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ボーダー  作者: きぃ
つぼみ
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中学入学式

……レンこと宝月 蓮太郎がN・Yへ旅立って1週間。


何の連絡もない。


…今日、地元の中学の入学式なんだよ?


「おめでとう」の一言くらい、欲しいよ…。


「忙しいんだろ。」


ミツのその一言と、彼と同じクラスだって事実に救われた。


うじうじしてても仕方ないっ!

前向きに過ごそっ♪



友達、出来るかな?



こー見えて、私、人見知りなんだよね…(汗)



ガラっ。


教室の扉を開けると、近寄りがたい暗~いオーラの集団…


先が思いやられるわ。


とりあえず、席に付く。



すると、後ろから遠慮がちに肩を叩かれた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


見覚えのある白い肌。

そして、向日葵みたいな笑顔。


間違いない。


魔導学校の頃、私をパソコンのチャットで中傷していたグループのリーダー。


……霧生菜々(きりゅうななみ)


この出来事がキッカケで魔導学校を退学になった。



「ホントにごめんなさい!!!あのとき、私どうかしてた。心閉ざしちゃったって聞いたとき、すぐわかった。私のせいだ、って。

だから…ホントごめんね。」



「気にしないでって!!ナナのせいなんかじゃないよ。」


「ありがとう。」


こうして、私とナナは仲直りした。


「もう友達出来たのか?早いな…人見知りのお前にしては。」


「あっ、ミツ!ってか、人見知り自分もでしょ~。隣の人は?」


「ああ。幼少のときの同級生だ。」

「矢張 信二(やはりしんじ)だ!!ヨロシクな!」


なんか、テンション高いなぁ…


「か、蒲田華恵です…」


お互いに自己紹介をした後、入学式のため体育館へと向かった。


これから、この4人で過ごしていく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

…翌日。



教科書配布の後、係決めだ。


評議委員というクラスをまとめる役割の仕事に、ミツが立候補していた。


「え?ミツ、やる気?」


「だって、誰も手ぇ挙げないし…」


「しょーがない、ミツ一人じゃ不安だろうから私もやったげるよ。」


こーして、私とミツは評議委員、ナナとヤッパリくん(「矢張」よりこっちのほうが響きいいからこう呼んでる)

になった。




そして、部活の「仮入部」期間。


昔から親に文才があると言われていたらしい私は、演劇部に入ろうと密かに決めていた。



いざっ!!


演劇部へっ!!


って、アレ?


ミツとナナとヤッパリくんがいる…


結局、4人で演劇部に入ることにした。



そして、学校にも大分慣れてきた5月。


「教育相談」とやらが始まった。

悩みなどがあればこの期間に相談できる。


なぜか初日に私たち4人が名指しで呼ばれた。


ヤッパリくんもナナもわりと早く終わり、ミツの番だ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


教育相談かよ。



何聞かれるんだ?


「御剣。お前は、蒲田と付き合ってるのか?」


は?


いきなり、何聞くんだよ。


付き合ってるわけないだろって。

「ライバルでもいるのか?青春だなぁ。」


オレは、レンのことを先生に話す。



…ハナからもらったブローチに別の役割があるということを聞いた。


谷原先生から。



一時期、アコール先生と秒読みってウワサがあったくらいだから、知っていて当然なのかもしれない。



そのことに触れてみようかと思ったが、あえて聞かなかった。


次は、ハナの番だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

…私の番。


何を聞かれるかと思ったら、レンのことだった。


…どうして仲良くなったのか、聞きたいらしい。


…それには、"ある作業"が必要となる。



…追体験。


他人が体験した事を、あたかも自分が体験したかのように再現する。



仮想空間への旅をしなければいけない。

到着地は、私の"6年前の記憶"。


私とミツが6歳のときの、魔導学校幼学部での出来事だ。


運動会の練習中に、職員室の先生の机から諸費が盗まれた。


たまたま風邪気味で一人、保健室にいた私が疑われた。

そして、学級裁判が開かれた。

当時のミツは、必死に弁護してくれた。

彼のお父さんが、弁護士だったから。


だけど、当の私は泣いてばかりで何も言えなかったから、裁判は一時中断。かに見えた。




実は、最初から彼と仲が良かったワケじゃなくて、このとき助けてもらったのがキッカケだ。



「異議あり!!!」


「どぉも。

カガク捜査官、めざしてます、宝月蓮太郎です。一番上のおねーちゃんのマネしてみました。」


って言って教室のドアを開けた彼。

医者のコスプレかと思うくらい白衣がブカブカで、可愛らしい印象だった。


そんな彼は私とミツの前で指紋検出までやってのけて…しかも足跡検出まですでに終わらせていた。


そして極めつけは、口元を緩ませて微笑んだあと、真面目な表情で、


「先程、指紋検出を行った集金袋と先生の机の周辺からは…帳 奈斗(とばりないと)さん!あなたの指紋が発見されました!!」


って、言ったの。



今思い出しても、カッコいいなーって思う。


彼が遅刻したことがバレないよう、裏口の門を乗り越えて入ったことまで見抜いたんだよ!?



スゴかったわ。

ホントに。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

奈斗は、お母さんの誕生日にケーキ買ってあげたくて、つい諸費を盗んじゃったんだって。

…お母さん、最近笑ってくれないから、ケーキで笑顔にしてあげたかったみたい。


ホントは優しいコなんだよ。


なんか微笑ましい理由があったから、先生に謝りに行くだけで済んだ。



裁判終了後に3人で話した。


それからだ。

レンと仲良くなったのは。


…その時、私はレンにこぉ言った。

「今日みたいにレンが裁判にかけられたりしたら、私が助けてあげるね!!」


って。


それだけ、妙に覚えてる。



仮想空間から、現実世界に戻る。




先生、帳奈斗のことは聞いて来なかった。


まぁ、いーや。



…この時気にかけていれば、こんなことにはならなかったのかな…。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


…中学に入ってから、これまた初の定期テスト。



もう"ヒミツのたまり場"と化したエージェントルームにて、勉強した。


合間に伊達さんが技術(PC関係)を、ホームセンターへの就職を目指して勉強中の天杉 裕太さんが、木材関係のことについて教えてくれた。


実は、このエージェントルームは、表は"エージェント"だが、全員"裏の職業"がある。


音大生だったり、料理研究家だったり、スポーツインストラクターやミシン会社の社員、私立中学校の保健の先生だったり、イロイロだ。

中には、見たものを忠実に再現できるスゴい才能を持った画家までいる。


そう、このエージェントルームはバラエティーに富む職業の人がいる"スゴ腕の秘密機関"でもあるのだ。


初定期テスト9教科が高得点だったのは、この人たちのおかげだ。


結果を伝えに行くと、かなり喜んでくれた。



校外学習「若あゆ」まで1週間。


私たち実行委員は、下校時刻ギリギリまで毎日残っていた。





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