第五章 人の力
こんにとは。
今回もよろしくお願いします。
~第五章 人間の力~
私は産まれた時から体が弱かった。本来、今の進んだ科学と能力により多くの病気は治すことが出来た。しかし、私にはどんな治療もどんな能力も効かなかった。私を診た一人の医者がこう言った。
「この子は科学も能力もすべて否定してしまう。だから、この子にはどんな能力も通用しない・・・」
私は必死に生きた、体を鍛え出来ることをすべてした。能力を制御し抑えることを身につけ、多くの武術を身につけ、多くの武器に触れ、多くの戦術を学んだ。
私は人間だ・・平凡な人間だ・・・それが私の最強の矛・・・・
セルフィアは膝をつき吐血するスティーグを見下ろしていた。
「何故、力が・・・・」
スティーグは口の周りの血を拭き取り、立ち上がろうとする。
「産まれ付きなんだよ。私にはどんな力も効かない、そして私の近くでは能力を発動することも出来ない」
「本当にいたんだ・・・そんな力を持った者・・・」
スティーグはセルフィアへ殴りかかる。セルフィアは簡単に拳をかわし、スティーグの腕を掴み、拳銃の銃口を胸に押し付け四発目の弾丸を撃ち込んだ。
一発目は右肩へ、二発目は左足へ、三発目はわき腹へ、そして四発目は胸を貫く。スティーグは胸を押さえ地面へと両膝をつく。
「私が触れた弾はお前の回復力も奪う、今のお前はただの人間だ・・・」
スティーグはセルフィアを睨みつける。
「人間ごときが・・・」
スティーグは胸にあいた穴へ指を入れ、弾丸を取り出す。
「調子に乗るな!!!!」
セルフィアは拳銃でスティーグの頭を殴る、揺れる頭へ五発目の弾丸を撃ち込む。
「あんたはその人間ごときに負けたんだよ」
スティーグはそのまま地面へと倒れ込む。デリーヌが満足そうにセルフィアに拍手を送った。
「さすがはアピースのナンバー1、流石ね」
「能力が強力なほど、力は奪われてしまえば無力なものだ」
その時、額から血を流しながらもスティーグが立ち上がる。セルフィアは振返り、銃口を向ける。
「やはり力を奪われようとも、頭を撃たれた程度では死なないか」
スティーグは指で体に残る弾丸を取り出す。体の傷が修復されていく。
「これで振り出しだ」
スティーグは怪しく微笑む。セルフィアは呆れたようにスティーグを見た。
「私の銃に残った弾はあと一発、これであんたを仕留める」
スティーグは顔を歪ませ笑う。
「馬鹿じゃないのか?一発で俺を殺す、さっき五発撃ち込んでもこの通り。殺れるものなら殺ってみろよ、にんげ・・・」
一発目と二発目の弾丸が撃ち込まれた時、スティーグは余裕を見せ防御一つ行わなかった。そして、彼の機動力は奪われ残りの弾丸を受けた。しかし、今回は違った。スティーグはセルフィアの動きに反応出来なかった。一瞬で懐へ入り込み隠し持っていたナイフで両目を切り裂く、次にナイフを心臓へ突き刺し、体重をかけスティーグを押し倒す。
「この・・女・・・・」
スティーグが反撃をしようと手を伸ばす。しかし、その腕はすでに地面へと落ちる。ナイフを額へと突き刺し、セルフィアは拳銃から弾丸を取り出し、弾丸を胸にあいた穴へ押し込む。
「くたばれ」
そして、胸へ拳を叩き込んだ。弾丸は心臓へと突き刺さり、心臓を止めた。スティーグの体は動くことやめた・・・・
セルフィアは血に染まった手袋をスティーグの胸にあいた穴の上に置き、煙草を取り出し火をつけた。
「そういや、あんたの能力って何だったんだい」
セルフィアは爆煙の上がる戦場を眺め、深く吸った煙を吐き出した。
「クライツ、美実、ジェネルの所に戻りな。私はもう大丈夫だ」
「了解です」
|だらしなく軍服を着た男が尋ねた。
「隊長は参加しなくてよろしいのですか?」
