの言い合いを静観していたユナ。
しかし、ジャックが折れたことを切っ掛けに……ユナは一歩前に出た。
「どうぞ、どんな質問でも……答えてあげる」
「ありがとうございます。
……スミレちゃん、あなたにとって反乱軍の皆さんって一体何なんですか。
反乱軍の皆さんに聞いても、一番反乱軍を愛していた、大切に思っていた。
そんな答えばっかりなんです。
あなたの口から……あなたの気持ちを聞きたいです」
ぐっ、と瞳に力を込めて、スミレを見るユナ。真剣な眼差しがスミレを射ぬく。
「確かに……私は反乱軍の皆が大好きだったよ。
私には……それしか無かったから。
物心ついたとき私の横にはおじいちゃんがいた。
優しくて、強くて、自慢のおじいちゃんだった。
いつからか、いや、もしかしたら生まれたときからかな。私は【未来予知】が使えるようになった。
おじいちゃんに話したら喜んでくれた。
『おおう、何という素晴らしい!!
ワシのスミレはやはり、通り一辺倒の子供では無かったか! その見目麗しい見た目からただものではないと思っておったが……』
こんな感じにね。
それが……帝国に露見した。
あんなに怒っているおじいちゃんを見るのは初めてだったな……。
それから、私の〝世界〟は広がった。
初めにディアスおじさんがやって来て、それからいっぱいいっぱい人がやって来た。
ザフラおねえちゃん、クレアおねえさん、エルちゃん……
最後にはジャックおにいちゃんも。
私に、守りたいものが出来た。
おじいちゃんと私しかなかった世界が広がった。
その世界が……その場所が……私は大好きだった。
私は皆を守れるように【未来予知】を使いたかった。
おじいちゃんにそれを言ったら……ちょっと考え込んで私に言った。
『敵の配置、敵の作戦、それをワシに教えてくれんか。それだけで十分じゃ』
私はそれに従った。
【未来予知】で経験したことを、おじいちゃんに話した。
それだけなのに、おじいちゃんは私の作戦のおかげで勝つことが出来たって誉めてくれた。
嬉しかったの。皆の役に立つことが。
それでも……終わりは来た。
少しずつ……少しずつ……
反乱軍の数は減っていって……とうとう……
撤退戦。
私たちが……負けた戦い。
私の〝世界〟は……そこで壊れた。
ジャックおにいちゃん、おじいちゃんが……そこで居なくなった。
実験場に来てからも……〝世界〟は崩壊を続けた。
もう……皆が助かる〝未来〟はない。
だから、もうどうでもいいの。
皆のことは大好きだった。
でも……その皆はもういない。
いなくなる
だから、どうでもいい。
死んじゃった……死んじゃう人のことなんてどうでもいい」
「それが……あなたの答え……ですか」
「不満?」
「いいえ……」
ユナは黙ってしまう。
しかし、目線はスミレから反らされていない。
スミレを見つめるユナの目に浮かぶのは……
「同情なの?」
「いいえ……」
「だったら……何?」
「……分からないです。
わたしのこの気持ちが……何なのか」
心苦しそうにユナはそう言う。
自分の気持ちが……言葉に出来ない。
伝えたい思いが……口から出てこない。
そんなもどかしさに耐え難くなったのか、ユナはスミレを見るのを止め、俯いてしまった。
「そう……やっぱりあなたは……そう言うのね……」
スミレはやっぱり、というような反応だった。
この会話を……スミレは何回繰り返したのだろうか。
「【未来予知】ですか?」
「ええ、どの〝未来〟でも、あなたはそう答えたわ」
「ここまで……出てるんです……でも……何か……何かが……」
「「邪魔をしているんです」」
スミレがユナの言葉に被せ、ユナは驚いた顔になる。
スミレは変わらず、無表情だった。
「決まりきった〝未来〟
変えられない〝未来〟
その苦しみは……誰にも分からない。
誰が、何と言おうと、私は私の考えを曲げたりしない」
スミレの言葉が三人の心を打つ。
自分の言葉に何の疑いも持っていない機械的な言葉。
自分達の言葉が……届かない。
淡々と質問に答え、次々と可能性を潰されて、スミレの言葉にどこか穴がないか必死で頭を回すけれど……そんなものはどこにもなく、スミレが敵だという認識を……もう認めるしか……ジャック達は出来なかった。
一人を除いて
「認めねぇぞ………!!!!」
リュウセイだ。
拳が震えるほど強く握りしめ、歯軋りの音がするほど、強く噛み、目は鋭く……スミレを睨み付けていた。
「俺は絶対にお前が敵だなんて認めねぇぞ!!
