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Acht;untitled  作者: 鳴谷駿
第四章 Six Days / one day
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第四章 E7-0140519 Ⅰ

こんにちは。

今回もよろしくお願いします。

~第四章 E7-0140520-Ⅰ~

 アルファルド領土内 某所

「思ったより楽勝だったね」

バースはいつも通りの軽い笑顔でロイテルに話かけていた。アルファルド領内にある極秘施設の制圧はすでに完了していた。

「司令塔の占拠、入り口は見つかったか?」

ロイテルはバースの話に耳を傾けることなく通信機の返答を待っていた。その時、外で大きな音が響く。

「見つけたわ」

ロイテルとバースは司令塔から外を見た。地面に大きくあいた穴、その奥に見える巨大なシェルター。シェルターに描かれた00のナンバー。

「さぁ一国の王様がここまでして隠したモノを見に行こうか」



~第四章 E7-0140519-Ⅱ~

大広場はもの凄い熱気に包まれていた、その中特等席の二人は静かにその光景に目をやっていた。先に口を開いたのはエスナだった。

「もう体は大丈夫ですか?」

ノークは少し驚いようだった。エスナはノークはきっとこういった場には慣れていないのだろうと思い気を使って先に口を開いた。

「もう大丈夫です」

上手く続かない会話にエスナは少しイラついていた。エスナにとってはこの場はステラスとの交友を深め、情報を獲るはずの場だった。

「ありがとうございました」

「えっ?」

突然の感謝の言葉に今度はエスナが驚いていた。

「私が今こうしていられるのは、あなたの御陰だとステラスから聞いています」

「そのことね、私はあなたのことを利用しただけよ。だから感謝なんてされても困るわ」

エスナの言葉にノークは優しく笑った。

「優しい人ですね」

ノークの言葉にエスナは少し頬を赤くした。

「実はあなたに見せたいものがあります。このことはステラスもまだ知りません、まずはあなたに見てもらいたかったので」

ノークはエスナに数枚の書類を見せた。エスナはゆっくりとその書類に目を通した。

「何か気付きましたか?」

エスナは静かに書類を閉じた。

「こんなことって」

書類にはノークがΣ(シグマ)を通して得た世界の近年の歴史達が書かれていた。

「そうです、明らかにこの数十年の世界の動きには意思がある。そしてその動きは次第に激しくなっている。そしてこの前のアルファルドを中心とした連合国との戦争、私はΣは本当はあんな答えを導いていないの・・・・」

エスナは一瞬静かになり口を開いた。

「まるで神の意思ね、きっとアステリオスとエグルガルムの同盟もその一つ・・・」

「間違えないでしょう。この同盟によって世界は三つに割れた、私達を中心とした同盟国、アルカナスを中心とした国々、そして中立国達に」

その時、大きな花火と共に祭りは終わりを告げる。

「この意思はきっと今の世界を壊すつもりでしょう、私はこの国を世界を守りたい。あなたはどう思いますか?」

ノークの言葉にエスナは何も答えずに席を立つ。ノークは引き止める様子もなくエスナを見送る。エスナは護衛と合流し会場を出る為に車に乗り込んだ。

「私も駒の一つだと言うことなの・・・」

ノークは特等席からエスナの車を見つめていた。

「彼女は違う、でも彼女もこの世界を壊そうとしている。私はどうすればいいの、ステラス・・・」



~第四章 E7-0140520-Ⅱ~

 シェルターが開くと次々に階段が音をたてて現れる。大きな穴を円状の階段が奥へ続いていく、階段は先の見えない闇へ四人を連れていく。

「いゃーこれが四人でやる最初の任務だね」

階段を下りながらバースは退屈したのか喋り始めた。

「別に私達二人で十分でしたわ」

アルルが水でできた扇子で扇ぎながら答えた。

「ひどいなぁ、僕は君との任務を楽しみにしていたのにさ」

バースとアルルの会話にロイテルは見向きもしなかった、ティールも呆れた様子で静かに階段を下っていた。

「そう言えばさ、僕達はこれから一緒に任務に就くわけでしょ。だったら誰がリーダーか決めた方がよくない?」

バースの話にアルルはすぐに食いついた。

「どうしてもと言うなら私がやってもよろしいですわよ」

「誰もアルルちゃんには頼まないよ」

アルルはバースを睨みつる、険悪な雰囲気を読み取りティールが割って入る。

「二人とも今は任務中だよ、少しは緊張感を持って・・」

「ティールちゃんには分からないの、任務だからこそ早く決めなきゃなんだよ」

ティールはバースに丸め込まれ言葉を詰まらせる。

「ロイテルくんでしたかしら?あなたがこの中で一番長くこの部隊にいるのでしょ、あなたが隊長でどうかしら?少し若い気もするけどそこは譲るわ」

ロイテルはアルルの話に答えることなく階段を下り続ける。

「無視するならいいわ、私達で決めるから。ティール、あなたがやってくださる」

ティールは驚いて階段を踏み外した、とっさにバースが反応してティールを支えた。

「隊長さんがこんなじゃ、心配で任務にあたれないよ」

ティールはすぐにバースを振りほどいた。

「私が隊長?」

ティールにとって隊長などの経験は決して少ないものではなかった。しかし、今回は今までとは違いすぎる。明らかにこの部隊で自分が一番弱いことを彼女は知っていたからだ。

「しかし、私はこの中で・・・」

「一番まともだよ、俺もあんたでいいと俺も思っている」

ロイテルの声が静かに響いた。

「引き受けるわ。ただし条件が一つある」

ティールはロイテルに近づいて話かけた。

「私達は仲間よ、だからあんたなんて呼んではダメよ。わかった?私はティール・バールス、よろしくね」

ティールの行動をバースとアルルは目を点にして見ていた。

「ねぇ、ティールちゃんってあんなキャラなの?」

「知らないですわ、私も驚いているんですから」

「二人とも任務中よ」

ティールは小声で話す二人の方を見て普段の雰囲気で言った。

「すいません・・・」

四人はそのまま階段をくだり続けた。

「やっとそこに着きましたわ」

四人が最下層に着くと階段は壁の中へ戻って行く。

「これ僕達ピンチなんじゃない?」

ロイテルが二本のブレードを構える。三人はロイテルが見つめるトンネルへ目をやった。非常灯が照らす薄暗いトンネルから次第に音が近づく。その音はやがて増え、大きくなってゆく。

「道はこのトンネルだけ一気に突っ切るわ」

ティールは漆黒の散弾銃を構える、バースは特に構える様子もない。

「走り向けるつもり?」

アルルが尋ねる、三人はアルルの方を見た。水でできた大きなエイが宙を舞っている。

「乗りなさい」

四人は大きなエイに乗り闇の中へ向かう・・・・


                              ~つづく~


最後までありがとうございました。

だんだんと四章の外形が見えてきました、もう一つ大きな事件が次回くらいから起こると思います。

次回の投稿はまだ未定です。すいません。

よろしければ次回もお付き合いください。

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