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Acht;untitled  作者: 鳴谷駿
第五章 命灯
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第五章 突破

こんにちは。

今回もよろしくお願いします。

~第五章 突破~

 普通の戦車の三倍はあるであろう戦車が、普通の戦車の三倍以上の速度で戦場を駆け抜けていた。廃都市の先は荒野になっており、そこにアルカナス軍は陣取っていた。それは戦車と言うよりは装甲車に近いものであった。長細い台形のような形状に両面に8個ずつの車輪をつけた戦車は戦場を駆け抜ける。ヴァイパーは激しく揺られる操縦席からトリギオンを捉えていた。

「雑魚どもは消えろ」

厚い装甲が一枚外れ無数のミサイルが放たれる。発射されたミサイルをアルカナス軍は迎撃を始める。

「甘い」

ミサイルは迎撃される前に爆発し、大きな黒い玉を形成し周囲のアルカナス軍を吸い込み消滅する。ミサイルを放った戦車は装甲を切り離し普通の戦車の二倍ほどの大きさになった。すると戦車の速度はさらに上がり、まっすぐにトリギオンへ向かう。それをアルカナスの地上部隊が戦車で壁を作り阻む。

「リミッターを解除、エネルギーの充填を開始」

戦車は速度を落とすことなく、アルカナス軍へ向かう。振る注ぐ砲撃が確実に装甲を破壊していく。

「もう少しだ」

赤い光を宿した戦車はアルカナス軍の中へと突っ込み動きを止めた。

「フィールド解放」

光の球と共にすべてが破壊される。半径数十メートルの光の玉がアルカナス軍の真ん中、トリギオンの目の前に出来上がる。光の球が消えると同時に爆煙が周囲を包み込む。その様子をマルクトロスはトリギオンから眺めていた。

「破壊力が足りなかったようだな」

マルクトロスの口元が笑う。

大きな爆煙の中から真っ直ぐにトリギオンに向かう物があった。それは人型の兵器で4m前後の大きさであった。人型の兵器(MMA)は大型の銃口のライフルとシールド、背中にはバックパックを装備していた。人型の兵器(MMA)の握るライフルから弾丸が放たれる。弾丸はトリギオンに張られたシールドに阻まれた。

「その程度、威力でこのトリギオンのシールドを貫けると思うな」

人型の兵器(MMA)はトリギオンより上まで上がり上空から迫った。トリギオンは上部にもシールドが張られており、弾丸を阻む。

「さて、どうする」

トリギオンから放たれる砲撃やミサイルが人型の兵器(MMA)を迎撃する。シールドは破壊され、ライフルも破壊された。人型の兵器(MMA)は落下するようにトリギオンのシールドにぶつかった。

「やっとたどり着いた」

人型の兵器(MMA)はトリギオンのシールドへ手を伸ばす。操縦席のいくつかのモニター爆発し、破片がヴァイパーを傷付けた。

「シールドを中和出来るのはお前らだけじゃない」

人型の兵器(MMA)の手がシールドを突き抜ける。そして、シールド掴みこじ開ける。マルクトロスは立ち上がり指示を出した。

「全艦、トリギオンへ攻撃しろ!!何としても上の奴を破壊しろ!!」

すぐにトリギオンへの攻撃が始まる。人型の兵器(MMA)へ無数の砲撃が降り注ぐ、ヴァイパーは決して防御することなくシールドの破壊をやめない。シールドがちょうど数メートル開いた時、人型の兵器(MMA)の腕が爆発する。閉じていくシールドの中へヴァイパーは胴体をねじ込んだ。背中に背負われたバックパックが開く。

「確かに届けたぜ」

人型の兵器(MMA)は限界を超え爆発した、トリギオンの上で爆発が起き人型の兵器(MMA)の破片が地面へと降り注ぐ。トリギオンの装甲は爆発のあった部分だけ凹む程度の損傷だった。

「どうやら私の勝ちのようだな」

マルクトルスの顔は笑っていた。

「浮力が低下しています。動力には異常ありません」

トリギオンの司令室が大きく揺れる。

「駄目です、浮力維持出来ません」

マルクトロスの顔から笑顔が消える。「いった奴は何をした、この船に何が起こっている?」マルクトロスは状況を整理する。その間にもトリギオンは地面に向けて落下を始めていた。

