その少年は、神様なので!!
「未来魔法で見たことをココに残します。過去を見ることのできる少年がココをアルに見せてくれることを祈って。
アル…聖帝魔獣を倒しに行くなんて嘘ついてごめんなさいね。
私は人魔のハーフだから…呪いを自身にかけて戦争から逃げ出したの。だからもう仇討ちなんてしなくていいの。平和な世界で一緒に暮らすことはできないけれど、リンはその少年が手を貸してくれるから…」
アルドラから涙が溢れ出す。
「ごめんな…フィオナ!ごめん…少年!そして…ありがとう。私の娘リンデロッテを頼む。
私の自慢の騎士達よ!最後の命令だ!今作ったこの手紙をクラムに渡してくれ!!」
「は!!」
「待てよ!一緒に…」
アルドラと獣の姿が透けてゆく。
「アルドラ・フィーセンは数年前に一度死んでいるようです。仇討ちという未練が消えたことにより、死ではなく消滅します。」
「少年…最後に…私とフィオナを救ってくれてありがとう…」
「少年じゃない!アリアスだ!!」
「アリアスの旅路に幸多からんことを!!」
アルドラは完全に消滅してしまった。
「アリアス殿!一緒にフィーセン領に来て貰えるだろうか?」
「本当に?!街か〜ずっと森に住んでたからなぁ〜もちろん行く!!」
「感謝する!」
その夜はアルドラとフィオナの追悼という名目の宴が開かれた。
※フライクディアでは死者に対し楽しく送り出す風習があります。
そこで孤蝶の森で目覚め、そこで1週間程住んでいたことを話したら大騒ぎになったり、今は戦争がほとんどなく平和だったりと言った情報交換が行われた。
それから1日でフィーセンについてしまった。騎士達は魔獣が寄ってこないことに違和感を感じたようだが、流石に聖帝魔獣を倒したことと、オレが神であることは黙っている。
カツアイ!