第四章 開扉
こんにちは。
では第四章も後半戦へ突入です!!
最後までよろしくお願いします。
~第四章 第四章 E7-0140522-Ⅴ~
エグルガルム地下施設 30F
「そいつらはそのくらいじゃ、壊れないよ」
天井の崩れた穴から小さな少女達が現れた、ベガは自分の体と同じ位の大きさの銃を背中に背負っていた。リオルは立ち上がろうとするC.Dの頭を捕まえ、拳で胸を貫く。そのまま通路の方へ投げた。ベガは大きな銃口をC.Dに向け引き金を引く、銃口から光が放たれた。
「これでしばらくは動けないでしょう」
大きな穴の空いた壁の向こうに二体のC.Dが現れる。リオルは拳を握りしめ、C.Dに向かう。
「危ないよ」
リオルはC.Dから距離を置く、空間が歪み二体のC.Dが潰される。
「ルイ、大丈夫かい?」
ルイのもとにユウがエスナ、ジャス達と共に現れる。
「ちょっと、死ぬかと思った」
ルイは痛みをこらえながらも笑いながら答えた。
「ユウ、姫様とルイと一緒に上へ戻りな。入り口でジュラルが障壁を張っているはずだ」
「えー、俺も戦いたいよ」
ユウがジャスに駄々をこねるように言った。ジャスはユウを睨む。
「ユウ、あんたは二人を送ったらフーとテムジと一緒に残された者の救出だ」
|スキンヘットの長身の男、|細身の丸い眼鏡をした男は驚いたようにジャスを見た。
「お前達二人を信頼しているから、ユウの子守を任せたんだよ。私はやらなくちゃいけないことがあるからね」
ジャスは怪しく笑い歩き出す、ジャスの後をミラが追う。
「私と来るのかい?」
ミラは恥ずかしそうに言う。
「あなたの能力は防御に向かないから、特に少数対複数では」
「よろしく頼むよ、さぁお互いにぶん殴ってやりに行こうか」
ミラは驚きながらもジャスの後を追う、ジャスは振返りリオルに言った。
「あんたはどうするんだい?」
リオルは拳を握り答えた。
「取り合えずは量産機どもを黙らせる」
「フー、テムジ、救出が終ったらその男を手伝ってやりな」
ジャス達は暗闇の中へ吸い込まれていった・・・
エグルガルム地下施設 36F
黒い手が開くと押しつぶされた11が地面に崩れ落ちる。リゼリの黒く染まった左目から黒い根が引いていく。地面に朽ちた11の上に銀の球が集まり、光を放つ。光は大きな穴を床に空ける。
「これで奴も暫くは動けないはずだ」
ステラスは床に空いた穴を覗き込む、穴は深く底を見ることは出来なかった。
「奴の回復能力を消すことは出来ないのか?」
リゼリは崩れた壁に腰掛け、床に空いた穴へ手榴弾を召喚し投げ込んだ。
「11は1から10までのすべての能力を自由に使うことが出来る。だから能力の元であるナンバー03を破壊すれば回復することは出来ないはずだ」
リゼリは天井を見上げ、エスナ達のことを考えた。
「まったく面倒なことになったな・・・」
爆音が突然響き渡る、一斉に床が崩れ始める。ステラスは銀の球を変形させ足場を確保したが、リゼリは床と共に落下する。リゼリは何とか鉄筋を掴み体を支える。リゼリの横へ11が現れる、11は両手をリゼリに向ける。巨大な衝撃波がリゼリを襲う、幾つもの壁を突き破りリゼリが吹き飛ばされる。
「リゼリ君!!」
ステラスはすぐに銀の球で11を迎撃に向ける。11はすぐに転移しステラスに迫る。限られた足場の中で11の一撃をかわす、ステラスは銀の球をワイヤーのように変え天井に貼り付け新たな足場に向かう。
新たな足場に着くと同時にステラスを衝撃波が襲う。ステラスは銀の球を操り、壁を破壊し衝撃を和らげる。ステラスは態勢を立て直し施設全体を読み取る。
ステラスは天井に向けて銀の球から光を放った。
「君には意思があるのだろ?」
ステラスの声が薄暗い部屋の中に響く、暗い闇の先に赤い光が見える。暗闇の中から11が現れる。
