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Acht;untitled  作者: 鳴谷駿
第四章 Six Days / one day
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第四章 E7-0140522

こんにちは。

久しぶりの投稿になってしまいました、この連休中は毎日投稿できるよう頑張りますのでどうぞよろしければお付き合いください。

~第四章 E7-0140522-Ⅰ~

 エグルガルム地下施設 最下層部

 地下にそびえる巨大な研究施設の最下層には多くの研究者達が集まっていた。地下施設は巨大で植物の根ように地中に広がっていた。施設の最下層の演習場の中央には真っ黒な人形が拘束されていた。

「|C.D《Cluster.Doll》、ナンバー11(イレブン)の稼働実験を開始します」

厚い眼鏡をかけた女(ネーリン)は目を輝かせモニターから11を見つめる。

黒い人形の目に赤い光が灯る、拘束が外れぐったりと地面に立つ。

「可動可能域に数値安定、システムに問題ありません」

ネーリン達とは別室のモニターから稼働実験を見物するステラスとエスナ達。

「これが前回の戦いで、たった九体で連合国軍を半壊させたC.D・・・」

エスナと共に第二小隊の面々がモニターを見つめる。

「いいえ、これは今までのC.Dとは違う。C.Dは小隊単位での能力の共有を可能した人型兵器、その小隊を指揮する為に造られたのがこのナンバー11(イレブン)・・・」


「試験用兵器を稼働、11に対して攻撃を開始」

11の周りを複数の多脚式戦車が囲み攻撃を始める、発射される弾丸が11に向かい爆煙に包み込まれる。爆煙の中から黒い人形が飛び出る、戦車に近づき素手で破壊する。素手で装甲を貫き破壊を繰り返す、弾丸を簡単にかわし、例え当たろうと傷一つ付くことはない。

「基本性能の試験を終了、次に各C.B達とのリンクを開始」

「01から05までを接続」

「システムに以上なしです」

「06から10までを接続」

11は突然動きを止める、ぐったりと肩を落とし赤い光が消える。

「11の機能停止、原因は不明。接続中の01から10までも機能停止したままです」

厚い眼鏡をかけたネーリンは画面を睨みつける。

「ネーリン局長、どうやら失敗のようですが・・・・」

ネーリンは何も答えずモニターから11を見つめる。演習場の中に数人の研究者達が入り11に近づく。その時11のシステム状態を表す数値が振り切れていく、響き渡る警報音。11の目に赤い光が再び灯る、そして11は雄叫びを上げる。

「え・・・・・・・」

11に近づこうとしていた研究者の胸を11の腕が貫く。ネーリンがマイクに向かって叫ぶ。

「今すぐ逃げなさい!!!!」

11は次々に研究者達を殺す、真っ白な壁が真っ赤に染まる。動く者のいなくなった部屋で11はカメラに向かって笑う、そして映像が途切れる・・・

「ネーリン、これはどういうことだ?」

通信機から聞こえるステラスの声、ネーリンは冷静に答える。

「実験は失敗です、そして11はご覧の通り制御不可能。原因は不明・・・」

暫くの沈黙の後にステラスの声が聞こえる。

「11はただ今をもって破棄とする、方法はとわない・・」 

突然、施設全体の電源が落ちる。両者達の部屋は暗闇に包まれる、すぐに非常灯がつき部屋が怪しく照らされる。ネーリン達のいる部屋にノイズの混じった通信が入る。

「緊急事・・・事態・・・、C.Dの01から・・・が稼働・・・、10が施設全体のシステムへの侵入を・・・」

ネーリンは通信機のある机へ両腕をおろし、静かに囁いた。

「逃げられないわ・・・、なんてことを・・・」


 ステラスは何度も通信機に呼びかけていた。

「駄目だ、通信機器はすべて使えない。エスナ姫、申し訳ない」

エスナは落ち着いて答える。

「いいえ、私が無理を言って来たのですから責任はそちらにありませんわ。それに私には彼らがついていますから」

エスナの周りには第二小隊の面々がいた、リゼリは両腕を組みモニターに映しだされた地下施設の地図を眺めて口を開いた。

「俺達はどうすればいい?」

ステラスは地図を見つめ説明を始める。

「この地下施設アークは中央の大型エレベータを中心に52の階に分かれている。11の稼働実験は最下層の52Fで行われていた。私達が今いるのは30Fだ、地上に上がるには中央の大型エレベータを使うか5階ごとに位置するエレベータを使うかなのだが・・・」

