第一章 開演
~第1章 お姫様~
PM6:32 首都中央王宮内
「なぜ貴様の様な者を姫様が好いているのか、理解に苦しむ」
「お前らが頼りないからだろ」
「相変わらずの言いようだな・・・」
絨毯のひかれた通路を歩く対照的な二人の姿 黒髪と白髪 弾と剣
「姫様、リゼリ第二小隊隊長をお連れしました。」
「ご苦労様です、どうぞ中へお入りください」
扉の奥にいたのは、お伽話のお姫様のような少女だった・・・
「リゼ、全く顔を見せないから死んだかと思ったわよ」
「色々忙しくてな」
「まったく信じられないは・・・ヅバイ、まだ居たの?もう下がっていいわ」
「しかし、お姫様がこのような者と二人きりなど・・」
「下がりなさい」
「失礼しました。」
リゼを睨み付け白髪のヅバイと呼ばれる男は部屋を出た。
「リゼ、なぜ王族警備隊に入らない?」
「オレが入る必要がない、あいつ等の実力は確かだ」
「それでも・・・・・」
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二人の会話は歪で 決して交わることのない視線 それでもどこか楽しそうな そんな不思議な関係
「で、わざわざ顔を見るために呼び出した訳ではあるまい?」
「リゼ、実は・・・・・・・・」
~第1章 美女と野獣~
PM7:16 第5区 聖痕祭式典会場付近
「お姉さん、着きましたよ」
運転手は嬉しそうに後部座席に座る赤い髪の女に言った。
「ありがとう、もう行っていいわ」
運転手は女を降ろし車をだした、代金も貰わずに言われるがまま
その赤は美しく 美しき魔女 その声は悪魔の囁き・・・・・
同刻 第4区 酒場
「あぁ満たされねぇこのていどじゃ」
一面に広がる赤 辺りに広がる肉片 赤く染まった第4小隊の腕章
「さあぁ、オレも行かなくちゃ宴に」
己が渇きを満たすため 野獣は進む 鮮血に染まる覇王の道を・・・・・
第5区 式典会場
「第2小隊各員に連絡する、第4小隊が壊滅した気を締めて警備にあたれ」
「壊滅って?隊長」
「詳しいことはまだわからん、警備に集中しろ」リゼは通信機を遠ざけた。
夜空を見上げリゼは心を落ち着かした、そして誓った・・・
「隊長も夜空を見たりするんですね。」
そこには金髪の小柄な女性が缶コーヒーを持って立っていた。
「隊長のぶんです、どうぞ」
「ルイか、ありがとう」
「ルイかはないですよ、隊長!コーヒー取り上げますよ」
「悪かったよ、今日も背中は頼む」
「もちろんです、第二小隊の誰も傷つけやさせません!!」
「ありがとう」
「隊長どうか・・・、イヤ何でもありません。それでは持ち場に戻ります」
爽やかな笑顔を見せて彼女は戻っていった・・・・・・
「部下に気を使わせる様ではな、私こそ気を引き締めねばな」
~第1章 開演 ~
PM7:58 第五区 高層ビル屋上
「こんな鉄屑の世界に未練なんてありませんよ、誰もネ!」黒いコートを着た男は、ビルの屋上で夜 空に呟いた、そしてビルから飛び降りる。その後すぐに、首都アステルの夜空には大きな花火が上が った、まるでこれから起こる出来事を世界が祝福するように・・・・
首都アステルは円状の都市である、第1から9までの区画が並び中心に大きな城がある。
聖痕祭は年に一度王族が城を出て人々に姿を表す。
コート男は突然空から舞い降りた、そしてすべてを押しつぶした。
「皆さん、早く逃げないと死んじゃうよっ」
「貴様はすでに包囲されている、少しでも動けば発砲する」
男はそのまま前へ進む、何のためらいもなく
「撃てー」
弾丸はすべて男に届くことなく地に落ちる、そして男は言った
「無重力」
人も車もすべてが空に上がり、地に落ちた・・・・・
「さぁ、すべてを終わらせよう!!!!」
次々上がる爆煙 響き渡る爆音 始まりを告げた物語
~つづく~
最後まで読んでいただきありがとうございます。ようやく最初に追いつくことができました!!次回からは戦闘がメインなってしまうと思うのですがよろしくお願いします。もしかしたら、少し第1小隊などの話が間に入るかもしれません。
申し訳ありません、まあ何かありましたらメッセージくれると嬉しいです。
次回もよろしくお願いします。