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ボーダー  作者: きぃ
自覚
1/46

語り、そして回想

ねぇ。私たち…幼なじみなんかじゃないよ。


出会ったときから。


あなたは私の中で特別だった。


幼なじみとしてなんて、見たことは…ない。


…好き。


だけど、この想いを伝えてしまったら、このままの関係ではいられなくなる。


だから…


お願い。


もう少しだけ…このままでいさせて?


【'10 6.4 START】


【'11 7.30fin】







オレの名前は御剣 優作(ミツルギユウサク)

皆からは「優」と呼ばれていることが多いが,「ミツ」と呼ぶ奴もいる。


今は無邪気にプールで娘と遊んでいるオレの幼なじみ…ではなく、愛する人、蒲田華恵(カマタハナエ)

皆からは「ハナ」と呼ばれている。

スタイルも良く,可愛い。

そしてもう一人,オレを「ミツ」と呼ぶ,幼なじみ,宝月蓮太郎(ホウヅキレンタロウ)

カガク捜査官になりたいと言って,小4のときから5年間,アメリカでカガク捜査を学んでいた。そこでカガク捜査の術を身に付け,オレらが高校の入学式を迎える春休み,日本に帰国した…いわゆる"帰国子女"。



だから、英語はお手の物。

旅行のチェックインのときも、流暢な英語を話していた。



オレらは今、グアムのホテルにいる。

温水プールで遊んでいるハナやレンのお姉さんやら妻やら、宝月一家。



無邪気に遊んでいる彼女たちを見ていると、自然と笑みが溢れる。


もう、25だぜ?

レンの2番目のお姉さんなんか、三十路だし。

そんな人たちが、子供みたいにはしゃいでいる姿が、愛らしかった。



「ミツさ…

いくら可愛いからって、

見とれんなよ?

オレの大事な奥さんに。」


「分かってる。

それはこっちの台詞だ。

オレはもとより、ハナしか見てない。」



グアムの雄大な自然を目の前にして、こんな会話しか出来ないオレとレン。



いくらある特殊能力を持っているオレらもまだまだ、子供なのかな。


━━━━━━━━━━━━━━━━━

レンと2人で呑気にプールサイドにて休憩しているオレはというと、 会話が途切れてから、オレとハナが再会した日からのことを、回想していた。


「なぁ、レン。

オレ、ハナのあの笑顔、あのまま一生見られないのかと思ったよ。」



「オレも。

懐かしいよな。

あれ…小6のときだっけ?」


「…だな。」


オレら3人は幼稚園の年長ぐらいの仲だ。

その頃から、オレはハナのことが好きだった。

小学校のとき,ハナに気を持ってほしくて、レンと二人でちょっかいを出したこともあった。( 周りの人にはいじめだと思われたかもしれないが…)しかし、皮肉なことにそれが原因でハナは心を閉ざしてしまい、違う学校へと転校してしまった。それから、レンも夢を追いかけてアメリカへと旅立ってしまい、オレらはバラバラになってしまった。

けれどもレンがアメリカから一時帰国してきた3年前のあの日、思いがけない"出来事"が、オレらを待っていた。


その時,オレはレンがアメリカから一時帰国すると聞いて、空港まで迎えに行った。久しぶりに見たアイツは、最後に見たときより少しカッコ良くなっていた。オレらはその足で、オレらの母校、魔導学校に向かう。オレらの恩師、アコール先生は、目を丸くしてこっちを見ていたが、やがていつもと変わらない笑顔で微笑みかけた。


「あら、蓮太郎くん。元気だった?」

「ハイ。無事FBIカガク 捜査官の人が通う学校の過程も終了したので後は試験です!落ちたら1年間、留年ですけど。


レンが過程終了書を見せながら答える。


「そう。こっちにはいつまでいるの?」

「一応5日間くらい滞在するつもりです。」


テンポ良く会話が交わされていく。ちょうど良かったわ。あなたに"彼女"のことを話しておかないとだから。

先生の目が、まっすぐオレ達を見つめて言った。













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