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Acht;untitled  作者: 鳴谷駿
第五章 命灯
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第五章 炎帝

今回もよろしくお願いします。

 四季は目の前の光景に驚き言葉を失っていた。四季の前には一人の青年が立っていた。長く伸びた薄青色の髪に、綺麗な青い目をした青年が四季に近づく。

「隊長、これが僕の覚悟です」

四季は青年の顔を見上げた。

「フロルなのか?」

青年は爽やかに笑い答えた。

「そうです、フロル・レイサスです」

フロルの後にアーニュの姿が見えた、四季はすぐに何が起こったのか理解した。

「何でこんなことを・・・・」

フロルは綺麗な青い目で四季を見つめる。フロルの目がすべてを四季へと伝えた。四季の中で不思議と一つのことが浮かんだ。

「私はハウンズを辞める」

「ど、どういうことですか?隊長」

「私は決めた、私はこの力をお前の為に使うよ。お前と共に戦う、それが私の決めた理由だ」

フロルは突然のことに事態を把握出来ていなかった。その時、後からアーニュがフロルに近づき四季の横に並んだ。

「私もお前を気に入った、私もお前に力を貸してやる」

フロルはただ二人を見て、状況を必死に整理した。

「僕が二人を率いるってこと・・・」

フロルのあたふたとした態度に四季とアーニュは笑い始めた。アーニュはフロルに近づき方を叩いた。

「見た目は成長したが中身がお子様だな」

「まずは私達を率いることが出来るくらいに、なってもらうよ」

四季は嬉しそうにフロルに告げた。

「隊長・・・・」

四季は自身の人差し指をフロルの唇に当て言葉を止めた。フロルの身長は四季を越しており、四季は見上げるようにフロルを見つめる。

「もう隊長じゃない、四季でいいよ。隊長とは呼ぶな」

フロルは四季の今までと違う行動に顔を赤くしていた。四季の纏う雰囲気は上官としての母のようなものから、一人の女性のものへと変化していた。

「どうした?顔を赤くして」

四季はクスクスと笑った。

「たいちょ・・・」

フロルの唇に四季の唇が重なっていた。フロルは顔を真っ赤にして少し後に下がった。アーニュは二人の姿を嬉しそうに見ている。

「隊長と呼ぶなと言っただろ」

四季はそれだけ言うとフロルから離れて行く。少し離れた所で振返りフロルを見た。

「フロル、ありがとう・・・・」


その時 小さな島に雪が降り始めた 月明かりに優しく照らされる雪達・・・


アーニュは降り注ぐ雪に手で受け止める。

「お前達の見た未来、悪くないよ」

その雪はフロルの感情に反応したものだった。

その雪は不思議と冷たくなく、優しく温かかった・・・・



桜家の胸をフォークトの手から伸びた炎が貫いていた。その姿をリビイは泣きながら見ていた。リビイは二人の戦場に来てしまった。そして、彼は最悪の結果を引き起こした。消耗した桜家はすでに魔眼を使えず、能力を使い何とか応戦している状態だった。そこに現れたリビイを守る為に桜家は自身とリビィの位置を入れ替えた。

「つまらねぇ、終り方だな。まぁ俺に殺されるって言う結論は変わらないけどな」

桜家は胸を貫かれたまま、リビイに何かを伝える。その声は小さくリビイに届くことはない。

「た・・隊長・・・・・」

リビィは桜家から目を逸らし地面へと顔を伏せた。その時、フォークトの怒鳴り声が響いた。

「小僧!!!目を逸らすな、こいつを殺したのはお前だ。お前がこいつを殺した!!その事実から目を背けるんじゃねぇよ」

桜家を貫く炎が勢いを増し、桜家を包み込んでいく。その光景をリビイは見てしまった。

桜家は跡形もなく燃え尽きる。

「俺が・・・、隊長を・・・殺した・・・・」

フォークトは周囲の炎を消し、リビイへと近づく。リビイはただ涙を流しながら近づくフォークト見続けていた。フォークトはリビイの胸倉を掴み持ち上げた。

「俺が憎いか?」

リビイはただ泣き続ける。

「この腑抜けが俺がお前を殺すのは簡単だ、でもそれじゃ詰まらない。お前は一生この罪悪を背負って生きろ」

フォークトはリビイの顔を掴んだ。フォークトの手が燃え上がりリビイの顔を焼く、リビイの悲鳴が響き渡る。フォークトは激痛で気絶したリビイを投げ捨てた。大きな通りからジークフリードが見える、フォークトは怪しく笑う。

「まだ始まったばかりだ、さぁ灼熱の炎よ!!舞え!!」



「おい、咲也!!起きろよ」

桜家が目を覚ますと目の前に楓の顔があった。

「か・・楓・・・」

桜家は夢を見ていた、悲しい夢を見ていた。

「どうしたんだよ、何か変だぞ」

桜家は拳を握り締め、ここが現実であることをしっかりと確かめた。

「明日はお待ちかねの模擬戦だ!!少し体動かそうぜ!!」

桜家は屋上の物置の上から四季の姿を見た。表情は普段通り、ぶすっとしているがどこか機嫌が良さそうだった。

「わかったよ、俺も手伝うよ」

「今日は乗り気だなぁ」

桜家は物置の上に立ち上がり二人の姿を確認する。

「あぁ俺はお前らと一緒に戦いたい」

桜家の言葉に二人は唖然としていた。

「俺、何か間違えたか?」


屋上に三人の笑い声が響いた・・・・・



 散り逝く花びらは 未来(あす)を齎し 四季を繋ぐ・・・・



 第五章 さくら散り 雪が舞う 終

 

                      ~つづく~


最後まで読んでいただきありがとうございます。

まず最初に題名がネタバレになってしまうので変更しております。分かり難くすいません。この話の題名は最後のものです。

この話はいろいろ伝えたいことがあるので、また活動報告で紹介するかと思います。

私事になりますが、暫く投稿を中断するかもしれません。私自身の問題なので大変申し訳ありません。最悪でも12月の二週には次話を投稿出来ると思います。

読者の方には大変申し訳ありません。よろしければ次話までお待ちください。

                         鳴谷 駿

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