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Acht;untitled  作者: 鳴谷駿
第四章 Six Days / one day
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第四章 E7-0140524

こんにとは。

さぁ、四章もこれにて完結。ねらって投稿してましたが第50話です!!

読んでくださっている方達に感謝で一杯です!!!

では今回もよろしくお願いします。

~第四章 E7-0140520-Ⅵ~

「ロイテル、起きて。大丈夫?」

ロイテルはゆっくりと目を覚ました。そこにはリシアの姿が在った。

「何でリシアがここに・・・・」

ロイテルは突然周囲を見渡し、黒い大きな球を見て安心した。リシアは優しくロイテルの頬を撫でた。

「あまり無理をしないで」

ロイテルは無理やり立ち上がる、この人の前だけではロイテルは強くありたかった。

「俺は大丈夫だ」

ロイテルは無理やり体を動かし、黒い球の前に立つ。黒い球の中から声が響く。

「起きたかい、良かった、良かった。このまま一生この中じゃ、堪ったものじゃない」

ロイテルの横にリシアが並び黒い球を見つめる。

「どうやら他にお客さんがいるみたいだね」

リシアはロイテルの表情からこの中身が何であるか分かっていた。

「あなたが赤色の道化師、ベノン・ポイザスね」

ベノンは少しの間黙り込み、口を開いた。

「君がこの子の雇い主と言うことか、MTCのお嬢さん。リシア・メーシュナル」

「ご存知のようね」

「それでMTCの頭が私に何の用だい?」

リシアは艶のある声ではっきりと言った、それは命令のようだった。

「私達と組む気はない?」

黒い球から笑い声が響き渡る、ロイテルは少し驚いたようだが、リシアを見つめたまま何も言わなかった。

「ベノン卿、あなたがここに来た理由は私達と同じはず。そして、あなたにとって幻想の道化師アンティック・イマジネイションはただの都合がいいだけの居場所のはず」

黒い球の中からは何も返事は返ってこない。

名も無き者達(ナンバーズ)、そしてこの先にいるはずの“神”この世界の行く末、私はそれがとても気になる。どう世界の姿を見たくはない?」

「ここから出してくれ」

黒い球からベノンの声が聞こえる、ロイテルはすぐにリシアを見た。

「ロイテル」

ロイテルは一瞬、反論しようとしたがすぐに黒い球へ触れる。黒い球は静かに崩れ、ベノンの姿が現れる。ベノンはすぐに蛾達を針のように変化させ、リシアに向ける。針の先はリシアの首元で止まる。

