第五章 First
こんにちは。
さて今回は割りと気に入った回です!!
さてこの展開を予想できた方はいたかな?しっかりとフラグは立てておいたはず・・・
では、お楽しみください!!!
~第五章 First~
「やっぱり君が絡んでいたのか、まぁ知っていたけどね。ナンバー4」
スティーグは華やかなドレスに身を包んだ女に言った。
「私を番号で呼ぶのは、やめてもらえるかしら?団長さん」
「失礼、今は何とお呼びすればいいのかな?」
「デリーヌよ、それよりここに何をしにきたのかしら?」
スティーグは軽くにやけて答えた。
「もちろん、フォークトを殺しにさ。いくら何でも彼はやりすぎた、責任は取ってもらわなくちゃね」
デリーヌは豊満な胸の前で手を組み、不満そうに言った。
「それは困るわ、彼の力をこの世界は必要としているの」
スティーグは大きく笑った。
「世界が必要?笑わせないでくれよ、君が必要としているだけだろ。悪いけど、彼は殺させてもらう」
「あなたも私達の仲間でしょ、世界を私達のものにするには・・・・」
「興味ないね。確かに君がこの計画を提案した時、異論はなかった。しかし、それは計画が僕にとってどうでも良いことだったからさ、でも君は僕を巻き込んだ。そして、僕達の仲間に手を出した・・・」
デリーヌは反論した。
「それは彼のやったことでしょ、私の計画には関係ないわ」
フォークトは顔に手をあて頭を抱えた。
「その能力を持ちながら、よくもそんなことを言えるね。フォークトは殺す、君の計画なんてどうでもいい」
デリーヌは呆れたようにスティーグから視線を逸らす。
「もういいわ、こうなるのも分かっていたし。あなたが私の邪魔をするなら、私も容赦はしない」
「容赦しない?君の能力で僕をどうやって止める?」
「セルフィナ、もういいわ」
デリーヌの一声とともに赤い服を纏った三人が姿を現す。
「アピースか、本気で僕を止めるなら三人じゃ足りないよ」
スティーグは馬鹿にするように言った。灰色の長身の女が一歩前に出る。
「笑わせるな、戦うのは私一人だ」
セルフィアの言葉にスティーグは大きく拍手した。
「へー、それは僕を幻想の道化師の団長と知っての言葉かな子猫ちゃん?」
セルフィアは長い髪を掻き分け、スティーグを睨みつけた。
「あぁ知っているさ、さらにナンバーズとか言う輩ってことも承知している。あんた、死なないって本当なのか?」
「終わりがないモノなんてない、僕等は君達より少し丈夫なだけさ」
「そうか、なら良かった。死なないんじゃ、流石に私も勝てない」
セルフィアは腰にあった凝ったつくりの拳銃を取り出し、一発ずつ弾を込め始める。
「そんな小経口の銃で僕を殺すんだったら、トラック山盛りの弾丸が必要だよ」
「トラック山盛りって、そんなにいらないと思うよ。あとあのフォークトって男、そんなに強いのか?ただの炎を操る者だろ」
「ただの炎を操る者が幻想の道化師に入れると思う?彼の実力は本物だよ」
「そうか、アピースの元気なのがちょっと喧嘩を売られてね」
「その喧嘩買わない方がいいよ、大切な部下失いたくないでしょ」
「忠告、ありがとう。でも彼はその内、消えてもらうけどね」
「まぁ今日を生き抜けたら、彼を殺せるかもね。一つだけいいことを教えてあげる。フォークト・ガル・カーツ、彼の二つ名は《双色の道化師》覚えておくといいよ」
セルフィアは弾を込め終えるとゆっくりとスティーグを見た。
「あんたはさ、戦う理由考えたことある?」
スティーグは大きな声で笑った。
「ないよ、戦いたいから戦う、殺したいから殺す、楽しそうだから奪う、ただそれだけのこと。単純なことだよ」
セルフィアは拳銃を胸に当てた。
「セルフィア・ジェノン Apies First 勝利に正義を 敗北に悪を・・・」
「君も面白い子だね・・・・」
セルフィアが拳銃を胸から離した時に、デリーヌがセルフィナの前に手を出した。
「ちょっと待ってもらえる」
「もう君と話ことはないと思うけど?」
スティーグはすでにデリーヌへの興味を失っていた。
「私はあなたとセルフィアの戦いに一切介入しないわ」
「別に僕は君が介入してもかまわないよ、君の能力で埋められる力の差だといいけどね」
デリーヌは哀れむように笑った。
「すごい自信ね、でもあまり油断しない方がいいと思うわよ。私は勝てる戦しかしない主義だから」
デリーヌはそう告げると後へと下がった。
「さぁアピースの隊長さん、かかってきなよ・・・・」
中央ブロック 第二防衛線
フォークトの胸からリオルの腕が引き抜かれる。フォークトはそのまま地面へと倒れる。
「リオル君、ありがとう。中々、本体に物理攻撃が効くか分からなくてね」
リオルはフォークトを見つめた。
「大丈夫だ、それより大切な部下を一人・・・すまない・・・」
リオルの表情は辛く悲しそうで痛々しいものだった。
「僕等は兵士だよ、みんな死を覚悟している。だから君が謝る必要はな・・・」
その時、地面に倒れていたフォークトが立ち上がる。
「そうだよ、どうせ全員・・死ぬんだからさ!!!」
立ち上がったフォークトは炎に包まれ炎と化す。
「灼熱地獄」
灼熱の炎は生き物のように三人へ迫る、ヘルトは盾を召喚し炎を封じ込めようとする。
「お前が盾使いか」
ヘルトに向かう炎は大蛇のように曲がり盾をかわし、ヘルトへ向かう。ヘルトを炎が包み込む。桜家は通信機をとり叫ぶ。
「のんちゃん、早くダミー達を!!!」
周囲に桜家のダミー達が現れる。桜家はすぐにヘルトとダミーの位置を入れ替える。
「間に合わなかった・・・・」
入れ替わったダミーの位置には全身を焼かれたヘルトがいた。炎はすぐに周囲を包み込む、リオルは建造物の中へと逃げ込む。桜家は周囲のダミー達と入れ替わりながら炎から逃れる。
「このままじゃ、隊長達が・・・」
遠くのビルからリビイと少女は炎に包まれる、防衛線を眺める。近くにあった武器をリビイは手に取り立ち上がる。その腕を少女が掴む。
「リビイ、落ち着いて!!私達が前線に出ても何も出来ない、足手まといになるだけ」
少女の頬を涙が流れ落ちる。リビイは炎に包まれる防衛線へ涙に満ちた目を向ける・・・
桜家は建造物の陰に隠れ、ポケットから小さなケースを取り出した。
「これ使わなきゃ、勝てないか・・・・」
桜家の持つケースの中には青い目が浮いている。桜家はケースから目を取り出し、自身の左目へと近づける。青い目は生き物のように桜家の左目を喰らい、その場所へと収まる。
桜家の左目が青く光を放った・・・・・
~つづく~
最後までありがとうございました。
さて桜家が魔眼を回収していたの覚えていましたか?
この回をどれだけ待っていたか・・・
そして双色の道化師、軽くヒントを一つ一色は赤、もう一色は・・・
この戦いの結末はいかに!!!
次の投稿はたぶん4日ごろになるかと。
今後もよろしくお願いします!!!