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CAIL~英雄の歩んだ軌跡~  作者: こしあん
第五章〜ノゾムセカイ〜
142/157

第百三十八話ー鬼が育てた花の名は……

 



 スミレの第二撃は空を切り裂いた。ボロ布のような黒フードを着たテスタロッサが柔らかな身のこなしでスミレの刀から逃れたのだ。半月形をしたテーブルの弦の奥、戦場の様子がモニターされたスクリーンの前にテスタロッサが降り立つ。落ち窪んだ眼孔。粘膜が乾ききってしまった――そう錯覚するほど見開かれ、閉じられることのない不気味な瞳がスミレの姿を写す。



「ルルルルルーーお見事、と言っておきましょうか。若き反乱軍の総大将殿」



 テスタロッサは短刀をボロ布の内側にしまい、ぱち、ぱち、ぱちと乾いた拍手をする。不揃いな歯の隙間から溢れる、中性的な声。鈴音のように小さく、されどしっかりと耳に届くその声に対し、スミレは剣先を向けることで応える。


 

「不愉快な自信……。どんな策があるのか知らないけれど、この場から逃げられると思わないことね」



 雪駄のような履物で、スミレは踏み込む。右に小太刀、左に太刀の二刀流。魔力を足場に、三次元の動きでスミレは一気に間合いを詰める!



「ルルルル――策など、ありませんよ」



 空を飛び回るスミレの視界が、見開かれ、乾いた眼でいっぱいに埋まる。目と目が触れ合うほどの接近。太刀を振るう隙間もない超近接の間合い。スミレは即座に闇の刀を手放し、脇腹を狙ったテスタロッサの短刀を拳で弾いた。



「ルル――素晴らしい判断です」


「貴女に褒められたところで微塵も嬉しくないわね」



 間髪入れずに放たれた……振り上げるようなテスタロッサの蹴り。靴の先には刀が仕込まれており、人間の肌など容易に貫くだろう。

しかし、スミレは全く動揺せずに闇を具現化させて脚に纏わせ、刃先を踏み台にして後方へ跳んだ。



「軍師、という割にはそこそこ戦えるのね」


「ルルルル――そもそも、軍師という前提が間違っているのですよ。私は一度も己のことを軍師だと思ったことはありません。軍師は、どこぞの誰かが嘯いた他称です。私は私の使命を果たそうと尽力しただけ。その結果、周囲の人たちが私のことを軍師と呼ぶようになったのですよ、ルルル」


「使命?」


「ルル、そうです。使命です。生きる意味、行動原理、様々な言い方が可能ですが、使命と呼ぶのが適当でしょう。少々迂遠な物言いをしましたね。単刀直入に言いますと、私の使命とは――殺すことです。

より多く、より大量の命を奪うこと。その為の手段として、戦争という場が適していて、私は人を殺すために行動した……ただ、それだけなのですよ、ルルルルル」



 喜色の笑み染みた表情を浮かべるテスタロッサに、スミレは拳を握り、険しい顔で彼女を睨む。



「それが貴女が……帝国にいる理由?」


「ルルルル――肯定しましょう。帝国にいた方が……たくさん人を殺せますから」


「……そう。下らない理由ね。聞かなければ良かった」


「ルルル――悲しいことですね。ですが、貴女に興味が無くとも、私は聞いて欲しいのですよ。他の誰でもない、貴女に。


 “鬼”の跡を継ぐ……私の話を、ね」


「っ」



 僅かに、スミレの顔に動揺の顔が浮かんだ。“鬼”……そう呼ばれる、呼ばれた人間は……この大陸の歴史で唯一人。


 赤子を喰らい、血に取り憑かれ、闇雲に人を殺して回った……超人族(ハイヒューマン)

スミレの義祖父――ゲンスイのみだ。



「ルルッ、ルルルル――。私は“鬼”を継ぐ者。捨て子の谷で血を啜り、這いあがった……超人族ハイヒューマン。遍く命を奪い尽くす――“鬼”!」



 孤児が纏うようなボロ布の内側に手を入れ、暗色の仕込み靴でテスタロッサは床を蹴った。スミレは脇構えを取った彼女の手に一振りの刃物を確認。首のチョーカーに手を置き、闇の小太刀を両手に顕現させてテスタロッサを空中で迎え撃つ。



「あの方は――ゲンスイ様は私に教えてくださった。“鬼”とは、殺す為に在るのだと。他者を殺し、殺し、殺し尽くすことこそ、本分なのだと!

