第五章 BW.R
今回もよろしくお願いします!!!
~第五章 BW.R~
エグルガルム 大会議室
会議室にはアステリオスとエグルガルムの両国の上位兵士や幹部が集まっていた。ノークが簡単に挨拶を済まし、部屋の明かりが消えた。会議室の前方にあるモニターにエグルガルム周辺が映し出された。エグルガルムは過酷な環境下に位置しており、国自体の面積は一つの大都市程度しかない。しかし、科学力による地下都市や高層建造物によりその小さい面積の中に国家として十分な人口を抱えている。
エグルガルムは扇形をしており両側を山に囲まれている、その為に都市としての防衛力は高く、地形には恵まれていた。
「あと68時間以内にはアルカナス軍はこのエグルガルムに到着します」
会議室にいる全員の顔が引き締まった。
「現在、私達エグルガルムはカルベレス大峡谷以降、戦闘を行っておりません」
エグルガルムの軍部の一部から不満の声がこぼれ始める。
「これは戦術シミュレーションの結果、私達が勝利する方法、いや生残る方法は一度の戦いでアルカナスに勝利することだけです。現状としてわが国に長期戦を戦い抜くほどの国力はありません。その為、私は一度の戦闘でこの戦争を終らせるつもりです」
会議室の中がざわつく。
「戦闘を行う場所はここです」
ノークはエグルガルムのすぐ前を指した。ヴァイパーは納得したように頷く、エスナやハウンズの面々も同じように頷いた。
「私達が勝利する方法はマルクトロスを確保または・・、そしてアルカナスの主戦力であるアピースの壊滅です。アピースは7名で構成された少数部隊、この半数以上を戦闘不に出来れば十分でしょう。この両方を成し遂げればいくらアルカナスでも戦闘の続行は不可能、撤退を余儀なくするでしょう」
「単純な作戦で助かる。要するにアルカナスの奴等を壊滅させりゃいいんだろ」
ヴァイパーが大声で言った。それに反応する様に会議室の一角から声が響いた。
「一度、退却させることに何の意味がある?」「またアルカナスが攻め込まないと言う確証がどこにある」
会議室の中が大きく割れる。
「そのことには私がお答えしましょう。」
エスナが口を開いた、会議室全体が静まり帰る。
「世界のすべてが私達の敵ではありません。今は他国も状況を見守っている状態です、この戦いの結果が世界にどう影響を与えるか分かりますか?」
エスナは会議室全体を見渡す。
「私達が勝てば多くの国が確実にアルカナスに反旗を翻します。」
エスナの言葉が会議室に響き、すべての者が彼女の言葉を信じた。これの力こそが彼女の持つ才能・・・・・・王としての素質・・・・。そしてエスナは更に杭を打ち込む。
「私達アステリオスはハウンズ全小隊、王族警備隊をすでにこの国に集めています。そして可能ならば軍部の将官クラスも召集致します。」
会議場全体が震える、会議場にいたハウンズ小隊の面々も驚きを隠せずにいた。
「私達はアステリオスもこの戦いに賭けています。」
会議室に拍手が響き渡る。
「それでは作戦の詳細を説明致します。それではこちらのモニターをご覧ください」
その映像に多くの者が驚き、多くの者が微笑んだ・・・・
アルカナス アピース専用作戦室
マルクトロスは中央の高そうなソファーに深く腰かけ、話しを終え机にあったコップへ手を伸ばした。
「流石はマルクトルス元帥、自身を囮になさるなんて」
ジェネルはマルクトロスの向かいでゆっくりと眼鏡を外していた。
「奴らの狙いは私とアピースだろう、だからこそ君達は前線で戦ってもらう。そして存分に彼らを苦しめたまえ」
マルクトロスは嬉しそうに笑った。
「分かりました。各員に伝えておきます、好きなだけ暴れろと」
「セルフィアはどうした?」
「隊長はデリーヌさんと一緒です。私より元帥の方がご存知かと思いますが?」
マルクトルスは深く目をつぶった。
「あの女には注意しておけ、私自身も信用していない」
「了解しました」
マルクトロスはゆっくりと腰を上げ、部屋の出口へと向かう。
「私自身はあなたの作戦に何の不満もありません。しかし、一つだけ尋ねてよろしいですか?」
「なんだ」
「ステラスを襲撃したのは、彼に私達が勝てないと判断したからですか?」
マルクトロスは足を止めて単調に言った。
「その質問をした時点で、君達の実力は彼に及ばないのではないかね?」
それだけ言ってマルクトロスは部屋を出た・・・・・
~つづく~
最後まで読んで頂きありがとうございました。
次回からついに開戦です。私の持てる表現を出し切り、最大限皆様に楽しんで頂けるよう頑張ります!!
次話を6:00に投稿いたします。朝早いですがよろしければお読みください。