第四章 赤
こんにちは・・・・。
本当にすいませんでした、投稿するとかではなく。執筆すら出来ていない・・
暫くは安定して投稿出来るよう頑張りますので・・
よろしければお付き合いください。
~第四章 赤~
ずっと前の話、とある国に一人の少年がいた。少年は上流貴族の一人息子だった。少年の一族は代々強い能力を引き継いでいた「不死身」少年の一族に寿命以外の死はなかった。例え頭を切り離されようとも、心臓を引き抜かれようとも彼らは死ななかった。
しかし、彼らは死なないだけであり、強くはなかった。少年は違った、類稀なる才能に恵まれていた。彼にとって世界は単なる茶番だった、彼に出来ないことはない。欲しいものもすべて手に出来た、誰もが彼を称え、羨む・・・
しかし、彼は自分の力に満足していなかった。「不死身」ただそれだけであることに少年は満足出来ない、彼は更なる力を求める・・・
そして、少年は出会った・・・・少年の住む国には一つの言い伝えがあった。
黒き魔女は住む・・深い深い森の奥・・・
妖黒の羽に包まれ・・一人で・・
魔女は美しい・・・でも誰も彼女を愛せない・・・
彼女は死・・・・彼女と死は一つ・・・・・
黒き魔女は今も待ち続ける・・・共に歩める者を・・・
「ただ一人・・・・孤独と共に・・・・・・」
少年は言い伝えにある森へ向う、少年は思う。
「俺は違う、もし本当に魔女がいるならば」
暗く深い森の奥で少年は美しい女の姿を見た、全身を黒に包み寂しそうに森の奥を見つめている。女の周りには無数の蛾達が飛び回っていた、少年は静かに女性へ近づく。
「近づいては駄目、死んでしまう」
悲しげな声が森の中を響き渡る、少年は足を止めることなく近づいて行く。
「お願い、近づかないで」
少年はさらに足を進め、大きな岩に腰掛けている女の前に来た。少年は目を輝かせ女を見つめ続ける。
「本当にいたのか」
女は悲しそうに少年を見る、少年は自分の口から何かが流れ出ているのに気付く。口だけではない、鼻、耳、目までもから血液が流れ出ている。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
少年は笑い、女を見つめる。
「俺は死なない、絶対に死なない」
女は驚き、目を潤ませながら少年を見る。その顔はやがて涙に変わりゆっくりと流れ落ちていく。その時、少年は揺れ地面へ倒れ込む。女は少年に近寄ろうとするがそっと手を引く、そして悲しそうに少年に背を向け離れて行く。
「まっでくれ・・・、俺は・死なない・・あんたといれる」
女は振り返ることもなく少年から離れて行く。
「ありがとう」
少年は大量の血溜りを足元作り立ち上がる、そしてゆっくりと女へ近づいて行く。
「あんたは俺を待っていたんだろ・・・」
少年は口から大量の血液を吹き出す、体は大きく振るえながら進む。女は足を止め立ち止まる。そして、少年は女の手取った・・・・
「あんたには俺しかいない、俺にもあんたしかいない・・・」
女は振るえ、小さく呟き無数の蛾へと姿を変え少年を包み込む。無数の蛾達は少年の体へ吸い込まれる、そして少年は倒れ全身から血液が噴出した・・・
数日後、少年は生れ育った町へ戻った・・・
町は赤く染まった・・・彼は赤く染まった町の中、自身の家族を見つめ笑う・・・
「俺は違う・・・・・・・・・・・」
~第四章 E7-0140520-Ⅴ~
「ようやく、一回だね。君のその力、まだ未熟だなぁ」
ロイテルは荒く呼吸をする、ベノンに比べ確実に消耗していた。ベノンを追い詰めるために使った能力は12回、ロイテルにとってこの回数はすでに限界すれすれであった。ベノンはロイテルの回復を待つように話を始める。
「君達のような能力者には突き詰めると二種類いる。一つは操作し創る者、もう一方は自身が成る者だよ。ここには大きな壁がある、前者は努力・経験でたどり着けるもの、後者は生まれ持った素質さ。君は後者、僕ですら後者の能力者は殆ど出会ったことがない」
ロイテルは呼吸を整え、ブレードを構える。
「では前者と後者の能力としての最大の違いは何だと思う?」
「神鳴」
ロイテルは金色の閃光と化す。
「それはね、後者の能力の源は命さ」
ベノンは無数の蛾へと姿を変え、ロイテル包み込む。
「De;Empal」
閃光から姿を戻したロイテルを蛾達は包み込み、無数の針へと姿を変えロイテルへ向かう。
「咲雷・蓮」
ロイテルの体が光り、周辺を焼き尽くす。
「蛾なら燃やせる」
ロイテルがふら付く、ブレードを地面に刺し持ちこたえる。ベノンが姿を現し、片手へ蛾達を集め大きな剣を造る。そして、笑いながらロイテルに向かう。ロイテルは何とかベノンの剣を防ぐ、後に下がろうとした時に右足に痛みを感じる。地面から生えた黒い棘が腿の辺りを貫く。痛みに耐え棘を引き抜き、ブレード支えに持ちこたえる。
「本当ならもう死んでるよ。僕の本来の攻撃は毒、一撃でも相手を捉えれば必ず殺せる」
ベノンの剣がロイテルの左肩を貫く、ロイテルはベノンを睨む。ロイテルは金色の閃光と化し、ベノンの心臓へブレードを突き刺しすり抜ける。ベノンは振返り、胸に刺さったブレードを引き抜く。
「まだ使えたなんて!!油断した」
ロイテルはぐたりと地面に膝をつきベノンを見上げていた。
べノンの表情が変わり鋭く目が変わる。
「ニーア」
べノンの横へ蛾が集まり姿を変える、真っ黒なドレスを着た女性が現れる。
「いい子なのに殺してしまうの、ベノン」
ニーアはベノンに話かけた、ベノンはニーアの手にそっと触れた。
「彼は死なない、彼の目を見てみなよ」
ニーアはロイテルを見つめ、やさしく笑う。
「似てるわ、でもちょっと違う」
「これが僕の力の姿、これから君が目にするのが本当の力」
ベノンはニーアを抱きしめ、耳元でやさしく呟く。ニーアは真っ黒な蛾達へと姿を変えベノンを包み込む、蛾達は羽のように姿を変えゆっくりと開く・・
「僕の能力の色は黒、でも僕は赤色を名乗る。これはなぜだと思う?」
羽が開き、黒き羽を持ったベノンが姿を現す。全身は黒く染め上がり、静かに真っ赤に染まった目が開く。羽が大きく羽ばたく・・・・そしてベノンから霧状に血液が吹き出る・・・周囲は赤く赤く染まる・・・・
ベノンは指を一本立てロイテルに見せる。
「0.0000001mgこれが君を殺すのに十分な量、さぁどうする?もう君に届く頃だよ」
ロイテルはそっと首元へ手を伸ばし何かを握り締めた・・・・・・
~つづく~
最後までありがとうございます。
よろしければ次回もお付き合いください。
四章の終わりが見えません・・・・><。