血こそ、快感! 命の感触こそ、生の実感! 死の味こそ! 甘美なる充足なのです! ルルルルルッル――!」


「……」


「ルルル――そしてゲンスイ様の教え通りに人を殺して回っているとき、気づいたのです! ゲンスイ様も私と同じ水属性の魔力を持っているということに! そして世間に超人族ハイヒューマンがいないことに! ルルルルルル! その事実に気がついた時! 脳髄が震えました! 殺しの快感をも上回る全身が隈なく絶頂する感覚! ルルッ! るるるっるううルル! 直感したのです! 私はゲンスイ様の娘なのだと!」


「……」


「なれば! なればこそ! 殺さねばならない! より多く! 多くの命を奪わねばならない! 私はゲンスイ様の娘なのだから! 血の繋がった、正真正銘本物の娘なのだから! 貴女のような拾い子ではない、“鬼”の血を引く女なのだから! ルルルルルルルゥルル!!」」



 魔力を足場に、二人は激しく刀をぶつけ合う。浮浪人の如き風体のテスタロッサからは考えられないほど荒々しく、苛烈な剣戟。全身のあらゆる場所に仕込んだ多種多様の刃物を巧みに操り、攻める。

対して、スミレの動きは滑らかで、静かだ。新たに生み出した闇の小太刀二振りを自在に操り、テスタロッサの猛攻を捌ききっている。


 表情筋を……ピクリとも動かさないままに。


 スミレは黙って、機械のように的確に、かつ正確に身体を動かしながらテスタロッサの話を聞いていた。



「ルルル--そして殺しますよ、貴女も。血が繋がっていないにも関わらず、不遜にもゲンスイ様の後継を騙る貴女は! 私が! この手で! 殺さねばならないのです!」



 脇構えに刀を構えたテスタロッサの腕が……消失する(・・・・)

部屋の隅で傍観していたサテラやヴァレインは息を呑んだ。消えたのだ。文字通り、彼女の両腕が……手にした刀諸共。肩から先が竜にでも食い千切られてしまったかのように。消えたのだ。


 

「脇構え……両腕を後方に、剣先を下げ、自身の肉体で刀剣を隠して間合いを悟らせない剣術の基本的な構えの一つ」



 スミレは向かってくる腕の無いテスタロッサに無機質な視線を向け、静かに喉を震わせる。淀みない紫紺の瞳がテスタロッサの挙動を余さずに捉えると、スミレは左の小太刀を逆手に持ち替え、右の小太刀を正中線に構えた。



「重ねることの、【認識阻害】。ミストリーレオンの【能力】。どうせ帝国お得意の改造手術を受けたのでしょう。【能力】発動の際に魔法を一切使えないという制限はあるけれど、他者に一切認識されない隠密系の最高峰の【能力】ね。ずっとこの部屋に潜んで、作戦司令を出していたのにも関わらず、私たちが気付けなかった原因の【能力】」



 けれど……


 脇構えのまま突っ込んでくるテスタロッサ。スミレは愚直な彼女を逆説の言葉で見下しつつ、逆手に構えた左の小太刀で己の身体を守る。



「雑な剣筋――見えてるわよ、貴女の剣」



 キィン! という甲高い金属音。見えない筈の攻撃を事も無げに防がれ、テスタロッサの開いた瞳が、動揺でさらに見開かれる。



「ルルッ――!?」


「双葉流・草の舞・鷺草(さぎぐさ)



 咄嗟に後方へ跳んだテスタロッサを、スミレは追撃。高速で動きつつ三次元の全方向から攻撃を開始する。スミレの動いた軌跡は……正確な球体を示していた。架空の球体の外縁を俊敏に動き回り、己に有利なタイミング、間合いで攻撃する。テスタロッサを中心にし、華麗な連撃でその場に釘付けにする。拙く攻撃を防ぐテスタロッサをよそに、スミレの動きはまるで舞踊のようだった。


 これがゲンスイがスミレに与えた剣術――実戦に傾倒した四の剣舞の一つ! 双葉流・草の舞!



「型も無い……凶暴なだけの剣。そんなお子様のお遊戯(・・・・・・・)じゃ、私に傷一つ付けられない。


 狂人の相手ほど無駄なことは無いわ。

貴女の戯言は聞くに耐えない。貴女の剣も取るに足らない。――双葉流・種の舞・蒲公英(たんぽぽ)


「るルッ!?」



 刀同士がぶつかり合う直前、スミレの闇の刀が雲散霧消する。テスタロッサの攻撃は空を切り裂き、無防備を晒した彼女の肩に、スミレが具現化した闇の脇差が突き刺さった。



「貴女、策が無いと言ったわね。どうせ己の実力で私たちを殺しきれると思っての言葉だったのでしょうけど……読みが甘いわね。


 貴女はここで……終わりよ」



 下げた剣先から、テスタロッサの赤い血が滴る。


 圧倒した。

ほんの数秒、数合の打ち合いで……勝敗は決した。変異(パンドラ)としての異能を一切使うことなく、純粋な技術のみ。ゲンスイより学び、開花させた才能。ただそれだけで、部隊長として確かな実力を持っているテスタロッサを下したのだ。