「何か問題でもあるのかしら?」

「私達のいる30Fの二つ上の28FはC.Bの格納庫がある」

「俺達は挟まれたと言うことか?」

「そうだ、そして最大の問題は25Fより下の階は、今エレベータは動いていない。非常灯がついているとうことは、緊急時のプログラムが作動中だ。緊急時は事故発生に関与したと思われる区間は封鎖される、本来なら状況に応じて解除されるのだが・・・」

リゼは各員に装備の確認を命じる。

「本当にエレベータは動いていないのか?」

ステラスはそっと目を閉じた、Sクラスの空間認知者が施設全体を読み取る。

「間違えない、そして11が上を目指して移動を始めている」

リゼはハンドガンを召喚(リコール)する。

「ルイ、ユウ準備はいいか?」

ユウは大きな声で返事をした、ルイも返事をした。

「C.B達はどうだ?」

「C.Bは今も28Fにいるようだ、11を待っているようだが?」

「ここで11が通りすぎるのは待つか?」

リゼは笑いながステラスに言った、ステラスの周りに銀の玉が浮かぶ。

「いや、私には責任がある。部下のした失敗は上司が責任を取らねばな」

「姫様の我が儘に付き合うのも部下の仕事さ」

リゼとステラスは微かに笑う。

「ルイ、ユウ、エスナ姫の警護は頼んだぞ」



~第四章 E7-0140520-Ⅲ~

「いや~アルルちゃんの能力って便利だね!!おっと・・・」

ロイテル達はアルルのエイに乗りながら無数の小型防衛兵器を破壊しながら進んでいた。

「もうキリがないでわ、ロイテル!!あれやるわよ」

ロイテルは動きを止め、静かに集中を始める。アルルは水を無数の触手にかえ辺り一面へ広げる。触手達は防衛兵器達へ絡みつく、触手の端にロイテルが触れる。

咲雷(しょうらい)・燦」

触手を伝わり電撃が広がる、無数の兵器達がいっきに地面に伏せていく。

「すごいねー、僕の能力は地味だからいいなー」

バースはいつも通りへらへらとしている。

「防衛レベルをイエローからレッドへ変更」

トンネル全体が赤く光る、近づいて来る巨大な機械音。

「これはちょっと・・・・」

ロイテル達は全力で来た道を戻り始める、トンネルを塞ぐ巨大なスクリューがロイテル達を追いかける。

「こりゃ大変だね」

召喚(リコール) 魔弓 レラージュ」

ティールが巨大なスクリューに漆黒の矢を放つ、漆黒の矢はスクリューに当たると消えてなくなる。

「対魔コーティングか」

ロイテルがティールの横に立つ。

「一番良く切れる剣をくれ」

ティールはロイテルの顔を眺める、ロイテルはチラッとティールの顔を見て目線を逸らす。

「隊長、一番良く切れる剣をくれ・・貸してくれるか?」

ティールはクスクスと笑い漆黒の刀を召喚する。

「魔刀 ビューネア」

漆黒の刀には三匹の蛇が絡みついている、ロイテルは刀を受け取りスクリューへ蒼い閃光と化し飛び込む。刀とスクリューの羽がぶつかる音が続き、ロイテルは弾かれ吹き飛ばされる。

「あんたも手伝いなさいよ!!」

「任せないっと」

バースはロイテルのもとに転移し、二人は姿を消す。バースはスクリューに手榴弾を投げ込む、爆発が辺りを包む。バースとロイテルはティール達のもとに戻る。

「駄目だこりゃ」

その時、トンネルの後で巨大なシャッターが下ろされた。

「逃げ道もなしだね、どうしますか??」

バースの質問にロイテルが答える。

「俺がスクリューを通り抜ける」

三人はロイテルを見つめる。

「馬鹿じゃないの?死ぬつもりですの?」

ロイテルはティールを見た、ティールはロイテルをじっと見つめた。

「策はあるの?」

「試したい技がある」

「バースはもしもの時、可能な限りロイテルを助ける準備を、アルルは最大量の水で少しでもスクリューの速度を落として」

「分かりましたわ」「了ー解」

四人はスクリューと向かい合う。

「これが最初で最後のこのチームでの作戦なんてごめんよ」

 

                             ~つづく~


最後まで読んでくださりありがとうございます。

連休中にいっきに投稿する予定です!!!

よろしければお付き合いください!!

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