第五章 火炎天劫
今回もよろしくお願いします。
予定していたストーリを修正しました。たぶんこちらの方がいいはず・・・
~第五章 火炎天劫~
中央ブロック 第二防衛線
桜家率いる第二小隊がフォークトの迎撃を開始した。第二小隊はこの戦闘に愛以外のすべて戦力を導入した。能力者六人が一人の能力者を迎え撃つ。
「ようやくマシなのが出できたな」
フォークトの前方に桜家が姿を現す。フォークトは迷わず周辺に転がる戦車を炎で包み投げつける。火の玉と化した戦車が桜家に迫る、桜家の目の前に大きな盾が現れ火の玉を止める。桜家は拳銃をフォークトに向けて放つ。弾丸はフォークトに届くことなく、焼かれた。
「ハウンズか、てめえが隊長か?俺は三下に興味はないぜ」
桜家は普段とは違う雰囲気を纏う。
「僕が隊長だよ、第三小隊隊長桜家だ」
突然、周囲からフォークトへ弾丸が放たれる。無数の火器がフォークトを襲う。爆煙がフォークトを包み込む。
「大炎葬」
フォークトから炎が噴出し、周囲へと広がる。
「この程度の攻撃で俺を止められると思うな」
フォークトの叫びと共に炎が激しさを増す。
「この程度で終る訳ないだろ」
地面が爆発しフォークトは割れ目へ飲み込まれる。
「バルンくん、よろしく」
周囲の建造物が爆破されフォークトの元へ倒れ込み、割れ目を塞ぐ。
「へっくん」
桜家の前に盾が現れ、倒れた建造物が爆発した。爆煙が周囲を包み込む・・・
「だからこの程度じゃ、俺は満足出来ないんだよ」
桜家の横の地面から炎が噴出しフォークトが現れる。
「爆炎」
フォークトの手から炎が噴出し、桜家を包み込む。桜家は微笑んだ・・・・
突然、桜家は風船のように割れ爆発した。爆発と同時に周囲に棘が飛び散る。
「リビイ、どうだい標的に損傷はあるかい?」
桜家はビルの上からフォークトを見下ろす。
「駄目です、無傷のようです。やはり炎が邪魔をして・・・・」
桜家は眉間に皺をよせフォークトを睨む。
「簡単にはやられないか・・・・」
フォークトは血管を浮き出し、怒りをあらわにしていた。
「三下どもが・・・・ぶち殺す」
周囲に広がった炎がフォークトへ集まる。
「炎蛍」
炎がフォークトのから噴出し、空高く舞い上がる。舞い上がった炎は拡散し周囲へと広がり降り注ぐ・・・その光景は美しく幻想的であった。戦場に降り注ぐ光、それは死を運ぶ幻灯・・・・・
フォークトは目を閉じて立ち止まった。
「見つけた・・・・・」
建造物の屋上で第三小隊の腕章をつけた青年が、フォークトを双眼鏡を通して見つめていた。青年はフォークトが放った炎が降り注ぐのを見上げた。小さな炎がゆっくりと降り注ぎ、青年はその一つをそっと手のひらで受けた。
「なんだよ、これ?」
その瞬間、小さな炎は燃え上がり青年を包む。青年はすぐに軍服を脱ぎ捨てる。
「炎渡」
フォークトの姿が消える。
脱ぎ捨てた軍服が激しく燃え上がる。その炎の中からフォークトが現れる。青年はすぐに迎撃に移るが、フォークトの放つ炎が青年の胸を貫く。青年はフォークトを睨み自分の体に触れた。
「お前も・・・道連れだ・・・・」
青年の体が爆発する・・・・
「隊長・・・、バルンの反応が消えました・・・・」
リビイの震える声が桜家の通信機から流れる。桜家は拳を握り締め、爆発の起こったビルを見つめた。
「へっくん、のんちゃん、一対一じゃこちらに勝ち目はない。僕が仕掛けるから援護頼むよ」
降り注いだ炎は地面に落ちると何かを探すように動き回る。
桜家は大通りへと姿を現し、地面を這う炎へ軍服を投げつけた。軍服は燃え上がりフォークトが現れる。桜家は現れたフォークトへ弾丸を放つ。
「当たるかよ!!」
フォークトの放った炎が弾丸を飲み込み桜家へと向かう。その炎を盾が現れ防ぐ。
突然、フォークトの後方から桜家が現れ弾丸を放つ。それを炎の壁が遮る。
「転移者か・・・・」
フォークトを三人の桜家が取り囲む。三人の桜家が同時に口を開く・・・
「さて僕が何人いれば君を殺せるかな?」
フォークト囲む炎が感情に反応し激しさを増す。
「何人だぁ、てめえらごときゴミが何人いようが俺を倒せる訳ねえだろうが!!」
三人の桜家へ一斉に炎が向かう、そのすべての炎を盾が防ぐ。
「うざってぇんだよ!!」
炎は激しさを増し盾を飲み込む・・・・
その時、ビルから桜家がフォークトへ向けて跳ぶ。桜家が投げたナイフがフォークトの肩をかすめた。
「俺に傷を!!!」
上空の桜家へと炎が舞い上がり、焼き尽くす。そして、燃え上がる炎の壁を大きな盾が突き抜ける。その盾の後からリオルが現れ、リオルの拳がフォークトを貫く。
周囲に広がった炎が一斉に消える・・・・
ビルの影から桜家とヘルトが姿を現す。
「能力の強さがすべてじゃないんだよ、派手なおにいさん・・・」
~つづく~
最後までありがとうございます。
投稿ペースが落ちてしまいすいません・・・
次回は割りと早い予定です。