セルフィアは近くあった岩へと腰掛け、戦場を見つめる。
「大丈夫だろ、フェアの奴がいるし。あいつに勝てる奴がいるとも思えないしね」
「了解しました」
クライツと美実は一礼をして姿を消す。それとすれ違うようにデリーヌの元へ数人の部下が現れる。デリーヌは部下に何かを命じると、部下達はスティーグを担架の様なものへ縛りつける。
「セルファア、ありがとう。感謝しているわ」
セルフィアは振返ることもせず軽く手を振った。
「それじゃ、私達は失礼させてもらうわ」
「あんたもナンバーズなんだろ」
デリーヌは顔を歪めた。
「話、聞いていたのね」
「あぁ」
「私も殺す?それとも王子に私は化け物だって伝える?」
「別に何もしないよ」
デリーヌは不思議そうにセルファアの背中を見つめた。
「でもあんたの計画ってのが私の正義を汚すのなら、その時は覚悟しておいた方がいいよ」
デリーヌは怪しく笑いセルファアの背中へ背を向けた。
「肝に銘じておくわ」
デリーヌは部下と共に姿を消す。セルフィアは戦場を見つめ、煙草の煙を吐き出す。
「これが私の正義か・・・・、本当に勝敗しか正義と悪を決められないな」
ゆっくりと流れる風が、灰色の長い髪を揺らした・・・・
「で、あんたらは何者だよ?」
~つづく~
~ 登場人物紹介 第8回 ~
名前 フェア・クラウル
性別 男
能力 ??????
身体能力はかなりすごい
年齢 18歳
身長 180くらいあるとかっこいいかな
体格 細身で長身でも筋肉質
髪型 紺色(割と濃い目な感じ)でツンツンした髪型
服装 アピースの軍服は赤でちょっと丈が短め
耳にちょっとしたピアスをつけている
CVイメージ 候補は二人!!しぼり辛いwwww
雑談
五章で登場の新キャラクター。五章の主人公の一人とも言えるかな?どの場面で、いつ登場させるかずっと考えてきたキャラクター、まだ分かりませんがこの物語は16歳のロテル、フロル達、18歳のフェア、愛達、20ちょいのリゼリ達と世代が分かれております。それぞれが主役のストーリ構成だったり・・。
フェアのことを書くと身体能力はナンバー1、能力に関しても優秀です。そして彼にはもう一つの力が・・、それは皆さんお気づきかな?五章ではまだまだ戦います!!今後も彼の活躍にご期待ください!!あっ彼が活躍すると・・・
名前 セルフィア・ジェノン
性別 女
能力 能力の否定
年齢 25前後(四季とジャスの世代)
身長 172くらい
体格 普通にヒョロイ、モデル系か・・・
髪型 灰色の長髪、綺麗なストレート
服装 赤の軍服、アピースは男女同じ
CVイメージ 豊口め○み(冷静キャラの時の方)
雑談 遂にきた能力無効キャラ!!どうせ最強キャラとか考えるとここに行き着いてしまいますよ><。。でもこのキャラの設定で一番困ったのは武器です!!最初は刀・・愛と被る・・、剣・・剣キャラ多すぎ・・、じゃぁ・・リボルバーがいないじゃないか!!ってことで拳銃に(ちなみにこの拳銃は伯が持っているものと同じです)
この作品、上司がみんな女性。トップが男性はステラスだけだと、びっくり!!別に私の趣味とかではありません。スティーグとの戦いのこと考えたら女になった。ジャスに続くまともなキャラクター、自身の体が弱く死を実感していた為に、命の重さを知っている。
だから戦う時は必ず自身を正義とし、正義の為に奪われる命、犠牲の命として命を奪う。これは奪った命から逃れるのではなく、それを背負い戦い続ける為のもの。
愛用の煙草は缶ピース、戦いの後は必ず煙草を吸う。これは彼女なりの弔いと生残ったと言う生の実感。
最後までありがとうございました。
これで五章の3分の1くらいと言う事実!!
今後ともよろしくお願いします。