サテラやヴァレインは驚きからか、目を見開いている。スミレの実力は聞いてはいた。サテラに至っては実験場で実際に目にしてもいる。

しかし、そんなものは片鱗でしかなかったのだ。実験場の時のスミレは衰弱していた。本来の実力など出せるわけもない。それに、彼女の力を比較するに足る相手もいなかった。

詳らかにされるスミレの実力。彼女の背に垣間見えるゲンスイの面影。

凛々しく、強く、美しい。

魅せつけられる強さにサテラたちは高揚し、身体を震わせた。



「るっ、ルルルル――っ!」


「呆気なく……情けない。無様ね、“軍師”テスタロッサ。

つまらない最期を招いた……己の思い上がりを悔いなさい」



 スミレはゆっくりと刀を振り上げる。

刃の先には、浮浪者のようなボロ布を纏い、血を求める狂気のままに生きてきた女。薄汚れた姿は一切同情を誘わず、ただただ、醜い。血に汚れた体躯、全身に仕込んだ人を殺すための武具、それは全て、テスタロッサの罪の証明。殺人という使命を己に課してきた女は振り下ろされる刃を眺め――


 

「私は“鬼”……命を喰らう者。ルる、ルルっル――ルルルルルッ!」



 音節の不明瞭な、彼女特有の叫び。断末魔の如き音を発するテスタロッサは……歪んだ笑みを浮かべていた。刃が彼女に届く寸前……



「きゃあっ!? ちょっと! 何よ! 今度は一体何だっていうの!」


「サテラ殿、冷静になるのだ。動転する前に状況を――」


「私は冷静よ!!」



 浮遊島の、スミレたちが乗る母艦が……揺れた。ずぅううん、という腹の底まで震える唸り。地上でもないのに、地震に見舞われる感覚。その影響でスミレの刃は僅かに逸れ、外れる。命拾いしたテスタロッサはスミレから距離を取り、両手を広げて喉を震わせた。



「ルルルルルルルルルルルルルッ! ようやく合図が来ましたか! 幼き反乱軍のリーダー! 偽りの後継者! 時間切れです! 仕込みは終わりました! ここに私の作戦は完成したのです!!!」



 スミレは大声で喚くテスタロッサを冷めた目で見つめつつ、いつでも攻勢に移れるように構えていた。


 テスタロッサは、懐からスミレたちのものとは形状の異なる通信魔具を取り出し、叫んだ。拡音された声は戦場のそこかしこから溢れ、司令室までもそれは届いた。



『ルルルル――反乱軍に与する龍よ! 帝国を裏切った龍よ! 慄くのです! 貴方たちの大切な子龍は! 一族最期の! たった一匹の子供は! 今再び帝国の手に落ちました! 彼らを生かすも殺すも私の自由です! 種を絶やされたくなければ! 今すぐ帝国に舞い戻り、反乱軍を根絶やしにしなさい!!』



 勝利を確信した歪んだ笑み。テスタロッサはスミレに向き直り、獣のように汚れた歯を剥き出しにして嘲笑する。



「ルルルル――確かに、戦闘力という面では私は貴女に叶わなかったようです。しかし! ルルル――軍を操るという側面において貴女は私に及ばない! すぐに控えさせてある帝国の飛空艇船団が現れ、この母艦を墜とし、我々が制空権を掌握します! ルル――制空権を占有することが勝敗を決定することは、貴女もよくお分かりでしょう!


 我々の陣営には魔具を持った龍たちと帝国飛空挺数十機! 対するカルミアは飛空挺も無い! 貴女たちはなす術もなく蹂躙されるのです!! ルルルルルルルルルルルルル!!」



 スミレは、波風の立たない水面の如き静かな瞳でテスタロッサを見つめていた。彼女の瞳は決して絶望の色を示していない。かといって、希望の色があるわけでもない。


 無。


 まったくの無感情で、スミレは眼前の女を視界に入れる。



「ルル――言葉も出ませんか。まぁ、仕方ないでしょう。たった今、反乱軍の全滅が確定したのですから」



 スミレの表情を勘違いしたテスタロッサが嗜虐的な顔つきで言葉を綴る。ボロ布のマントを翻し、勝利の余韻に浸る彼女は武器さえも懐にしまい込んだ。



「結局……私と貴女の勝敗を分けたのはただ一つ、経験ですよ。人を殺した経験、軍を操った経験、どれもこれも貴女に足りないモノです。ルル――しかし、まだ幼い貴女に経験を求めるのは酷な話です。故に、この結果も必然というワケですよ。

なにせ私は……千の戦場で勝利を収めた“鬼”なのですからねぇ!


