第五章 B.VS.R Ⅱ
こんにちは。
お待たせしました。ようやく投稿する決心がつきました。
よろしくお願いします。
~第五章 B.VS.R Ⅱ~
北ブロック 第二防衛線
第二防衛線は廃墟と化しており、多くの兵士達が地に伏せていた。北ブロックの中央を通る大通りに銃声が響き渡る。
「君が噂の隊長さんですね?もう君一人ですよ」
赤い服を纏った二人組みがリゼリを見つめる。その場に立っていたのは三人だけだった。瓦礫に埋もれ意識を失っているユウ、壁に寄りかかり薄れていく意識を繋ごうとするジェネル。銃声の止んだ北ブロックは静かだった。二人組みの一人は赤と金の混じった髪の知的な男と、スキンヘッドに顔の半分に模様のような刺青をした男だった。赤と金の髪の男は左手を体の真横へ振り上げた。
「さぁ、手加減はいらない」
ジェネルの左手へ青い光が集まる。青い光はふわふわと揺れ腕を中心に飛んでいる。ジェネルが左手をリゼリに向けると青い光は小さな玉へ変化し、リゼリへ向かう。リゼリはマシンガンを召喚し、青い光の玉を迎撃する。青い光の玉は弾丸をかわしリゼリに迫る。青い光の玉から光が放たれる。リゼリはその光をかわす、放たれた光は地面を切り裂く。
「俺を忘れるな」
顔に刺青をした男がリゼリに迫る。リゼリはすぐにハンドガンを召喚し、刺青の男へと放つ。弾丸は男の体を簡単にすり抜ける。刺青の男はそのままリゼリへ迫りラリアットを叩き込む、リゼリは空中で一回転し地面へと叩きつけられる。すかさず青い光の玉から光が放たれる、リゼリは地面を転がり光をかわす。リゼリは地面を転がりながら鉄の壁を召喚し、姿を隠そうとする。刺青の男が壁をすり抜け、リゼリへと迫る。
「調子に乗るなよ」
リゼリから黒い大きな手が伸びる。黒い手を刺青の男は透過し逃れようとする。刺青の男の片手が黒い手に触れた、男はとったに透過できないことに気付く。
「もう遅い」
リゼリの左目は黒く染まっていく、リゼリは男へ弾丸を放つ。刺青の男は迷わず黒い手に掴まれた右腕を、隠し持っていたナイフで肩から切り離した。
「逃がすか」
リゼリは黒い手を更に増やし刺青の男へと向ける。その時、周囲を青白い光が包み込んだ・・・・
ルイはゆっくりと軍服の上着へ腕を通した。病室の窓から見える戦場で上がる煙を見つめた。その目は決意に満ちた鋭いものであった。
「怪我はもう大丈夫ですか?」
病室の入り口にはエスナが立っていた。ルイは特に驚く様子もなく、一礼をして答えた。
「大丈夫です。私は仲間が戦っている時に、安全な場所でじっとしていられませんので」
ルイの答えはエスナへの嫌味にしか聞こえなかった。ルイは明らかな意思、敵意を向けてこの言葉を放った。
「あなたが私を好きでないことは何となく知っていたわ。それはやはりリゼが絡んでいるのかしら?」
ルイはエスナの分かりきっている質問に食いついた。
「その通りです」
エスナはルイの目を真っ直ぐに見つめ言った。
「あなたが思っているほど私達の関係は単純じゃないわ。彼は私を守っているのではないの、彼は自分を守っているだけ」
エスナの口から出た言葉はルイにとって想像もつかないものだった。
「隊長が自分を守っている?」
「そう、それが真実よ。」
エスナは無表情でその言葉を口にした。
「あなたがなりたいものに私は一生なれないはず。リゼはそれを自覚していないのかもしれない。でも私は知っているし、気付いている。だから安全な場所でじっとしていられるのね。」
エスナの言った言葉の意味をすぐにルイは理解した。
「それがあなたの本心?」
エスナはルイに近づきルイの胸に触れた。光が放たれルイの目に一瞬印が表れた。
「あなたの今の力では力不足よ。私が与えた力を解き放てば、あなたは全く違う世界を見ることが出来るはずよ。でも代償はあなたからどれだけのモノを奪うかは分からない」
ルイはゆっくり目を閉じ、ゆっくりと開いた。
「この力は仲間を守る為の力、私はあなたとは違う。あなたに私の大切な人達はわたさない」
エスナは何も反応することなく受け流した。
「病院の外に車を待たせてあるわ、使いなさい。そして、車の中の物はあなたの物よ」
エスナの横をルイは通り過ぎ病室を出て行った・・・
ジークフリード 司令室
ジークフリードは列車型の移動要塞であり。前回のベーテル平原の時とは異なりすでに外装をパージしていた。ベーテル平原の時は緊急時での外装のパージだった為に大型の飛行船のようであったが、今回は多くの武装に包まれ浮遊要塞のようだった。
「ノーク様、バルムンクの充填が完了しました」
「狙いは相手の航空戦力」
ジークフリードの上空に形成された巨大な銀の玉が輝きを増す。
「クールヒルト発射」
銀色の玉から光が放たれ、光は綺麗な直線を描き空を二つに引き裂いた。一瞬で光は消え静まり帰ると一斉にアルカナス軍の航空部隊は爆発に包まれた。
「アルカナス軍の航空戦力の40%以上の破壊を確認しました」
「すぐに次弾の充填を開始してください」
ノークは指令室から真っ直ぐにクールヒルトの攻撃を逃れた真っ赤な飛行艇を見つめた。
「航空戦力46%減少、被害は今も拡大しています!!このまま・・・」
「大きな声を出すな」
マルクトロスはトリギオンの司令室の中央の席からただ観戦していた。
「あれが奴らの最強の兵器だ。しかし、このトリギオンには傷一つ付いておらん、この船が落ちない限り私達は負けん。だがな、やられてばかりも面白くはないな」
マルクトロスは怪しく微笑んだ・・・・
中央ブロック 最端付近
フェアはビルの屋上を飛び移り、すでに戦場となっていた廃都市を抜けジークフリードに迫っていた。廃都市の最後のビルの屋上で一人の男がフェアを待ち構えていた。
「やっぱり簡単には行かないか、君の腕章は・・・・」
フェアに向けて一発の弾丸が放たれた。フェアはその弾丸を簡単にチャクラムで受け流した。
「容赦ないな、別にいいけどね」
フェアはチャクラムを構えリゼリへと向かう・・・・
アステリオス 軍部会議室
「12対5で、エグルガルムへの軍部の進軍が可決されました」
会議室では大きな拍手が鳴り響いた。拍手が止むと上座に座る老人が口を開いた。
「作戦の指揮はギレーヌ中将を推薦したいと思う」
一人の男が立ち上がり一礼をした。男の細い薄紫の目が鋭く光る。会議室が再び大きな拍手に包まれた。
ギレーヌは一人誰もいなくなった会議室にいた。
「ギレーヌよ、そこは元帥が座る席のはずだが?」
「いずれ私の座る席だよ」
会議室の中へ一人の男が現れる。
「君の計画通り、指揮を任されたようだね」
会議室に現れた男は癖のある長い金髪を大きく後に流しており、貴族か音楽家のような風貌だった。
「当然のことだよ、さぁ我が儘なお姫様にはそろそろご退場して頂こうか」
~つづく~
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投稿ペースが遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした。