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Acht;untitled  作者: 鳴谷駿
第五章 命灯
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第五章 反撃

こんにちは。

第五章の再スタートです。よろしくお願いします。

~第五章 反撃~

「ようやく俺達の出番のようだ」

暗闇の中、赤いランプが点灯しスピーカーからヴァイパーの声が響いた。

「すまないな、こんな重役を他の国の兵士に任せてしまうなんて」

暗闇の中から返事はない。

「大丈夫か?生きてるよな?」

「あぁ、でもそろそろ我慢の限界だ・・・」


 トリギオンは三角形をした飛行艇であった。全長は150m弱でありイージス艦よりやや小さい位の大きさである。司令室は上部の三角形の頂点を前方に3分の1位に位置しており、マルクトロスはそこからジークフリードを見つめていた。

「こちらの番と行こうではないか。トリギオン、主砲発射準備」

マルクトロスの言葉と共に司令室が慌しくなる。

「光学レンズの展開を開始」

三角形をしたトリギオンの頂点が四つに分かれて展開される。それがちょうど正方形の頂点の位置くらいで止まり、四つの頂点から光が放たれ丸いレンズが中央に形成された。

「標的はジークフリード」

トリギオンの開かれた前方部の奥に光が集まり始める。エグルガルム軍からの攻撃がトリギオンへ集中する。エグルガルムから放たれた砲撃やミサイルをアルカナス軍は捨て身で止めた。

「撃て」

一本の細い光がトリギオンから放たれた・・・・・。


ジークフリードの司令室ではトリギオンの変化に対して迅速な対応が行われていた。

「ミラ、防御システムを前面へ集中。相手の攻撃が分からない以上、何が起こるか分からないわ。ベガ、各戦力へ相手の母艦への攻撃の集中を命じて」

ノークの声が司令室に響き渡る。その時、一本の光がジークフリードへ近づいた。光はジークフリードの前方に展開されたシールドを突き破る。

「防御シールド、レベル1突破」

「あれは貫かれたんじゃない、中和されている。光学系の防御壁じゃ防げない」

ノークの言葉に司令室がざわめく。その間に光は三枚目のシールドを通過していた。

「残るシールドは後二枚です。このまま直撃すれば、動力部に被害が出る可能性が・・・」

ノークは通信機を手に取った。

「ジャスさん、こちらはノークです。今、ジークフリードに攻撃が迫っています。このままではジークフリードが沈みます。あなたの力を・・・」

「見えてるよ、もう手は打った・・・」

ジャスは中央ブロックの廃ビルから王族警備隊に治療を受けながらジークフリードを見つめていた。

「間に合えよ」


光は最後のシールドを貫きジークフリードに迫る。

限界突破(オーバー・リミット)

光はジークフリードからほんの数メートルの所で止まっていた。光の先端は何か壁のようなものに阻まれていた。

「これが俺の本当の力だ!!!どうだもっと撃って来いよ!!!」

光の先端にはユウとジュラルの姿があった。

「ジャス、間に合ったよ」

ユウは通信機へ語りかけた。

「見えてる、よく対応してくれた」

「このくらい楽勝、楽勝。それよりジャス、第三小隊がやられたよ」

ジャスはユウの言葉に止まった。

「桜家がやられたのか・・・」

「うん」

普段のユウのテンションとは異なる、暗い返事が返って来た。ジャスは治療を振り払い廃ビルから燃え上がる第二防衛線を見た。

「ユウ、そっちの仕事が終ったらこっちに来てくれ」

「ジャス、行くの?」

「あぁ・・・・」


マルクトロスは特に驚いた様子もなくジークフリードを見つめていた。

「対象に損傷なしです」

「うろたえるな、あの攻撃は光学系のシールドを中和して進む。それを止めたとなれば能力によるものだ。だがあの規模の攻撃を止めるとなれば、アステリオスのお姫様の力が必要なはずだ。そう何度も防げまい、すぐに次弾の充填を開始しろ」


ノークはトリギオンからの攻撃を凌いだことに安心し、ため息をもらしていた。

「ノーク、安心している場合じゃな」

司令室にヴァイパーの声が響いた。

「そろそろ俺達の出番だろ」

ノークは通信機へ願うように言った。

「この戦いを終らせてください」

「そのつもりだ」

ノークはヴァイパーの返事を聞いて自身の手をそっと胸へ当てた。

「戻って来て」

「何てこと言うの、そんなこと言われたら逆に死にたくなるよ。じゃ行って来るわ」

そして通信は切れた。ノークはただ戦場を見つめ祈った。


「お前もあの女(ノーク)のことが好きなのか?」

愛はヴァイパーへ尋ねた。

「好きだったさ、たぶんノークと一緒に居て好きにならない男はいないよ。ノークは本当に優しいからな」

「そうなのか」

通信機からヴァイパーの笑い声が聞こえた。

「お前の噂もちらほら聞いてるぜ」

「・・・・・・・・・・・・・」

愛から反応はない。

「まぁいい、さぁ時間だ。始めるぜ・・・」

ヴァイパーは操縦席にいた。無数にあるスイッチをつけ機械的な音が響き始める。

「MMA.002HW、起動」

廃都市の入り口に位置するアルカナス軍の陣営の前に突然、エグルガルムの地上部隊が姿を現す。戦車や多脚型の戦車などの兵器が地面から現れる。エグルガルムは地下に大量の兵器を温存していた。現れた無数の戦車などが一斉に攻撃を始める。


「マルクトロス様、前方に敵兵力出現。敵地上戦力の本体かと!!!」

マルクトルスは腕を顔の前に組み眉間に皺をよらせていた。

「やはり来たか、廃都市による近接戦への誘導。ジークフリードによる対空戦力の弱体化、そしてとどめの地上部隊。さすがは世界屈指の脳を持つだけはあるか・・・。しかし、甘いぞ!!」

トリギオンの下部が大きく展開を始める。

「このトリギオンは本来、対地迎撃戦用の飛行艇。その破壊力味わうがいい」

トリギオンの下部に無数のレンズが現れ、光が放たれる。光はエグルガルムの地上戦力を焼き尽くしていく。

「どうだ!!」

「敵地上戦力の34%の破壊を確認・・・、一機戦車が高速でこちらに向かっています!!」

燃え上がる戦場を一機の戦車が駆け抜ける。

「終らせてやるよ」

        

                        ~つづく~


最後までありがとうございました。

今回は表現が難しく皆さんの想像力にお任せすることが多くて大変申し訳ありません。ここから後半戦です。

よろしければ最後までお付き合いください。

次話は早ければ明日にでも!!

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