 ルルルル――ルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!」



 一際大きく笑うテスタロッサ。後は帝国の飛空挺が到着し次第、【認識阻害】を使ってこの部屋から離脱するだけ。それまでは絶望に沈むスミレを鑑賞しよう――人を殺す“鬼”は醜悪な考えを胸に秘める。



「分かりましたか。ゲンスイ様を――“鬼”を継ぐのは私なのです。私が、あの方の娘。この体に流れる血が! 水属性の魔力が! 超人族(ハイヒューマン)であることが! 後継の証明! 

しかし、貴女には何があるというのでしょう--ルルル、何もありはしません。血も、魔力も、種族も……貴女がゲンスイ様の後継である証明は、何一つ! ありはしないのですよっ!」



 ルルルルルルルルル――と、テスタロッサの笑い声が響く。長く、長く、帝国の飛空挺到着まで続くかというほどの笑い声。戦闘では敗北を喫したが、最終的には相手を殺した者の勝ちだ。高揚する気分に任せ、スミレを見下しながら彼女は喉を震わせ続ける。



「ルルルルルルルルルルルルル――る?」



 テスタロッサの笑顔が、止む。彼女が気づいたのは違和感だった。おかしい。勝利に浸りきることができない、と。………………何かが、何かが……足りない。

こちらの勝利は確定した。それに間違いは無いはずだ。龍たちは我が子可愛さにカルミアを攻撃していて、相当の死傷者が出ているはず――なのに? なのに、そうだ、聞こえない。

甘美な悲鳴が、絶望の声が……どこからも聞こえない。自分は使命を全うしている。命を奪っている。なのに、何故。異常を感じた彼女は背後のモニターに目を向けた。



「るルっ!? 馬鹿な……何故、龍が帝国に付いていないのです!」



 瞳に飛び込んできたのは、先ほどと何ら変わりない戦場。龍は左方で屍龍を相手にしていて、白兵戦が繰り広げれられている戦場。目の前の光景が信じられないテスタロッサは再び通信魔具に電源を入れた。



『ルルルル――龍よ! 何をしているのです! 自らの子供がどうなってもいいと言うのですか!? 虚仮脅(こけおど)しだと思っているなら、その認識を改めてあげましょう! まずは海龍! 貴女の子からです! 天龍と山龍は子龍の断末魔の叫びを聞きながら、どちらに付くのかもう一度よく考えなさい!!』



 テスタロッサは部下への通信を繋ぎ、怒りの形相で沈黙する。今の話は部下にも聞こえたはず。このまま部下の方の通信回線を開いておけば、自ずと海龍の子の断末魔が――



雷炎天龍(・・・・)ルーデンス!!! 

さいこーさいきょーカッチョよく大しょーりなのであぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁるるるるるぅうぅうぅうぅうぅうああああああああっっっ!!!!!!』



 キィィィィィンンンンン!!! 強烈なハウリング音と共にテスタロッサの魔具から、戦場に散らばった通信魔具から、音の爆弾が叩きつけられる。その余りの音量にテスタロッサは魔具を落とし、耳を塞ぐ。

ちなみに、この場のカルミアの面々はテスタロッサが魔具の電源をつけた時から耳を塞いでいる。



『うむ!? スミレ殿からわたされた「まぐ」の「らんぷ」が光っていないのである!? まぁいいのである! 声はでっかくなってるのである! おじぃ様! ルーデンスはおじぃ様とおばぁ様よりあたえられた力をもって! てきをうちほろぼしたのである! 我が雷炎の息吹(ブレス)により! てきはあとかたも! のこっていないのである!!』



 耳を塞いだところで飛び込んでくるルーデウスの声。彼の話を聞き、テスタロッサの顔が血の気を失っていく。ぱくぱくと彼女の口が無音の主張をしたところで、別方向からも雷の如き音の爆弾が飛んできた。



『よぉぉおおおおおおおおおおおくやったのであぁあああああある!!!!!!! ルーデンス!!! 流石は我が孫!!! しかしルーデンス!!!! お前は一つだけ間違っているのである!!!!! お前は敵を滅ぼしたのではない!!!!! 仲間を守ったのである!!!!!! お前はワガハイたち大人の龍が誰一人できなかったことをやってのけたのである!!!!


