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Acht;untitled  作者: 鳴谷駿
第五章 命灯
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第五章 Start to(Farewell)Ⅱ

こんにちは・・

かなり久しぶりの投稿になってしまい申し訳ありません。

本当は一周年に日に投稿したかったのですが><。。

今後ともよろしくお願い致します。

~第五章 Start to(Farewell)Ⅱ~

南ブロック 第三防衛線周辺

 戦況はエグルガルム、ハウンズ側が有利であった。たった一人の援軍が両軍の力関係を大きく変えた。ハウンズ第一小隊所属クロア・クロス・・・・

「何なの!!!」

幻想の道化師アンティック・イマジネイションの三人組みは倒れた廃ビルを盾にエグルガルムからの攻撃を凌いでいた。第三防衛線を目の前に、三人組みはエグルガルム軍の最後の抵抗を受けた。突然の砲撃は三人を爆煙で包み込み、視界を奪う。全方向から降り注ぐ攻撃。今までとは違う、彼らはすぐにその事に気付き、大通りを囲む廃ビルを破壊し身を隠した。彼らの使う能力は強力な分だけ、攻撃そのものを止められるクロアの障壁は、彼らの力を根こそぎ奪い取っていた。小柄でオリーブ色の髪に小さな帽子を乗っけた女はイラつきを隠せず、近くに落ちていた石を拾い上げエグルガルム軍へと投げつけた。

拡大(フォートン)

エグルガルム軍へと向かう小さな石は、エグルガルム軍への軌道の途中に現れたレンズを通り抜け、直径100メートル近い巨大な石へと拡大された。拡大された石は放物線を描き、エグルガルム軍へと向かった。その時、拡大された石の上に人が現れる。ヴァイオレットは拡大された石の上に現れ、石の上から三人組みの姿を確認した。

「お返しするわ、これ」

ヴァイオレットは三人組みに向けて笑った。

「やばいよ!!」

金髪の青年(ルークル)は大声を張り上げ、上空を見上げる。三人組みの上空に拡大された石が転移され、三人組みの下へ落下を始める。

「あたし達を舐めるなよ!!縮小(リダクション)

石の前に巨大なレンズが現れる。レンズの真横にヴァイオレットが現れる。

「駄目よ」

巨大なレンズはヴァイオレットと共に姿を消す。オレンジ色の短髪にミリタリー系のラフな服装をした男はすぐに落下する石へ両手を向ける。オレンジ色の髪の男の両手から放たれた衝撃石を粉々に砕いた。粉々に砕けた石の後からビズルが姿を現す。ビズルが無数の黒い球を放つ。黒い球は周囲のものに触れ、触れたものと共に消滅していく。三人組みは降り注ぐ黒い球を避ける為に、その場から逃げようする。逃げようとする三人組みの行く手を見えない壁が阻んだ。

「何よ、この壁は!!」

オリーブ色の髪の女が見えない壁へと蹴りいれる。オレンジ色の髪の男の男も壁へと衝撃を放つが見えない壁に変化はない。

「追い詰められた」

三人組みのへコツコツとハイヒールの出す足音が迫る。ルークルはすぐに振返り、近づいてくる眼鏡にスーツを着た女を見つめた。

「思った以上に呆気なかったわね」

三人組みの視線がクロアへと集まる。

「あなた達は頭悪すぎよ、いくら二度も簡単に勝てたからって、三人仲良く通りの真ん中を進むなんて」

オレンジ色の髪の男がクロアに手を向けた。

「その手を下げなさい」

オレンジ色の髪の男はクロアの言葉を無視し、衝撃を放つ。衝撃はクロアにと届くことなく壁に阻まれた。

「この壁、お姉さんの力だね」

「そうよ、私の張った障壁は簡単には壊れないわよ。ちなみにあなた達を追い詰めたのも私の作戦によるものよ。何でこう強力な能力を持つ人って決まって傲慢で、自信家ばかりなのかしらね」

クロアの言葉にルークルは笑った。

「今、僕等三人の前にたった一人で現れた、あなたの方が自信家だよ」

「その通りね。でも気付いてないみたいだから教えてあげる。あなた達はここに来るように誘導されていたのよ」

クロアの言葉と同時に、障壁の向こう側に無数のエグルガルム兵やビズル達が姿を現す。三人組みは完全に逃げ道を失い、包囲されていた。

「ねぇ、金髪の坊や。あなたの能力はこの事態を打開できるようなものなのかしら?」

ルークルは大きく首を横へ振った。

「残念ながら僕の能力にそんな力はないさ」

「そう、残念ね」

一斉にすべて銃口が三人組みへと向けられる。

「最後に何か言うことはある??」

オリーブ色の髪の女は唇を噛み締め、周囲を見渡す。オレンジ色の髪の男は諦めたようで、両腕をポケットの中へ仕舞い込んだ。

「確かに僕自身にはこの事態を打開する力はない。でも僕の選ぶ選択は必ず最良の道へ僕を導く」

「これが最良の道?」


その時、戦場に無数の砲撃やミサイルが降り注いだ・・・


クロア達のいる南ブロックへも無数の砲撃やミサイルが降り注いだ。クロアはとっさに周囲へと障壁を張り、砲撃からエグルガルム兵達を守る。

「これはどういうことなの・・」

クロアが空を見上げると、戦場を無数のアステリオス軍の艦隊が包囲し、無差別に攻撃を始めている。その時、クロアの目の前にルークルの拳が迫る。ルークルの拳をクロアはかわし、その腕を掴み捻り上げた。

