第四章 E7-0140520
こんにちは。
第四章も中盤戦です!!実は四章は五章への繋ぎだったり・・・
では今回もよろしくお願いします。
~第四章 E7-0140520-Ⅳ~
ロイテル達は大きな扉の前に立っていた、その扉は厚く豪華な装飾が施されていた。
「どうやらここが目的地のようだね」
ロイテルが扉を開こうと手を伸ばした時、ロイテルの目の前を一匹の蛾が通りすぎた。ロイテルは反射的にその蛾を目で追った。
「どうした?」
ティールがロイテルの異変に気付き近寄った。
「少し用事が出来た、先に行ってくれないか?」
ティールはロイテルの視線の先に目をやった、しかしそこには何も見えなかった。
「どういうことなの?」
ロイテルは何も答えなかった、ティールは扉に手を触れた。
「アルル、バース、中に入るよ。ロイテルは扉の見張りをお願い」
「よろしく頼みますわ」「お留守番、よろしくね」
ティールは扉を開き中へと進む、ティールはすれ違いざまにそっと囁いた。
「無理はするな、もしもの時はすぐに呼べ。私達は仲間だ」
三人はロイテルを残して扉の中へ入っていく、バースが扉の閉まる直前に囁いた。
「今度は勝てるといいね」
扉が閉まると共にロイテルは両手にブレードを構える。
「いつからいた」
ロイテルは誰もいない薄暗いトンネルへ尋ねる。トンネルの奥から無数の蛾達が現れ、ロイテルの前に集まる。
「いつからだろうね?君がスクリューを通り抜けた時にはもういたかな」
無数の蛾は赤色の道化師へと姿を変える。
「久しぶりだね、少年。今回、僕は傍観しに来ただけだよ」
ロイテルは蒼い閃光と化し道化師に近づく。ロイテルが振るったブレードをベノンは蛾を杖に変え受け止める。
「咲雷・慟」
ブレードを媒介に一機に電流がベノンに向かう、電流は一瞬ベノンの動きを鈍らせる。ロイテルはもう一方のブレードでベノンの胸を貫く。
「咲雷・烈」
電流が一点に集まり炸裂しベノンの胴体を粉々にする。飛び散った肉片が蛾へと姿を変え一点に集まりもとの姿へと戻る。
「期待ほどの成長はないね、残念だな。それにまだそんな機械の力に頼ってさ・・」
ロイテルは会話を最後まで聞くことなく閃光と化す。
「だからさ、その程度の速さじゃ駄目だよ」
閃光と化したロイテルをベノンの足が捕らえる。
「学習しない子は嫌いだよ」
しかし、ベノンの足はロイテルをすり抜ける。そのままロイテルはベノンの首を切り落とす。ベノンの首が地面へと落ちる、ロイテルは地面に落ちた首にブレードを突き刺さし首を胴体へ投げつける。胴体は首を受け取りもとの位置へ戻す。
「今のでスクリューを通り抜けたんだね、君はやっぱり面白いよ。じゃあゲームをしようじゃないか!!」
ベノンは嬉しそう拍手をした、ロイテルはベノンを睨んだまま動かない。
「残念ながら君の力じゃ、僕を殺しきることは出来ない。だから、あと三回僕を殺せたら君の勝ち。僕は負けを認めて退散するよ。ルールはこれでいいかい?さぁ一緒に踊ろうよ!!」
「神鳴」
ロイテルは金色の閃光と化し、ベノンの懐に入り込んでいた。ベノンの胸にはブレードが突き刺さっていた。ロイテルはブレードを切り上げ、ベノンを両断した。
「今度は殺してやるよ、死ぬまで」
ベノンは二つに分かれた体を自身腕で引き寄せくっ付けた。
「君に出来といいね」
赤色の道化師は怪しく笑う・・・・
~第四章 E7-0140522-Ⅲ~
エグルガルム地下施設 25F
封鎖された26F以降への救助に向かう為に多くの兵士達が様々な手段をこうじていた。
「ミラ、ベガどうだ?」
リオルは厚い障壁を見つめていた。
「駄目です、防衛システムへの介入は出来ません。壊して進むしか・・・」
リオルは障壁に近づき拳を叩きこむ、障壁は傷一つ付くことなくそびえ立つ。
「ちくしょう」
その時、後方から騒がし声が聞こえてくる。エグルガルムの兵士達が数人の男女ともめているようだった。
「私達はハウンズの第二小隊、うちの姫様が中にいるのでしょ」
リオルはジャス達のもとへ向かった、ジャスはリオルの姿を見つけ話かけた。
「あなたは確か、愛の・・・。ねぇ、どうにかしてくれる?この人達が私の言うことを信じてくれないの」
リオルは一瞬、ジャスの言葉が気になったが今は無視した。
「通してやれ」
「ありがとう、どうやらあなた達もお困りみたいね」
リオルは障壁の方へ目をやった、ジャスは障壁を見て頷いた。
「その女の人は!!」
ミラがジャスを見つけ駆け寄って来た、ミラはジャスの能力を知っていた。
「ベーテルでの小娘じゃないの、大好きなステラス様が心配でたまらない様子だね」
ミラは眉間に皺をよせジャスを睨んだ、ジャスは軽くミラの頭を撫でた。
「可愛い子じゃなか、私は子供が好きなんだよ。こんな顔されちゃね」
ジャスは扉の前へ向かう。
「危ないからどいてな」
ジャスが扉の方へ手を向ける、そして空間ごと掴みこじ開ける。障壁は空間ごと歪み、大きな穴を空ける。
「さぁ、行こうか・・・・・・」
リゼは36Fにいた、11は床を爆破しその隙に姿を消していた。リゼは爆発で左足に負った傷を物陰で処置していた。
「クソが、俺としたことが奴の能力のことを忘れていた。全部で10種類の能力か、それを同時に発動できるなんて面倒な奴だ」
リゼの方へ無数の瓦礫が飛んでく、瓦礫は一斉に爆発する。リゼは何とか鉄壁で爆発をしのぎ、11を探す。
「どこへ・・」
煙の中から11が現れリゼの首を掴み鉄の壁へ叩きつける、リゼの体を衝撃と激痛が襲う。リゼはゼロ距離で11の頭に弾丸を撃ち込み続ける。11は平然と腕に力を入れる、リゼの骨が軋む。その時、一本の光が11の腕切り落とす。
「リゼリ君!!」
リゼはハンドガンを捨て黒い影を纏う、黒い大きな手が11を捕まえ握りつぶす。
「舐めるな」
~つづく~
最後までありがとうございました。
明日がもしかすると投稿できないかもしれないので、早ければ今日のうちに投稿出来るように致します。
では連休をお楽しみください。