 誇れ!!!! ルーデンス!!!!!


 守った仲間を!!!!! 己の強さを!!!!!!!!!


 その誇りを!!!!!!! ワガハイ「大人」たちも今度こそ守り抜いてみせるのである!!!!!!!!!!!』



 龍たちは群れを失った。残ったのは、群れの中で最も強い龍とその子のみ。

必死に抗い、戦っても……守れなかった。溢れていった命を悔やみ、己の無力を恥じ、龍たちは今日まで生きてきた。

だから、今度こそ。この戦いでは誰も死なせない。再び与えられた戦いの場所で、龍たちは不屈の闘志が込められた咆哮を上げる。


 そしてそれは……人間も同じだった。


 ヴァルーダスの声に賛同するように、カルミアの人員が雄叫びを上げる。

同じなのだ。人も、龍も。

守れなかったものがあり、守るためにここにいる。幾つもの覚悟の声が重なり合い、うねりを生み、戦場が胎動する。

目の前の敵には絶対に負けない。己に誓った覚悟を燃え上がらせ、一人一人が奮迅する。



「い、一体何が……ら、雷炎天龍? まさか、龍が二属性(デュアル)だなんて、そんな……しかも、今は絶滅した炎龍の魔力……っ、ありえない! る、ルルル!」


「ルーデンスには私たちも驚かされたけどね。まぁ、こうして子龍が狙われることは選択肢の一つとしてあったから、ルーデンスが自衛できる程度の力を持っててくれて助かったわ」


「る……っ! まだ! まだです! 貴女方の飛空挺はもはやこの母艦一機! 帝国軍の総力を以て龍を殺して母艦を落とせば良いだけのこと!」

 


 テスタロッサは戦場に声を響かせた魔具とは別の通信魔具を取り出し、慌ただしい手つきで電源を入れた。



『【ハウンドボイス】部隊! 聞こえていますね!? 中央戦場を放棄し! 全戦力を以て龍を殺しに行きなさい!』


『エル、聞こえるかしら。そちらの戦況はどうなってるの?』

 


 テスタロッサと同時に通信回線を開いていたスミレ。暫く沈黙していたスミレの声にテスタロッサは一瞬身体を竦ませ、怯えた様子を見せたが、すぐに醜悪な笑みを取り戻した。



「ルルルルルッ! 知っていますよ若き総大将。貴女の通信先が、無謀にも戦場に送り込まれた魔具職人部隊だということは。

ルッ、ルルルルル! 貴女も酷なことをする。戦う能力の無い彼らを時間稼ぎのために――」


『こちらエル! たった今指令を出していたと思われる改造人間たちを全てやっつけたのです!』



 司令室に響き渡ったエルの声で、テスタロッサの血の気が引く。元々痩せ細って青白かった彼女の肌から、青までも抜け落ちる。そうしてゆっくりとモニターに目をやると、



「あれは……っ、裏切り者ジャック・ドンドンが乗っていた……っ!? アレは一機だけでは無かったのですか!?」


「よくやったわ、エル。続いて左方の龍たちの援護をしてきて。さしもの龍も、そろそろ疲れが見えるわ」


『了解なのですっ! よし皆! 聞いてましたよね? 魔具職人部隊の傑作を見せつけにいくのです!!』



 エルたち魔具職人部隊は、ジャックが乗り込んでいたものと似ている魔道兵器に乗り込んでいた。魔道兵器ならば、非力な魔具職人たちでも戦うことができる。毒の中も厭わず戦うことができる。己にも戦場を与えられた歓喜の叫び、その残響を残して通信魔具がぶつりと切れた。



「る、ルルルるルルルルル! そのような雑魚! 物量で押し潰せば良いのです! 帝国軍飛空艇各艦隊に告ぐ! 総員出撃! 左方に赴き、戦場に血の雨を降らせなさい!」


「甲板にいるカルミアの兵士たちに告げる。“アイテムボックス”にある飛空挺に乗り込み、展開。左方に向かってくる帝国飛空挺を堕としなさい」


「るるルッ、【空間】の闇魔法……ッ!! ですが、まぁ予想の範疇ですよ。ルルッ! 何度でも堕としてさしあげます。今度はしっかりと当てますからね。対空巨龍砲用意……打て!」



 カルミアの兵士が飛空挺に乗り込み、上空へと飛び出した瞬間、地中からミサイルが飛び出す。ミサイル群は狙い(あやま)たずカルミアの飛空挺に吸い込まれ--



『させませんよ! 【転移(テレポート)】!!』



 闇に、呑み込まれた。ミサイルの軌道上に現れた虚無の暗黒。ミサイルは闇に突っ込み、闇の中を駆ける。一直線に突き進み、見えた出口から外へ飛び出す。するとそこには、自軍の飛空挺がいっぱいに広がっているのだ。全てのミサイルは飛空挺にぶち当たり、そして見事……撃墜させた。数が足りず、全機撃墜とまではいかなかったが、だとしても。