「マナーがなってないわね」

ルークルは不自然な方向へ捻り上げられた腕の痛みに顔を歪める。

「てっきり肉弾戦はで・・・・痛い、痛い・・・」

ルークルの言葉を聞く間もなく、クロアは腕を捻り地面へと跪かせた。オリーブ色の髪の女とオレンジ色の髪の男が動こうとした。

「動かないで、少しでも動けばこの子の腕をへし折って、ねじ切る」

クロアの言葉に二人は素直に従った。

「どういうことか説明してくれるかしら、四季」

クロアの言葉と同時に四季が姿を現す。

「見ての通りさ、軍部のお偉いさん達がエグルガルムも、アルカナスも、ハウンズも全部一斉に始末すって決めただけ」

四季はただ単調にありのままの事実を伝えた。クロアは四季の言葉が真実であり、現状を理解する為の最良の表現であることをすぐに理解した。

「私達は用済み。いや、もとから邪魔な存在か」

四季はクロアの言葉に苦笑した。

「私はハウンズをアステリオスを抜ける」

「動かないでくれるかしら、箱美芽旧隊長」

ヴァイオレットの声が響いた。ハウンズとエグルガルム軍の銃口は四季にも向けられていた。四季はすぐに自分の状況を理解し、これがタークの仕業だということもすぐに分かった。

「どうやら私はお尋ね者のようだ」

クロアは四季の様子を見て笑っていた。

「ついさっきタークの奴から通信があってさ、最初は驚いたけど。久々にあんたの顔見たら納得したよ。ずいぶん楽しそうね」

「今までで一番楽しいかもね」

クロアはルークルの腕を放した。ヴァイオレットはすぐに発砲の指示を出した。しかし、本来は消されているはずだった見えない壁に弾丸は阻まれた。クロアは三人組みを追い詰め、包囲させる為に張っていた障壁を再び張っていた。

「四季、私はあんたに惹かれてハウンズに入った。だから、あんたが抜けるなら私がハウンズに残る理由はない。そして、こいつ等と戦う理由もない」

ルークルは捻り上げられた腕をさすりながらクロアから離れた。ヴァイオレットは顔歪めながら障壁の向こう側からクロア達を睨み続ける。

「あんたらって幻想の道化師アンティック・イマジネイションなんでしょ?」

クロアはルークル達へと尋ねた。

「もとかな・・・」

クロアは残念そうに深くため息をついた。

「まあいいわ、私の部下になりなさい。そうしたらここから逃がしてあげるから」

四季はクロアの言葉に笑った。

「なんであんたなんかの部下にあた・・・・」

オリーブ色の髪の女の口をオレンジ色の髪の男が塞いだ。ルークルは四季と同様に笑い始めていた。

「俺はOK」

ルークルはそれだけ言ってオリーブ色の髪の女とオレンジ色の髪の男の方を見た。オレンジ色の髪の男がオリーブ色の髪の女の口を塞いだまま言った。

「俺は常にお前の選択を信じているからな」

オリーブ色の髪の女がオレンジ色の髪の男の手を振り払った。

「仲間になりたいなら、特別に私の・・・」

再びオリーブ色の髪の女の口をオレンジ色の髪の男が塞いだ。

「どう四季、面白そうでしょ?」

四季は真っ直ぐにクロアを見つめた。

「あなたを誘いに来たけど、どうやら意味がなかったみたいね」

クロアは自分の左耳へ手を伸ばした。

「持っていきな」

クロアは左耳に付けていた紫色の宝石の付いたピアスを四季へ投げた。

「それは始めてあんた一緒に買い物に行った時に買ったピアス、記念に貰っときな」

四季はピアスを眺め、大事そうに自身の左耳へピアスを付けた。

「友人からの始めての贈り物だよ」

クロアの表情が微かに歪んだ。四季の顔が優しく笑った。クロアは四季の顔を見ると同時に四季へ背中を向けた。

「早く行きな、ここは私がなんとかするからさ」

「ありがとう」

四季はクロアの背中へお礼を告げ、ジークフリードへ向かう。クロアは三人組みと一緒に障壁の内側からエグルガルム軍やハウンズの面々を見渡す。クロアとトゥウィスの目が合った。

「三人組み、最初の命令よ。今、私達が逃げたらあたしの大切な友人が危ない、ここでこいつ等を半壊させるわよ」


障壁の一部が消され、クロア達の下へハウンズとエグルガルム軍が流れ込んだ・・・


                            ~つづく~


最後までありがとうございました。

さて時間があるうちに次話を書きますので!!

次回もよろしければお願い致します。

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