「僕がなぜ刺さないと思った」

「いいえ、私はもとからそんなことは気にしていない。でも、もしあなたが私を刺すつもりなら彼がその針を止めたはずよ」

リシアはロイテルを見た。ロイテルはベノンを睨んでいた。針は蛾へと姿を変えていく。

「負けたよ、ニーア。君はこの子達をどう思う?」

ベノンの耳元に一匹の黒い蛾が囁くように舞う。

「そうかい、確かに分からなくもないな。うん、いい考えだ」

ベノンは大きな声で叫んだ。

重力操作者グラビティー・ウォーカー、いあナンバー9(ナイン)。いるのは分かっているよ」

暗闇から全身を黒に包んだ男が現れる。

「やぁ、ベノン。やっぱりばれていたか」

「このお譲ちゃんが一人でここに来るわけないからね。だから誰かしら護衛がいると思ったら君がそうだとは」

「まぁ、色々とあってネ」

ベノンは蛾を全身から放ち自身を包みこんだ、蛾達の群れはリシアの前に集まる。蛾の群れがベノンへと姿を変える。ベノンは膝をつき丁寧に頭をさげ、リシアを見つめる。

「君が本当に何を求めているかは知らないが、僕の長い退屈の中でこれだけこんなにわくわくするのは始めてだよ。どうか僕達の期待を裏切らないでくれよ」

ベノンの言葉にリシアは一言だけ返した。

「それはあなた次第よ」

ベノンは笑う、万遍の笑みをうかべ笑う・・・・

リシアは扉へと目を向ける。

「ベノン卿、ロイテルを治療できるかしら?私達はこれから神を殺さなくてはならないかもしれないから」

「お安い御用です」

ベノンはロイテルを見て微笑んだ。

「よろしく頼むよ、ロイテルくん・・・・」



~E7-0140524-Ⅱ sTart tO~

 ステラスはいつも通り自分の部屋の中へと入った。そして、すぐにこの部屋に違和感を感じた。真っ白ないつもの部屋、大きな窓の前には真っ白な机と椅子がある。そして真っ白な椅子には人の気配がある。

「中々帰ってこないので待ちくたびれたよ、ステラス君」

真っ白な椅子から擦れた声が聞こえ、椅子が回り老人の姿が現れる。老人は机の上に手を組み真っ直ぐにステラスを見つめる。

「アルカナスの天才軍師、マルクトロス卿が何の用かな?」

「どうやらご存知だったようだね、私も自己紹介を省けて嬉しいよ」

ステラスは部屋全体を読み込み、そしてこの男が丸腰であることを確認する。

「知らない訳はない、勝利の為にはどんな残虐な手段も使う悪魔。この世界で知らない人間を探すほうが難しい」

マルクトロスは微かに笑った。

「お褒めの言葉をありがとう。さてと私も君とこうやって話す為に苦労したよ。いったいどれだけの下準備をしたか・・・・」

ステラスの表情が曇る、この男の纏う雰囲気は人ではない。何か暗く深く、永遠と続く暗闇、その影は少しづつステラスへ近づく。

「11のことか?」

「もっと前だよ、私はこの計画を考えた。実際に実行したのは別の人物だがね、エグルガルムのΣは少し進み過ぎていた。だから君に壊してもらったのだよ」

ステラスは隠し持っていた拳銃をマルクトロスへ向ける。

「丸腰の老人にそんな物騒なものを向けるなんてね」

当然、拳銃から炎が上がる。ステラスは拳銃を放し、αを操作しようとする。その時、一発の弾丸がステラスを貫く。ステラスはわき腹を押さえ、後を振り向く。αはステラスがどんなに命じても機能することはない。そこには派手な服を着た男、銃を握った女が一人と全身を布で覆った者がいた。

「どこに隠れていた・・・・」

派手な服を着た男が言う。

「ずっといたさ、あんたが気付いてなかっただけ」

「そうか、その能力を使ってここまで来たのか」

マルクトロスは立ち上がりステラスに近づく。

「Σは優秀でな、Σは自己学習することで彼女の能力でもこの国には入れないほどのものでこちらも頭が痛かった。だから君に壊してもらった」

「狙いは私の命か?」

派手な服を着た男が大声で笑った。

「つけあがるなよ、カス。てめえごときの命なんざいつでも取れる」

「君には暫く戦線を離脱してもらうよ」

マルクトロスは拳銃を受け取りステラスに向ける。

「次に君が目覚める時にこの国があるといいね」

老人の笑顔と共に銃声が響き渡る・・・・・・


                 ~第四章 完~



untitled 第五章 予告


 狂宴の幕は開かれる・・・・・・・

世界は動き どこへ向かうのか・・・・・

灼熱の炎はすべてを灰に変え 焼き尽くす・・・・

多くの命を 燃やし より激しく 燃え上がる・・・・・


フォークト・ガル・カーツ


~灼熱の炎よ 舞え~


      プロローグ近日投稿予定・本章10月投稿開始予定



最後までありがとうございます。

四章が完結しました、11の事は一区切りつきましたが・・・ロイテル達のことは初の次章に跨ぐという構成へ!!今回はだいぶ彼のことを書いたので次回まで少しお持ちください><。。。

50話というこの記念すべき話数を迎えることが出来て大変うれしく思っております。これからも未熟な文章ですがなるべく皆さんを楽しめられるように頑張りますので、よろしければお付き合いください。

                鳴谷 駿

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