 カルミアの飛空挺が相手取るには、手緩すぎる数しか残っていない。



「ユナさん、ありがとう。続けて悪いのだけど、そのまま中央をお願い。あと、【解毒(アンチポイズン)】を使える吸血鬼族(ヴァンパイア)は左方の戦場に向かってもらえるかしら」


『いえ、こちらこそ遅くなって申し訳ありません。それと、了解しました。わたしたち吸血鬼族(ヴァンパイア)も戦線に参加します! お父さん! この中央戦場は任せます! 【解毒(アンチポイズン)】の血を持った人たちはわたしについてきて下さい!!』



 帝国飛空挺船団に壊滅的な被害をもたらしたのは、ユナ。彼女はハクシャクを下した後、一直線にスミレたちの戦場へと向かっていた。

飛空挺が迎えに来ないのは、向こうで異常があったから。ならば、自力で向かえばいい。彼女の判断は正しく、間一髪、ギリギリのところで間に合った。

さらにユナに従ってここに来た者たちも、それぞれが屈強な戦士たち。彼らの参画は……テスタロッサも無視できない。無視できない、が。



「ルル、るルルルルルる、ルルルルルルルルルルルルルルルルるるルルルル!!!!!」



 かと言って、どうすることもできない。中央に指令を飛ばそうにも、命令伝達の【ハウンドボイス】部隊がやられてしまった。龍も確保できない。毒も意味を成さない。飛空挺船団の殆どが撃墜され、切り札のミサイルはユナがいる限り通じない。もはやテスタロッサに打てる手はない。


 どうしようもなく、誰の目からも明らかに『詰み』だった。


 それを理解したテスタロッサは己の顔面に爪を立て、激しく搔きむしる。錯乱し、意味の分からない声で喚き散らす。狂乱の感情に包まれた彼女はギラついた目でスミレではなく--ヴァレインを捉えた。



「私の使命は…….殺すこと。殺して殺して殺シテ、殺しテ、シテしてシテしてシテシテしてし尽くす……鬼ィ!!!!」



 捉えた標的に向かい、獣じみた動きで彼女は襲いかかる。己の未来が明瞭に見えた鬼は、せめてもの意趣返しにと、この場で一番弱い存在に向かって牙を剥いたのだ。



 が、



「っだらぁ!!!」



 ヴァレインの首元に刃が突き立てられようとしたその時、テスタロッサが乱入してきた者に突き飛ばされる。乱入者はテスタロッサを横っとびのタックルを食らわせた後、不恰好に地に落ちた。

しかし、乱入者は直ぐに、小さな体躯で……ヴァレインを守るように起き上がる。



「この人に手ぇ出しとんちゃうぞテスタロッサ!!! この人を殺したかったらなぁ……まずはワイを殺してからにせぇ!!!」



 乱入してきたのは、ジャック。かつて愛した人の父親を守るべく、彼は最初の放送を聞いてから、自身の怪我を厭わずに医務室からすっ飛んできたのだ。そうは言っても、彼は少しばかり常軌を逸した魔具職人。戦闘の畑では彼は一般人に毛が生えた程度の実力しかない。彼の乱入に動揺を見せたテスタロッサもジャックの強さを見切った途端、乱暴に唾を飛ばした。



「る、ルルルル――貴方ごとき一瞬で肉塊にしてみせますよ!! さぁ、死に――」


「させないわよぅ。そうねぇ。ジャック君を殺しかったらぁ、まずはワ☆タ☆シ。補給部隊隊長ザフラ・アルファロメオを倒してからにしてもらおうかしらぁ」



 明らかに戦力不足なジャックの前に、桃髪の巨人が立つ。ジャック程度なら殺せると踏み出そうとしていたテスタロッサも、武勇を誇るザフラの前では二の足を踏んでしまう。


 

「ルルルるルル――ならばぁっ!」


「さぁーせるワケねーじゃん、テスタロッサ。じょーおーさまに会いたかったら、まずはオレっちを通して貰おうか?」



 振り向き、サテラへ獰猛な視線を向けるテスタロッサ。……その視線を、ジャックたちと共にやってきた妖精(パック)が遮った。



「終わりね、帝国軍第五部隊長“軍師”テスタロッサ・ストラテジー」



 後ずさるテスタロッサにスミレが一歩、歩み寄る。花を模した簡易な着物を揺らし、鮮やかな紫紺の瞳が冷徹に目の前の存在を見据えていた。とても静かな瞳。波風一つない、機械のような無機質な瞳。