お前が何を言おうと関係ねぇ!!
どれだけ理屈こねようと知ったことか!!
そんなもんは……全部嘘だ!!
そんな気持ち悪い無表情の〝仮面〟引っ提げて吐かれる言葉なんざ信用出来るか!!
お前の本質はそうじゃねぇだろっ!!!」
猛る。
叫ぶ。
熱く、部屋に響き渡るリュウセイの声。スミレの声とは別の意味でジャック達の心を打つ。
「そうや……!!
そんなもんはスミレちゃんの本質やない……!!!
何で気が付かんかったんや………操られてる可能性やってあるやないか!!
毒を盛られてんねやったら精神操作系の【能力】やって受けてるかも知れへんやん!!
【洗脳】なら……長い時間をかけたら機械人間やって作れる!!無表情なスミレちゃんにも理由がつく!!」
無感情、無表情のスミレを見て、精神操作系【洗脳】を受けてる可能性を見出だしたジャック。
精神操作系の【能力】は多くの場合感情が欠落する類のものが多い。
その最たるものが【洗脳】だ。
感情を封じ込め、掛けた者のいいなりにさせる【能力】
それがスミレに掛けられているとジャックは言うのだ。
リュウセイはすぐにそれに賛同した。
ここに来て見えた可能性。
それは自分達を納得させる光に見えた。
………スミレにとっても
「じゃあ私が感情を見せたら、ジャックおにいちゃんは私が敵だって認めるんだね?」
え……?
三人の顔がその形で固まる。
そしてスミレは……
「あは」
笑う。
「あはは」
笑う。
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!」
笑う。 笑う。 笑う。
可笑しくて仕方がない。そんな風に。
〝仮面〟を脱ぎ捨てたように。
「ばっかじゃないの」
首を傾け、口角を限界まで引き上げたスミレが笑う。
「【洗脳】だって!?
そんな単純な精神操作に私がやられるわけないじゃん!!
信じたくないからってそれはどうなの!?
どうでもいいって言ったじゃん!!
聞いてなかったの!?
じゃあもう一回言ってあげるね!!
どうでもいい!!!
皆の命なんてどうでもいいの!!!!」
怖い、エレナはそう思った。
日頃感じていた拭いされない不快感。
スミレに感じる苦手意識。
それが一気に吹き出した。
分からない。読めない。
こいつは反乱軍のことを何よりも大切に考えていたハズだ。
それが今はどうだ。
初めて見るスミレの笑顔、今なお、あははははは……と壊れた玩具のように笑うスミレ。
狂ってる。
鳥肌が止まらない。
――そうか、やからか……ウチがこいつのことが苦手なんは……こいつが……狂っとるからや。
殴られても脅されても全く変わらない表情
簡単にかつての仲間を売るその考え
あの時のザフラを見る無機質な目
【毒焔】を何の気なしに摂取する姿勢
そんでこの止まらない高笑い
全部全部狂っとる。
普通やない………!!―――
「――ははははははははははははははははははははははははは………
ねぇ、いーこと教えてあげよーか?」
絶句して何も言うことができない三人にスミレは笑いかける。
「おじいちゃんがカルト山にいるって………第一部隊長トイフェルに教えたの……私なんだ」
「な……っ!!」
「なんやて………!?」
「まさか……っ!?」
スミレが追い討ちをかける。
思考が停止し、リュウセイの腕が力なくだらん、と宙を泳ぐ。
それを……スミレは見逃さなかった。
「隙あり」
スミレのチョーカーから一瞬の内に闇で出来た刀が具現化する。
舞うような軽やかな踏み込みでスミレはリュウセイに接近、回転するように刀を振るう。
その闇の刀の切っ先がリュウセイの首筋に――