第三章 RedAndBule(S)
こんにちは。
今回もよろしくお願いします、役者達が舞台にそろいました。
最後までお楽しみください。
~第三章 RedAndBule(S)~
愛にとって最初の一撃は致命的だった、普段は能力により軽減されるはずの衝撃が体を壊す。刀を振るい、攻撃をかわす度に体に激痛が走る。
「ずいぶん辛そうだな」
大柄の男はあえて愛にかわせる攻撃を放ち、愛の苦しむ表情を見て楽しむ。
「もう少し痛めつけるか」
大柄の男は細身の男に命じた。細身の男の周りに黄色く輝く狐が現れる。
「行け」
狐達は愛を取り囲む、そして一斉に飛び掛かった。愛はその一匹を切り裂く。激痛と共に愛は崩れ落ちる。
「さっきらずいぶんと、あの子が気になるみたいだね」
キースは笑いながらリオルに漆黒の剣を降り下ろす、キースの剣はリオルを追いかけ、形を変え切りつける。どの傷も浅く、キースは楽しそうに切りつけ続ける。
「この剣はティールちゃんの特別製でね、一度切った相手は決して放さないよ」
リオルの反撃はキースにかすりもしない、キースの目は完全にリオルをとらえる。そしてまた愛の声が響く、キースはリオルを精神的にも追い込む。僅かに鈍ったリオルをキースが切り裂く。
「そんなに気になるのかい?」
キースは万勉の笑みで言う。
「しょうがないな」
キースは攻撃をやめる、漆黒の剣は寂しそうに影を放出していた。
愛は地面に膝をつき立ち上がろうとする。その時、一匹の狐が愛を突き抜ける。愛の体を電撃が突き抜ける。
「しぶといな、この子達の電撃をこれだけ受けてるのに」
細みの男は愛に近づき触れた、愛の体にまた電撃が走る。愛は激痛に悲鳴をあげた。
「まだ殺すなよ」
大柄の男は楽しそうに笑っていた、もう一人の空間転移者の女は無表情に観戦していた。愛は地面に倒れ込む、愛は目の前に落ちていた刀に手を伸ばす。細みの男はその腕を踏む、愛はその男を睨みつける。
「何だよその目は」
男は足に力を入れる、愛は表情一つ変えず睨みつける。
「妖刀 夢鶴」
言葉と共に細みの男の胸を刀が貫いた。
「何で・・・」
男は刀が砕けると地面に倒れた、残りの二人も唖然としている。愛が力を振り絞り落ちている刀へ向かう、刀に触れる寸前に刀は視界から消える。空間転移者の女が刀を蹴り飛ばした。そして愛に大柄の男の拳が迫る、そして愛は吹き飛ぶ。大柄の男は愛を拾い上げた。
「よくもやってくれたな、何をした?」
愛は男を睨みつけ言う、その目は鋭く殺意を込めたまま。
「夢でも見ていたんだろ」
男は愛を地面に投げつける、愛の体は地面に叩きつけられ、思わず痛みで声がでる。
リオルは愛に向かおうとした、目の前にキースが現れる。キースの剣がリオルの肩を貫いた。
「よそ見するからだよ」
キースの声にリオルは表情一つ変えない。
「もう十分だろ」
リオルが小さな声で言った。
「聞こえないな」
キースは剣を動かし傷をえぐる。
「頼む、もうやめてくれ」
キースは笑い愛の方に目を向ける。愛は大柄な男に首を捕まれ、持ち上げられていた。
「わかった、わかった、もう殺しちゃって」
大柄の男は腕に力を入れる、リオルは動こうとするが体が動かない。キースの持つ漆黒の剣が体に巻きついていた。愛の唇が微かに動いた、その動きがリオルに言葉を伝える。
「何してんだよ・・」
骨の砕ける音が響き渡った・・・・
~第三章 OverS(X.sideS)~
男は嬉しそうに笑う、ロイテルは迷うことなく隠していたショートブレードで男の首を跳ねた、首は地面に落ちた。ロイテルはアルルを抱え、その場を離れようとした。
「死んじゃうよその子」
地面に落ちた首が話始める。ロイテルは立ち止まり振り替える。
「ゲーム始まり、始まり~」
男は落ちた首を拾いもとの位置へ戻す、そして何もなかったように葉巻を取りだし、口にくわえ吸い始める。
「その子は僕の毒に侵されている、あと10分くらいで死んじゃうね」
葉巻から出た煙は姿を蛾に変え飛び回る。男は小さな飴玉を取りだし、袋に包まれたまま飲み込んだ。
「今のが解毒剤だよ、欲しいなら取りに来なよ」
ロイテルは地面に刺さっていたブレードを抜き蒼き閃光と貸し、赤き道化師に向かう。フロルは二人を見て決断を下した。
ティールはシャウトの攻撃をしのぐのが精一杯だった、シャウト攻撃は不可思議でまったく読めなかった。何より人間とは思えない動きを繰り返す。ティールは何とか落ち着く為に話かけた。
「何故、私を狙う?」
シャウトは攻撃を止めて話始めた。
「狙う?君が切り合いをしたいみたいだから、一緒に遊んでいただけだよ」
「違う、私の所に何故来た?」
シャウトはナイフを投げて遊びながら答える。
「昨日のパーティーで君がとても綺麗でさ、団長に君を仲間に入れてもいいか聞いたんだ」
シャウトの言動と言葉は奇妙で気味が悪かった。
「そしたら、君は見込みがあるからOKだってさ」
楽しそうに手を叩き鳴らす。
「どうだい?幻想の道化師においでよ」
ティールは躊躇なく剣を構える。
「お断りだ」
次の瞬間、ティールの目の前にシャウトがいる。
「じゃぁ、お仕舞い」
ティールは全くシャウトの動きを追えなかった、そして自身の最後を感じた。腹部にシャウト腕が伸びていた。
「まったくこんな美人に刃物を向けるなんてね」
ティールの横にバースが現れる、そして彼の腕にはシャウトが握っていたナイフが握られていた。
「これ返すよ」
シャウトは地面に倒され、ナイフが彼の心臓を貫いた。
「疲れた」
ティールには何が起きたか分からなかった、突然シャウトが地面に倒れ、心臓を自身のナイフで貫かれていた。バースはティールの手を握り口付けをした。
「始めまして、ティール・バールス」
ティールは突然のことで反応すら出来なかった。ティールはバースの後で起き上がるシャウトを見た。バースはすぐに振り返る。
「死んじゃえー!!!」
シャウトが叫ぶ。そして地面から無数の棘が現れシャウトは貫かれた。
「君が死になよ」
バース達がいた位置にシャウトが、シャウトがいた位置にバース達がいた・・
~つづく~
最後まで読んでいただきありがとうございました。
第三章もあと3.4話ほどで完結になると思います。どうにか今月中に完結できるように頑張ります。
もう少しお付き合いお願いします。
あっ三章で連載が終わったりしませんよ!!!