 ほんの一握りの油断も隙もないスミレの瞳を――テスタロッサは、恐れた。


 怖い。逃れられない。あの瞳からは……どう足掻いても逃げられない。己の行動が常に見透かされ、先回りされ、逃げ道が次々と塞がれる感覚。

その感覚が……自分が終わる時まで続くのだと、悟った。



「ルルルル――私が! 私が“鬼”の後継なのです! ゲンスイ様の娘なのです! 超人族(ハイヒューマン)で! 水属性で!! 血を好む!!! 命を奪う本能がある!! 貴女には何もない!!! ただの人族(ヒューマン)です!! 魔力は闇で!! 血の繋がりもない!! 貴女はあの人の後継でも孫でも何でもない!!!!」



 襲われる恐怖に抗うべく、テスタロッサは醜く口を開いた。抵抗の様子さえ見せず、動揺を誘うためだけの口撃。

底の知れたテスタロッサを前に、スミレは浅くため息を吐く。


 そして――、



「だから?」



 カルミアの面々でさえ身を竦ませる、ゾッとするほど凍りついた視線をテスタロッサに向けた。



「るっ……ぅ」


「好きにすればいいじゃない。“鬼”を継ぐのも、貴女がお爺ちゃんの娘だ、っていう妄想も。別にそんなものに興味は無いわ。



 ……双葉流・実の舞・冬椿」



 部屋中に、黒刀が顕現する。美しい曲線を描く闇の刀が……上下左右関係無く、壁に、空に、地に、天井に散乱する。部屋のどこを見渡しても、刀、刀、刀。スミレはテスタロッサに近づきつつ、地面に刺さった闇刀を二本、引き抜いた。



「貴女の敗因は……まぁ、たくさんあるけれど。大きく言えば一つよ、テスタロッサ」



 ひゅんひゅんと二回、刀で風を切りつけて……ゆっくりとスミレは足を進める。



「経験」



 にじり寄りながら告げた言葉は、先ほどテスタロッサがスミレに告げた己と自分の差。スミレに足りないものだと嘲ったもの。



「千の戦場を勝った……と、貴方は言っていたけれど。違うでしょ? 貴女は千の勝ち戦(・・・)を勝っただけ。勝って当たり前の戦を勝っただけ」



 吐き捨てるように、スミレは言った。捨てたのは内心の鬱憤……ではなく、本心から漏れ出した怒りだ。



「私は負けたわ。負けて負けて……負け続けた。

でも、最後には勝った。砂粒ほどの奇跡の勝利を掴んで……私はここにいる」



 大切な人を殺された。自分を助けるために殺された。無意味に、無作為に、スミレの大切な人が死んでいく。彼女が囚われていた帝国実験場はそんな地獄の場所だった。

スミレは、誰かの死の未来を回避するために、未来を見続けた。叶わぬこともあった。力が足りないこともあった。その度に思考を重ね、頭を回し、作戦を考えた。


 何度も何度も……未来で、スミレは戦場を経験した。



「私と貴女では経験の質が違う。

万の戦場を負け、百の勝利を掴んでから……出直してきなさい」



 そんな星の数ほどの経験は……スミレの中のある才能を開花させた。

相手の一の行動から十の行動が分かる理解力。一つの考えに囚われず、柔軟に対応できる即応力。対軍戦における先見の明。大局を見るチカラ。


 “軍師”としての圧倒的才能。


 【未来予知】などに頼らずとも、スミレは戦場における最適解を直観で選ぶことができる。相手の行動を予測し、先読みする先見の明に長けている。

仲間を守るために、一人でも生存者を増やすために……帝国の襲撃の度に、スミレは経験を積んだ。一度の襲撃で……数百、千もの経験を積んでいった。

帝国は知らず知らずのうちに…………スミレの才能という、開けてはならないパンドラの箱を開けてしまっていたのだ。



「る、ルルルルルぁっああああッ!!!」



 じっ、と己を見つめるスミレの視線。テスタロッサは己の全てを見透かすようなそれに耐えられず、奇声をあげながらスミレに襲いかかった。


 しかし、その剣線はスミレに届かない。空に浮遊する闇刀の一本が、テスタロッサの剣の軌道を阻害したのだ。

次いで目に飛び込んできたのは、己に向かう闇刀の刃。視界いっぱいに広がる一筋の黒。



「る、ぅうウうるるルルゥッルるルル!!」



 間一髪。テスタロッサは懐に潜ませていた短刀で防御することができた。

が、刀を振るったはずのスミレがそこにいない。あるのはただ、空に浮かんだ闇の刀が一振りだけ。



「な!? ど、どこに……ィ!?」



 背後から訪れる殺気。反射で振り向き、防御。

そこにあるのは……振るう主無き闇刀。



「また刀だけ……! どこにいるのですか! 偽物!! 偽物!! 偽物ォ!!!」



 殺気を感じる。防御する。刀だけが空に浮かぶ。殺気を感じる。防御する。刀だけが空に浮かぶ。殺気。防御。刀。殺気。防御。刀。殺気。防御。殺気。防御。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。殺気。