「そうか、私は君も一人の兵士、仲間として受け入れるつもりだったよ」
暗闇の中からピンク色の光が放たれ、11を包み込む。
「転移は出来ないよ」
エグルガルム地下施設 32F
「ネーリン、C.Dの02、05の機能停止を確認。さすがに三等分したら回復出来ないようだ」
リオルはネーリンの指示のもと、C.Dを個別に破壊していた。
「とにかく回復のもとを叩く、ナンバー03だな」
リオルは床を砕き、下の階へと下った。
~第四章 E7-0140520-Ⅴ~
ティール達は長く続く大理石でできた通路の先の大きな扉の前にいた。
大きな扉は低い音を立てて開く、扉の先に大理石で作られた美しい部屋が広がっていた。部屋の中央にひかれた赤いカーペットの上に一人の男がいるのが目に入った。ティールはとっさに魔銃を召喚し向ける。
「何だ、ここで何をしている?」
男は全身を黒い服に包んでいた、見た目は青年なのだがどこか違和感がある。男は答えることなくティール達に向かう。
「ティール、警告ってのはこうやるのよ」
アルルが水の矢を作り、男へ飛ばす。矢は男の顔のすれすれを通り過ぎる、男は顔色一つ変えることなくティール達へ近づく。
「なかなか肝が座っているわね」
アルルが大量の矢を作り放つ、矢は一斉に男に向かう。男に当たる直前に矢は消えてなくなる。
「私は消してない、なんで」
アルルの言葉にティールとバースはすぐに反応した。ティールはすぐに魔銃を放つ、漆黒の弾丸が男に迫る。男は簡単に弾丸を掴み、興味深そうに見つめる。
「この力はなんだ?私は知らないぞ」
男はティールの方を見つめ、真っ直ぐに向かう。バースが転移し男の背後に現れ、頭部に銃口を押し付ける。
「どんな能力か知らないけど、流石にこの距離じゃ、どうしようもないでしょ」
男はバースの言葉に反応することなく、ティールへ向かう。バースは男の足に向けて弾丸を放つ。
「マジかよ・・・」
弾丸は男をすり抜け、床へと打ち込まれた。バースはすぐに転移し男を拘束しようとする。
「私の知る中では一番早いな」
バースが転移を終えた時、バースは地面に倒れていた。バース自身何をされたかも分からなかった、ただどんなに体に命じても体は動かなかった。
「お嬢さん、君の能力はなんだい?」
ティールはすでにこの男が自分の力を遥かに超えているのを理解していた。
「ティール!!!」
アルルが叫ぶと同時に男の足元から大量の水が吹き出る。アルルは青く光る槍を召喚し男へ向けて放つ。男を囲む水がいっきに炸裂する。辺り一面が水蒸気が包み込む。
「こいつはなんですの、いや・・・・」
水蒸気により真っ白い霧に包まれた部屋にアルルの声が響く。
「アルル!!どうしたの!!!」
突然、風が吹き視界が晴れる。アルルは床に倒れ込んでいる、ティールはすぐに男を捜す。
「こんな高質な能力者がいるとは」
ティールは背後から聞こえる声に反応し、漆黒の剣を召喚し振るう。
「あなたはいったい・・・・」
漆黒の剣は男の指一本に止められていた、男は漆黒の剣をティールから奪い見つめる。
「これは私の知らない物質で出来ている・・・」
男は剣を見つめぶつぶつと何か言っている。
ティールはこの男に殺意がないことを悟った。
「それは私が召喚したもの、魔の道具。この世界のものではないの」
男は目を丸くしティールを見つめる。
「魔?この世界のものでない?」
「あなたは何者なの?」
男はあっさりと答える・・・・・
創造主・・・・・この世界の神だよ・・・・
~つづく~
最後までありがとうございました。
えー誤字が多いかもしれません><。。ご指摘くだされば修正します・・・
書ける時にがんがん投稿いたします。いつまで続くか分かりませんがお付き合いください!!!
早く五章を!!!!!