「出力を上げろ、何としてもこの船を落とすわけにはいかない!!」

「すでに出力は最大です。駄目です、墜落します」

マルクトロスは落下するトリギオンからジークフリードを睨みつけた。


人型の兵器(MMA)がシールドを破り、胴体をねじ込んだ時にバックパックから愛は飛び出した。愛は背中に弐本の刀と腰に弐本の刀をつけ、手に持った愛刀を抜きトリギオンへ突き刺し中心付近に着地した。愛は爆発する人型の兵器(MMA)を見た。

「馬鹿野郎・・・」

すると愛のすぐ横に何かが張り付いた。それは吸盤のような物でそこからワイヤーが伸びていた。愛がワイヤーを目で追うとそこにはヴァイパーがいた。

「死ぬかと思った」

ヴァイパーはヘルメットを脱ぎ捨て、長めの茶髪を後へと流し愛を見た。

「心配した?」

愛はすぐにヴァイパーから視線をそらし、能力を使いトリギオンの重量を変化させた。


ノークはジークフリードの司令室から地面へと落下するトリギオンを見つめていた。司令室全体が熱気に包まれていた。

「まだ安心しては駄目よ、相手の戦力はまだ残っているわ」

「でも一安心ね」

ノークの横にエスナが現れる。ノークは申し訳なさそうにエスナに言った。

「あなたの大切な仲間の命が・・・、すいません。何と謝れば・・・」

「今はいいわ、勝つことだけに集中して」

エスナはノークを見ることなくただ戦場を見つめていた・・・。


中央ブロック 最端付近 廃ビル屋上

フェアのチャクラムはリゼリの拳銃を切り裂いた。チャクラムの先端がリゼリの首元をかすめる。リゼリはすぐにショットガンを召喚し至近距離でフェアに撃ち込んだ。リゼリの放ったショットガンの弾丸をフェアはチャクラムで受け止め後方へ吹き飛ぶ、フェアは何とか持ちこたえ屋上のギリギリで止まる。

「あぶねぇーーー」

召喚リコール

リゼリの手には対戦車ライフルが握られていた。リゼリは躊躇なくフェアに向けて撃つ。フェアは冷静に弾道を読み弾丸をかわし、リゼリへと向かう。リゼリはすぐに対戦車ライフルを捨て、小経口の拳銃を召喚しフェアを向かえ討つ。

「やっぱり隊長クラスは違うな」

「戦闘中に五月蝿いんだよ」

リゼリは上手くチャクラムをかわし、フェアの額に密着する距離で引き金を引いた。

「その銃でどうやって殺すの?」

リゼリは自分の持っている拳銃が切られていることに気付く。フェアの目に濃い赤い光が灯っていた。

「おら!!!」

フェアの拳がリゼリの腹部にめり込み、リゼリは多く体勢を崩した。フェアはすかさず追撃をした。リゼリは大きく吹き飛び、屋上にあった大きなタンクへと叩きつけられた。

「悪いけど終わりにするよ」

フェアはチャクラムを握り締めリゼリへと向かおうとした。しかし、フェアは本能的に近づくことをやめた。

「それが本気って訳か」

リゼリはゆっくりと立ち上がり、黒く染まる左目でフェアを睨みつけた。

「いけ」

リゼリから黒い無数の手が現れフェアに向かった。

「遅いよ」

フェアの目が赤く輝き黒い手を切り裂き、かわし、リゼリの胸を斜めに切り裂いた。

「その程度の能力じゃ、勝てないよ」

切り裂かれたリゼリの胸から血液が噴出す。リゼリは何とか踏ん張ろうとするがフェアのチャクラムが胸の中央へ目掛けて迫る・・・


                   ~つづく~


最後まで読んでいただきありがとうございました。

ようやく愛の登場です!!そしてリゼリ対フェアの開戦!!

さぁがんばるぞぉ!!!!

次話は今日の深夜にでも投稿します!!彼女達が久しぶりの登場です。この戦いの行く末、そして彼も戦場へ・・・

よろしければお読みください。

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