「お前は偽物だ……! 私が、ゲンスイ様の娘の、超人族(ハイヒューマン)なのです……っ。水の魔力もあの方と一緒で、谷に捨てられていたのもあの方と一緒。血を好むのも一緒で、証。証なのです。私には証がある。この体の全てが証。あの方の後継である……“鬼”の……」



 スミレのとめどない連撃に、テスタロッサの語気が弱まる。どこを向いても背後から刀が迫ってくる恐怖。姿の見えない敵。じりじりと己に迫ってくる死の気配。精神的に追い詰められた彼女の口から、縋るような言葉が紡がれていく。

それは、己がゲンスイの娘である証拠を羅列するだけの戯言。意味のない、事実無根の虚言。テスタロッサは自らの妄言を真実とし、最後の最後まで“鬼”の後継であろうとした。


 

「“鬼”は確かにいたけれど、それはお爺ちゃんじゃない。お爺ちゃんは……“人間”よ」



 テスタロッサの耳に、スミレの声だけが届く。音の根源を探るべく振り返っても、あるのは無人を主とする闇刀のみ。



「証なんて必要ないわ。そんなものが一つも無くたって……私はちっとも怖くない。

--それだけの愛を、私は受け取っているもの」



 防ぐ。防ぐ。防げている。なのに、首筋が酷く冷たい、鎌が当てられているような不気味な冷感が絶えない。テスタロッサは金切り声を上げながら死に物狂いで刀を振るっていた。



「だから――貴女の言葉はちっとも私に響かない。

生き損なった新しい“鬼”には……ここで退場してもらいましょう」



 ぱん。

という乾いた柏手。甲高い金属音ばかりが断続的に響く中で、掌を打ち合わせる音は不思議なほど明瞭に耳に届いた。

自然、テスタロッサは音の方を振り向く。


 そこには……無手で立つスミレの姿。



「ルルルルるルルるルルルルルるるるルル!!!」



 ようやくスミレの姿を視界に捉えたテスタロッサ。己の死の未来を斬り払うため、彼女は死力を振り絞って刀を振り抜いた。全身全霊の……後先を考えない大振りの一太刀がスミレの首に向かい――



「おーにさぁーんこーちら……」



 なんの抵抗も無く、スミレの首が跳ぶ。それはスミレからの反撃という意味であり、切った時の手応えという意味でもある。空に跳ね飛ばされるスミレの首が笑う。血の一雫たりとも零すことなく、テスタロッサの耳に次なる言葉が届いた。



 手ーの鳴ぁーるほーうへ



「双葉流・花の舞・(スミレ)――!」



 反転していく視界。己の身体が血溜まりに沈むのを目の当たりにする。それを為したスミレの手には……美しい白色の刀剣が握られていた。


 その刀の銘は……幻海。


 ゲンスイの使っていた刀にして、幻を自在に操る刀。いったい何時から幻の中にいたのか、何時から彼女の手の上で踊っていたのか……テスタロッサは死の瞬間まで理解することができなかった。


 そう……一重に彼女の経験が足りなかった故に、だ。



「私は後継になんてならなくていい。そんなの、堅苦しくて敵わないわ。

私とお爺ちゃんの関係は……祖父と孫。それだけでいい。それだけで、十分。私はそれだけで--」



 戦闘を終えて、呟いたスミレの言葉。彼女の口にした関係は、最期の最期でゲンスイが望んだ関係だった。

剣聖の孫でも、反乱軍の後継でも、ましてや二代目の鬼でもない。

修飾無き……ただの祖父と孫の関係。その関係になれたかどうか。その答えはじんわりと暖かい熱を帯びてスミレの中にあった。



 これより、戦場は瞬く間に収束していく。司令官を失った烏合の帝国軍など、制空権を占有したカルミアの敵ではない。残る戦場はあと二つ。スミレはその内の一つを想い、幻海の柄頭を撫でる。



 反乱軍の通りすぎた空で静かに……されど激しく、雷光が迸った。

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